暗槓(アンカン)とは?手牌だけで作るカンを初心者向けに解説

| 約6分 | ツモロン編集部

暗槓(アンカン)とは

暗槓(アンカン) とは、麻雀において手牌にある同じ牌4枚だけでカンを宣言する行為のことです。他家の捨て牌を使わず、自分でツモった牌だけで完成させるため「暗い(見えない)槓」と呼ばれます。

暗槓は門前を維持できる唯一のカンで、リーチ後でも条件を満たせば実行可能です。ドラが増える、嶺上牌をツモれるなどのメリットがある一方、手牌が固定化されるデメリットもあり、実行には慎重な判断が必要です。

暗槓の詳細解説

暗槓の基本ルール

暗槓の成立条件:
1. 手牌に同じ牌が4枚ある
2. 自分のツモ番で宣言
3. 「カン」と発声
4. 4枚を卓上に晒す
5. 嶺上牌を1枚ツモる

カンの種類比較

種類使用牌門前リーチ後
暗槓手牌の4枚維持条件付き可
明槓(大明槓)手牌3枚+他家捨て牌崩れる不可
加槓(小明槓)ポン済み+手牌1枚崩れている不可

暗槓の晒し方

暗槓の牌の見せ方:
┌─┬─┬─┬─┐
│裏│表│表│裏│ ←標準的
└─┴─┴─┴─┘

または

┌─┬─┬─┬─┐
│表│裏│裏│表│ ←別パターン
└─┴─┴─┴─┘

※両端または内側2枚を裏向き

使用例

実際の場面での使い方

例1:基本的な使用

「暗カン!」(宣言)
「暗槓します」
「アンカンドラ乗った」

例2:戦略的な会話

「暗槓するか迷う」
「リーチ後の暗槓」
「暗槓で手が狭まった」

例3:状況説明

「暗槓できる形」
「暗槓からの嶺上開花」
「待ちが変わらない暗槓」

関連用語

よくある間違い・注意点

初心者が間違えやすいポイント

  1. 門前の誤解

    • 暗槓は門前維持
    • リーチも継続可能
    • 門前清自摸和も可
  2. リーチ後の制限

    • 待ちが変わる暗槓は不可
    • 形式が変わるのもNG
    • 待ち不変なら可能
  3. 晒し方の間違い

    • 全部表向きはNG
    • 2枚は裏向き必須
    • 配置は左右対称
  4. タイミングの誤解

    • 自分のツモ後のみ
    • 他家の捨て牌では不可
    • ツモ切り前に宣言

暗槓のメリット・デメリット

メリット

暗槓の利点:
1. 門前維持
   - リーチ可能
   - 門前役も使える

2. ドラ増加
   - 槓ドラが乗る
   - 槓裏ドラも期待

3. 嶺上牌ツモ
   - 嶺上開花の可能性
   - 追加の1枚

4. 符の増加
   - 暗槓は16符
   - 高得点化

デメリット

デメリット内容影響
手牌固定変更不可能柔軟性喪失
守備力低下使える牌減少オリにくい
情報開示4枚見せる読まれやすい
槓ドラ供与他家も恩恵リスク増大

リーチ後の暗槓

リーチ後暗槓の条件

リーチ後に暗槓できる条件:
1. 待ちが変わらない
   - 面子構成不変
   - 待ち牌同じ

2. 符だけ増える
   - 得点は上がる
   - でも形は同じ

例:リーチ後の暗槓可能
手牌:123m456p77s 111z(ポン)
ツモ:1z → 暗槓可能(待ち不変)

待ちが変わる例(不可)

手牌例ツモ暗槓可否
1112345m1m1m暗槓不可(待ち変化)
3334567m3m3m暗槓不可(形式変化)
111222m33s1m1m暗槓可能(待ち不変)

暗槓の戦略

暗槓すべきタイミング

暗槓推奨の状況:
1. ドラを4枚持ち
   - 16符+ドラ4
   - 圧倒的高得点

2. 安全牌が欲しい
   - 嶺上牌に期待
   - 守備的理由

3. 符が必要
   - 30符→40符以上
   - 得点アップ

4. 嶺上開花狙い
   - ロマン追求
   - 一発逆転

暗槓を避けるべき時

状況理由判断
良形テンパイ和了優先暗槓しない
他家リーチ槓ドラ危険慎重に
親番連荘優先状況次第
オーラス時間がない基本しない

暗槓と符計算

暗槓の符

暗槓の符計算:
暗槓:16符(么九牌は32符)
明槓:8符(么九牌は16符)

例:白を暗槓
基本符:16符
么九牌:×2
合計:32符

符への影響例

元の符暗槓後得点変化
30符40符以上1段階UP
40符50符以上大幅UP
50符70符以上満貫近く

暗槓のタイミング

宣言の手順

正しい暗槓の流れ:
1. 自分の番でツモる
2. 暗槓可能か確認
3. 「カン」と宣言
4. 4枚を晒す(2枚裏向き)
5. 嶺上牌をツモる
6. 1枚打牌する

注意すべきタイミング

タイミング注意点対処
配牌時まだ暗槓不可第1ツモ後から
リーチ宣言時同時は不可どちらか選択
海底前嶺上牌なし暗槓できない

暗槓と他の役

暗槓が関わる役

暗槓関連の役:
1. 嶺上開花(1翻)
   - 暗槓後の嶺上牌で和了

2. 三槓子(2翻)
   - 3回カン(暗槓含む)

3. 四槓子(役満)
   - 4回カン(暗槓含む)

4. 四暗刻(役満)
   - 暗槓も暗刻扱い

暗槓と役の相性

相性理由
三暗刻良い暗刻として計算
対々和良い刻子扱い
平和悪い刻子があるため
一気通貫悪い順子が必要

暗槓の心理戦

暗槓で相手を惑わす

心理的効果:
1. 威嚇効果
   - 高得点を演出
   - 相手を萎縮

2. 情報隠し
   - 待ちが読めない
   - 手牌構成不明

3. 時間稼ぎ
   - 流れを変える
   - リズムを崩す

暗槓への対処

相手の暗槓対処法理由
序盤暗槓警戒強化高得点の可能性
ドラ暗槓早めの和了被害最小化
リーチ後暗槓現物重視守備優先

特殊な暗槓状況

連続暗槓

複数回の暗槓:
1回目:通常通り実行
2回目:さらにドラ増加
3回目:三槓子確定
4回目:四槓子の可能性

※1人で4回は四槓子
※複数人で5回は流局

暗槓と国士無双

状況ルール備考
暗槓後の捨て牌国士で取れる搶槓にならない
13面待ち暗槓も和了可特殊ルール

まとめ

暗槓(アンカン)は手牌の同じ牌4枚だけで行うカンで、門前を維持できる唯一のカンです。ドラが増える、嶺上牌をツモれる、符が上がるなどのメリットがある一方、手牌が固定化され守備力が下がるデメリットもあります。

初心者の方は、まず「暗槓=門前維持」「4枚中2枚は裏向き」という基本を覚えましょう。暗槓は強力な技ですが、タイミングを誤ると逆効果になることもあります。特にリーチ後の暗槓は待ちが変わらない場合のみ可能という制限があるので注意が必要です。状況を見極めて適切に使いこなせるようになりましょう。

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