清一色(チンイーソー)とは
清一色(チンイーソー) とは、麻雀の役の一つで、萬子・筒子・索子のいずれか1種類の数牌のみで手牌を揃えることで成立する6翻役です。略して「チンイツ」とも呼ばれ、「染め手」の最高峰として麻雀愛好家に人気の高い役です。
門前(鳴かずに作る)なら6翻、鳴いて作ると5翻に下がる「喰い下がり」の役です。字牌を一切使わない純粋な美しさが特徴で、門前なら跳満以上、鳴いても満貫以上が確定する強力な高得点役です。
清一色の詳細解説
成立条件
清一色が成立するには、以下の条件を満たす必要があります:
| 条件 | 詳細 | 例 |
|---|---|---|
| 1種類の数牌のみ | 萬子・筒子・索子いずれか | 萬子のみ |
| 字牌は不可 | 東南西北白發中NG | 字牌が1枚でもあると混一色 |
| 他の色は不可 | 2種類以上の数牌はNG | 萬子+筒子は不可 |
門前と鳴きの違い
| 状態 | 翻数 | 点数例(子) |
|---|---|---|
| 門前 | 6翻 | 12000点〜(跳満) |
| 鳴き | 5翻(喰い下がり) | 8000点〜(満貫) |
※門前なら跳満以上、鳴いても満貫以上確定
使用例
実際の場面での使い方
例1:役の確認
「チンイツ確定」
「萬子だけで清一色」
例2:手作り時
「チンイツ狙いで萬子を集める」
「字牌を切ってチンイツへ」
例3:鳴きの判断
「チンイツは鳴いても満貫」
「スピード重視でチー」
清一色の形
基本形(門前)
手牌:123萬 456萬 789萬 11萬 99萬
完成形:萬子のみで14枚、6翻(跳満)
実戦でよくある形
鳴きを含む形:
チー:123萬(横向き)789萬(横向き)
手牌:456萬 55萬 77萬
→ 萬子のみで清一色、5翻(満貫)
七対子との複合:
手牌:1122334455667萬
→ 清一色6翻+七対子2翻 = 8翻(倍満)
関連用語
- 混一色(ホンイーソー):1種類+字牌(3翻)
- 一気通貫(イッキツウカン):複合可能な役
- 三色同順(サンショクドウジュン):対極の役
- 染め手(ソメテ):1種類に絞る手
- 喰い下がり(クイサガリ):鳴くと翻数が減る
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
混一色との混同
- 清一色:1種類のみ(字牌NG)
- 混一色:1種類+字牌OK
-
字牌1枚の混入
- 字牌が1枚でも不可
- 混一色になる
-
複数の色の使用
- 萬子+筒子は不可
- 必ず1種類のみ
-
喰い下がりの計算
- 鳴くと6翻→5翻
- それでも満貫以上
清一色を狙う戦術
配牌での判断
清一色を狙う目安:
| 配牌の状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 同種が8枚以上 | 積極的に狙う | 可能性が高い |
| 同種が7枚+字牌なし | 非常に有力 | 純粋な染め手 |
| ドラが該当色 | 最優先 | 倍満以上確定 |
| 1〜9がバランス良く | 狙いやすい | 面子を作りやすい |
鳴きの判断
鳴くタイミング:
-
序盤での鳴き
- 方向性を早めに確定
- テンパイスピード重視
-
中盤での鳴き
- 必要な牌が出たら即鳴き
- 5翻でも十分
-
終盤での鳴き
- 満貫確定の価値
- 確実に和了る
実戦での清一色
清一色への道筋
典型的な流れ:
配牌:萬子が8枚
↓
序盤:筒子・索子・字牌を全て切る
↓
中盤:萬子のみを集める
↓
終盤:清一色完成、テンパイ
他の色の処理
手順:
-
危険度順に切る
- 安全そうな牌から
- 序盤に処理
-
字牌も切る
- 役牌でも切る
- 清一色優先
-
ドラの判断
- 他色のドラも切る
- 該当色のドラは死守
複合しやすい役
よく複合する役
| 役名 | 条件 | 合計翻数 |
|---|---|---|
| 一気通貫 | 123456789 | 8翻(鳴き7翻) |
| 七対子 | 7つの対子 | 8翻(門前のみ) |
| 対々和 | 全て刻子 | 8翻(鳴き7翻) |
| 二盃口 | 同じ順子2組×2 | 9翻(門前のみ) |
| 三暗刻 | 3つの暗刻 | 8翻(門前のみ) |
複合例
清一色+一気通貫+ドラ1:
手牌:123萬 456萬 789萬 11萬 99萬
門前:9翻(三倍満)
鳴き:8翻(倍満)
清一色の確率と価値
出現率
統計データ:
- 門前での成立:約0.8%
- 鳴きを含む:約1.2%
- 高得点役の中では比較的多い
他の高得点役との比較
作りやすさ:
- 対々和(約1.5%)
- 清一色(約1.2%)
- 混一色(約3%)
- 三暗刻(約0.3%)
- 小三元(約0.2%)
清一色の戦略ポイント
序盤の判断
狙うべき配牌:
- 1種類の数牌が多い(8枚以上)
- 字牌が少ない
- ドラが該当色
- 1〜9がバランス良く
諦めるべき配牌:
- 3種類バランスよく来る
- 字牌が多すぎる
- 他の役が有力
- 該当色が7枚以下
中盤の手作り
効率的な進め方:
-
徹底的に1色のみ
- 他は全て切る
- 迷わず切る
-
鳴きの活用
- スピード重視
- 5翻でも強い
-
待ちの調整
- 良形を優先
- 多面待ちを目指す
終盤の詰め
テンパイへの道:
- 最大待ちを選ぶ
- フリテンに注意
- ドラを最大活用
清一色と混一色の使い分け
清一色を選ぶ場合
清一色の利点:
- 圧倒的な高得点(6翻)
- 門前なら跳満以上
- 純粋な美しさ
- 字牌を切れる
清一色を選ぶ条件:
- 字牌が少ない(2枚以下)
- 該当色が8枚以上
- 跳満以上を狙いたい
混一色を選ぶ場合
混一色の利点:
- 字牌が使える
- 役牌と複合しやすい
- 比較的作りやすい
混一色を選ぶ条件:
- 役牌の対子がある
- 字牌が3枚以上
- 安定を重視
清一色の心理戦
相手への影響
清一色の圧力:
-
捨て牌で分かる
- 2種類を切り続ける
- すぐにバレる
-
防御を強いる
- 該当色を出せない
- 手が制限される
-
高得点の威嚇
- 満貫以上確定
- 攻撃を抑制
清一色への対応
相手の清一色サイン:
- 序盤から2色を切る
- 字牌も切る
- 1種類を鳴く
対処法:
- 該当色を抱える
- ベタオリ検討
- リーチで先制
ローカルルール
喰い下がりの扱い
地域による違い:
- 一般的:鳴くと5翻
- 一部地域:鳴いても6翻(稀)
- 競技麻雀:必ず喰い下がり
特殊な清一色
バリエーション:
- 大車輪(2〜8の筒子七対子)
- 大竹林(2〜8の索子七対子)
- 大数隣(2〜8の萬子七対子)
- これらを役満扱いにする地域も
歴史と文化
清一色の由来
名称の意味:
- 清:純粋、清い
- 一色:1種類のみ
- 「チンイツ」は略称
人気の理由
愛される理由:
-
圧倒的な高得点
- 6翻(鳴き5翻)
- 門前なら跳満確定
-
視覚的な美しさ
- 1色に統一された美しさ
- 完成時の達成感
-
分かりやすさ
- 初心者でも理解しやすい
- 目標が明確
まとめ
清一色(チンイーソー)は、1種類の数牌のみで手牌を揃える6翻役です。門前なら6翻で跳満以上、鳴いても5翻で満貫以上が確定する強力な高得点役です。字牌を一切使わない純粋さが特徴で、「染め手」の最高峰として人気があります。初心者の方は、まず「1種類のみ、字牌NG」という基本を覚え、配牌で該当する色が8枚以上あれば積極的に狙ってみましょう。混一色より難しいですが、その分高得点が期待できる魅力的な役です。