ベタ降り(ベタオリ)とは?意味・方法・判断基準を初心者向けに解説

| 約5分で読める | ツモロン編集部

ベタ降り(ベタオリ)とは

ベタ降り(ベタオリ) とは、麻雀において和了を完全に諦めて、振り込まないことだけを目的とする守備戦術です。手牌を崩してでも安全牌を切り続け、局を流すことを目指します。

「ベタ」は「べったり」「完全に」という意味で、「オリ」は「降りる」の略です。攻撃を完全に放棄する、最も消極的な戦術です。

ベタ降りの詳細解説

ベタ降りの基本原則

  1. 和了を諦める

    • テンパイも狙わない
    • 手牌の形は無視
  2. 安全牌優先

    • 現物 → 字牌 → スジの順
    • 危険牌は絶対に切らない
  3. 流局を目指す

    • ノーテン罰符は覚悟
    • 振り込みよりマシ

ベタ降りの手順

1. 現物を確認して切る
2. 現物がなければ字牌(特に客風牌)
3. それもなければスジや壁を使う
4. 最後は端牌(1・9)
5. 無スジの中張牌は最後まで切らない

使用例

実際の場面での使い方

例1:ベタ降りの宣言

「親リーに対してベタオリします」
「ダブリーだ、完全にベタ降り」

例2:ベタ降りの実行

「現物から切って、ベタオリ態勢」
「手バラバラだけど、ベタオリ一択」

例3:ベタ降りの継続

「テンパイしてもベタオリ継続」
「もう降りたから最後まで降りる」

ベタ降りすべき場面

絶対にベタ降りすべき状況

状況理由
親のダブリー12000〜48000点の危険
役満テンパイ気配32000〜48000点
自分が大量リード守り切れば勝ち
オーラス逃げ切り振り込み=死

ベタ降りを検討すべき状況

  1. 複数リーチ

    • 2人以上のリーチ
    • 振り込み確率が高い
  2. 高打点の気配

    • ドラが見えない
    • 鳴いての高打点
  3. 自分の手が悪い

    • ノーテン or 愚形
    • 安い手

関連用語

よくある間違い・注意点

初心者が間違えやすいポイント

  1. 中途半端な降り

    • 降りたり攻めたりは最悪
    • 降りると決めたら徹底
  2. テンパイに惑わされる

    • ベタ降り中のテンパイは無視
    • 危険牌でリーチは論外
  3. 早すぎるベタ降り

    • 状況判断が重要
    • 必要以上に降りない
  4. 現物の見落とし

    • 全員の河を確認
    • 同巡の現物も忘れずに

ベタ降りの技術

安全牌の優先順位

優先度牌の種類安全度
1位現物100%
2位字牌(4枚見え)100%
3位字牌(客風牌)高い
4位スジ(両筋)中程度
5位端牌(1・9)やや安全

ベタ降りの心得

1. プライドを捨てる
   → 和了より失点回避

2. 手牌の美しさは無視
   → 123456でも崩す

3. ノーテン罰符は必要経費
   → 1000〜3000点は安い

ベタ降りの判断基準

点数状況による判断

自分の状況ベタ降り判断
トップ目で大量リード積極的にベタ降り
僅差の2位状況次第
大きく負けている勝負も検討
ラス目一発逆転狙い

手牌による判断

良い手牌(両面待ち・高打点)
→ 押し引きを検討

悪い手牌(ノーテン・愚形・安手)
→ ベタ降り推奨

ベタ降りと押し引き

ベタ降りと回し打ちの違い

戦術和了可能性安全度
ベタ降り0%最高
回し打ち低い高い
押し高い低い

段階的な守備

  1. 様子見:安全牌から切るが形は維持
  2. 回し打ち:形を崩し始める
  3. ベタ降り:完全に諦める

ベタ降りの統計

ベタ降りの効果

  • 放銃率:5%以下(正しく実行時)
  • ノーテン罰符:平均1500点
  • 期待値:マイナス1500点

※リーチに振り込むと平均8000点失点

ベタ降りのコツ

精神面

  1. 割り切りが大切

    • 和了への未練を断つ
    • 長期的視点を持つ
  2. 恥ずかしがらない

    • ベタ降りも立派な技術
    • プロほどベタ降りが上手い

技術面

  1. 河の管理

    • 全員の捨て牌を記憶
    • 現物を見逃さない
  2. 残り枚数の把握

    • 安全牌の枚数を数える
    • 最後まで凌げるか計算

まとめ

ベタ降りは和了を完全に諦めて振り込みを避ける守備戦術です。初心者にとっては勇気のいる選択ですが、麻雀で勝つためには必須の技術です。「振り込まないことも実力」という言葉通り、適切な場面でベタ降りができることで、長期的には成績が大きく向上します。状況を正しく判断し、必要な時は迷わずベタ降りする勇気を持ちましょう。

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