チーとは
チー とは、麻雀において左隣のプレイヤー(上家)が捨てた牌を貰って順子(シュンツ)を作る鳴きのことです。手牌に連続する2枚の数牌があるときに、上家が3枚目を捨てたら「チー」と発声して、その牌を貰うことができます。
チーは3種類の鳴き(ポン・チー・カン)の中で唯一、特定の相手(上家)からしか鳴けないという特徴があります。また、優先順位は最も低く、同時にポンやカンの声がかかった場合は、そちらが優先されます。
- リャンメンでチー



- カンチャンでチー



- ペンチャンでチー



チーの詳細解説
チーの基本ルール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 鳴ける相手 | 左隣(上家)のみ |
| 必要な手牌 | 連続する数牌2枚 |
| 完成形 | 順子(3枚の連続数牌) |
| 優先順位 | 最下位(ロン>カン>ポン>チー) |
チーできる組み合わせ
手牌の形とチーできる牌:
12 → 3でチー(123の順子)
23 → 1か4でチー(123か234)
34 → 2か5でチー(234か345)
13 → 2でチー(123の順子)
89 → 7でチー(789の順子)
チーできない例:
11 → 同じ牌なのでチー不可(ポンならOK)
19 → 連続していないのでチー不可
東南 → 字牌は順子にならないのでチー不可
チーの手順
| 手順 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1.上家が打牌 | 左隣が牌を捨てる | 他の人からは不可 |
| 2.チーと発声 | はっきりと宣言 | タイミング重要 |
| 3.手牌を晒す | 該当の2枚を公開 | 間違えないように |
| 4.順子を作る | 3枚を右端に置く | きれいに並べる |
| 5.打牌する | 不要牌を1枚捨てる | 通常通り |
使用例
実際の場面での使い方
例1:基本的なチー
手牌:23萬を持っている
上家:1萬を捨てる
自分:「チー!」→ 123萬の順子完成
例2:チーの選択
手牌:34筒を持っている
上家:2筒を捨てる → 234でチー可能
上家:5筒を捨てる → 345でチー可能
例3:チーできない場面
対面が5索を捨てる → チーできない(上家ではない)
上家が東を捨てる → チーできない(字牌)
右隣が牌を捨てる → チーできない(下家)
関連用語
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
チーできる相手を間違える
- 上家(左隣)からのみ
- 対面や下家からは不可
- ポンと混同しない
-
チーできる牌を間違える
- 数牌のみ(萬子・筒子・索子)
- 字牌ではチー不可
- 必ず連続する形
-
優先順位の理解不足
- ポンが優先される
- 同時発声でも負ける
- ロンが最優先
-
チー後の打牌ミス
- 必ず1枚捨てる
- 晒した牌は捨てられない
- 手牌は10枚になる
チーの戦略的価値
チーのメリット
1. 手を早く進められる
- 難しい順子も完成
- テンパイまでの速度向上
- 安い手でも早あがり
2. 相手の進行を妨害
- 欲しい牌を止める
- リズムを崩す
- テンパイを遅らせる
3. 確実に面子を作れる
- 両面待ちが不要
- ペンチャン・カンチャン解消
- 形の悪い手を修正
チーのデメリット
| デメリット | 影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 手が読まれる | 狙い筋がバレる | 複数の可能性を残す |
| 門前崩れ | リーチ不可 | 鳴いても成立する役を |
| 守備力低下 | 振り込みリスク | 安全牌を確保 |
| 食い下がり | 役の翻数減少 | 高い役は避ける |
チーを使った戦術
チーすべき場面
積極的にチーする状況:
1. タンヤオが確定する時
2. 三色同順が見える時
3. 役牌のバック(後付け可)
4. 終盤で早あがりしたい時
5. 親で連荘を狙う時
6. 点棒状況で急ぐ時
チーを控える場面
| 状況 | 理由 | 代替案 |
|---|---|---|
| 良い配牌 | リーチ可能性 | 門前で進める |
| 高い手 | 打点重視 | ツモに期待 |
| 序盤 | まだ余裕あり | 様子を見る |
| 一色手 | 手がバレる | 門前で隠す |
チーの応用技術
両面チー
手牌:234567
上家が1か8を捨てたらチー可能
メリット:
- 選択肢が広い
- タンヤオ維持可能
- 三色の可能性
くっつきチー
手牌に孤立牌があり、その隣の牌が出たらチーして形を作る技術。
| 手牌 | 上家の捨て牌 | チー後 |
|---|---|---|
| 4(孤立) | 3 | 34でチー待ち |
| 6(孤立) | 7 | 67でチー待ち |
鳴きタンヤオ
チーを活用したタンヤオ:
1. 234〜678の順子のみ
2. 端牌(1,9)を避ける
3. 字牌も避ける
4. スピード重視
チーに関する細かいルール
チーの制限
-
喰い替え禁止
- チーした牌と同じ牌を即捨て禁止
- 筋の牌も禁止(場所による)
-
一発消し
- リーチ後のチーで一発消滅
- 戦略的に使用可能
-
海底・河底
- 最後の牌でもチー可能
- ただし1枚捨てる必要あり
特殊なケース
同時発声の処理:
- チー vs ポン → ポンが優先
- チー vs カン → カンが優先
- チー vs ロン → ロンが優先
- チー vs チー → ありえない(上家は1人)
チーの頻度と統計
一般的な使用頻度
| 鳴きの種類 | 使用頻度 | 理由 |
|---|---|---|
| チー | 約40% | 順子は作りやすい |
| ポン | 約50% | 誰からでも可能 |
| カン | 約10% | 条件が厳しい |
チーが有効な役
チーと相性の良い役:
1. タンヤオ(最も相性良好)
2. 三色同順(必須技術)
3. 一気通貫(チー活用)
4. 混全帯么九(端牌チー)
5. 純全帯么九(端牌チー)
チーのマナーと作法
正しいチーの方法
-
発声は明確に
- 「チー」とはっきり
- 声の大きさは適度に
- タイミングを逃さない
-
晒し方
- 手牌から2枚出す
- 貰った牌と合わせる
- 右端にきれいに置く
-
打牌まで素早く
- 考える時間は最小限
- スムーズな進行を心がける
まとめ
チーは上家(左隣)からのみ順子を作れる鳴きで、麻雀の基本技術の一つです。数牌でしか使えず、優先順位は最も低いですが、手を早く進めるために重要な役割を果たします。
初心者の方は、まずチーできる相手(上家のみ)とチーできる形(連続する数牌)を確実に覚えましょう。タンヤオや三色同順など、チーを活用する役も多いため、適切な判断力を身につけることが大切です。門前を崩すデメリットと、手を早くするメリットを天秤にかけて、状況に応じた最適な選択ができるようになりましょう。