暗刻(アンコ)とは
暗刻(アンコ) とは、麻雀において自分の手牌の中だけで作った同じ牌3枚の組み合わせのことです。他家の捨て牌を鳴かずに、自力で3枚集めた刻子(コーツ)を暗刻と呼びます。
暗刻は「暗い刻子」、つまり相手から見えない刻子という意味で、手の内が読まれにくく、符計算でも高い評価を受ける重要な要素です。
暗刻の詳細解説
暗刻と明刻の違い
| 項目 | 暗刻(アンコ) | 明刻(ミンコ) |
|---|---|---|
| 作り方 | 自分で3枚集める | ポンして作る |
| 見た目 | 手牌の中(相手から見えない) | 場に晒す(相手から見える) |
| 門前 | 門前を維持 | 門前崩れ |
| 符計算 | 中張牌:4符 幺九牌:8符 | 中張牌:2符 幺九牌:4符 |
暗刻の例
| 牌の種類 | 暗刻の例 |
|---|---|
| 数牌(中張牌) | 222萬、555筒、666索 |
| 数牌(幺九牌) | 111萬、999筒、111索 |
| 字牌 | 東東東、白白白、中中中 |
ロンあがりでも暗刻扱い
重要なポイントとして、ロンあがりで完成した刻子も暗刻扱いになります。例えば、手牌に55萬があり、他家が5萬を捨ててロンした場合、この555萬は暗刻として扱われます。
使用例
実際の場面での使い方
例1:役の狙い
「暗刻が2つできたから、三暗刻を狙ってみよう」
「暗刻が3つあるけど、四暗刻は難しそうだな」
例2:鳴きの判断
「この対子は暗刻にしたいから、ポンはしない」
「三暗刻テンパイだから、この牌は鳴けない」
例3:点数計算
「中の暗刻だから8符つくね」
「暗刻が多いから符が高くなりそう」
暗刻の作り方
確率と戦略
- 対子から暗刻になる確率:約11%(残り2枚を引く)
- 1枚から暗刻になる確率:約0.5%(残り3枚を引く)
暗刻を作るコツ
-
序盤の対子を大切にする
- 特に字牌や端牌の対子
- ドラの対子は最優先
-
鳴きを我慢する
- 三暗刻以上を狙う場合
- 高打点が見込める場合
-
配牌を見極める
- 対子が多い配牌は暗刻系
- 七対子との選択も検討
関連用語
- 刻子(コーツ):同じ牌3枚の組み合わせ
- 明刻(ミンコ):ポンして作った刻子
- 対子(トイツ):同じ牌2枚のペア
- 三暗刻(サンアンコ):暗刻を3つ作る役
- 四暗刻(スーアンコ):暗刻を4つ作る役満
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
ロンあがりの扱い
- ロンで完成した刻子も暗刻
- ポンした瞬間に明刻になる
-
暗槓の扱い
- 暗槓も暗刻の一種として扱う
- 三暗刻・四暗刻に含まれる
-
シャンポン待ちの注意
- ツモなら暗刻
- ロンなら片方が明刻扱い(三暗刻などの場合)
-
符計算の重要性
- 暗刻は明刻の2倍の符
- 30符と40符の境界に注意
暗刻を活かした役
暗刻が必要な役
暗刻と相性の良い役
戦術的なポイント
暗刻を活かす場面
-
配牌で対子が多い時
- 4対子以上なら対々和系
- 暗刻を意識した手作り
-
守備的に打ちたい時
- 暗刻は安全牌になりやすい
- 手の内が読まれにくい
-
高打点を狙う時
- 三暗刻は2翻の高得点役
- 符も高くなりやすい
暗刻のメリット・デメリット
メリット
- 門前を維持できる
- 符が高い(明刻の2倍)
- 手が読まれにくい
- 三暗刻・四暗刻が狙える
デメリット
- 作るのが難しい(確率が低い)
- 手牌が重くなりやすい
- 進行が遅くなる
まとめ
暗刻は自力で作る刻子であり、麻雀において重要な要素の一つです。作るのは難しいですが、高い符がつき、三暗刻や四暗刻といった高得点の役にもつながります。初心者の方は、まず対子を大切にすることから始め、状況に応じて暗刻を狙うか、鳴いて早あがりを目指すかを判断できるようになることが大切です。暗刻の概念をしっかり理解することで、より戦略的な麻雀が打てるようになるでしょう。