振り込み(フリコミ)とは
振り込み(フリコミ) とは、麻雀において他家の当たり牌(和了牌)を捨ててしまい、ロン和了されて点数を支払うことを指します。正式には「放銃(ホウジュウ)」とも呼ばれ、自分のミスで相手に得点を与えてしまう最も避けたい行為です。
振り込みは麻雀の勝敗を大きく左右する要素で、いかに振り込みを減らすかが上達の重要なポイントとなります。
振り込みの詳細解説
振り込みが起こる状況
| 状況 | 説明 | 危険度 |
|---|---|---|
| リーチ者への振り込み | リーチに対して当たり牌を捨てる | 高 |
| ダマテンへの振り込み | 鳴いていない相手への振り込み | 予測困難 |
| 鳴き手への振り込み | 副露している相手への振り込み | 中 |
| 役満への振り込み | 国士無双などへの振り込み | 致命的 |
振り込みの点数支払い
振り込んだ時の支払い:
- 全額を一人で支払う
- ツモられた場合の3〜6倍
- 親への振り込みは1.5倍
- 役満は32,000点(親48,000点)
例:子の満貫に振り込み
振り込み:8,000点支払い
ツモられた場合:2,000点(1/4)
振り込みやすい牌
| 種類 | 理由 | 危険度 |
|---|---|---|
| ドラ | 誰もが欲しがる | 最高 |
| 中張牌(4-6) | 両面待ちに使いやすい | 高 |
| スジではない牌 | 両面待ちの可能性 | 高 |
| 19字牌(序盤切られず) | 国士無双の可能性 | 状況次第 |
使用例
実際の場面での使い方
例1:振り込みの瞬間
「あー、振り込んだ!」
「リーチに振り込んじゃった」
「満貫振り込みは痛い」
例2:振り込みを警戒
「これは振り込みそうだから止めよう」
「振り込み覚悟で攻める」
「振り込んでも安いから勝負」
例3:振り込み後の反省
「なんで振り込んだんだろう」
「スジを信じすぎた」
「現物があったのに振り込んだ」
関連用語
- 放銃(ホウジュウ):振り込みの正式名称
- 安全牌(アンゼンハイ):振り込まない牌
- 現物(ゲンブツ):相手の捨て牌
- ベタオリ:完全に降りること
- スジ:両面待ちを否定する理論
- 危険牌(キケンハイ):振り込みやすい牌
よくある間違い・注意点
初心者が振り込みやすい場面
-
リーチ後の無警戒
- リーチ=テンパイを忘れる
- 自分の手に夢中
- 守備意識の欠如
-
スジの過信
- カンチャン・ペンチャンには無効
- シャボにも無効
- 終盤は信頼度低下
-
現物の見落とし
- 相手の捨て牌を確認せず
- 同巡現物も忘れる
- 最も基本的なミス
-
欲張りすぎ
- 自分の手を優先
- もう1巡の誘惑
- 結果大損失
振り込みを防ぐ基本
守備の基本原則
振り込まないための鉄則:
1. 現物を切る(100%安全)
2. スジを活用する(比較的安全)
3. 序盤の字牌を切る(やや安全)
4. 危険を感じたら降りる
5. 相手の捨て牌を読む
危険信号の見分け方
| 信号 | 意味 | 対処法 |
|---|---|---|
| リーチ | テンパイ確定 | 現物優先 |
| 鳴きの加速 | テンパイ近い | 警戒レベル上げる |
| 手出し変化 | テンパイの可能性 | 安全牌準備 |
| 終盤の動き | 勝負に出ている | ベタオリ検討 |
振り込みの種類と対策
リーチへの振り込み
特徴:
- 最も多い振り込みパターン
- 一発・裏ドラの危険
- 明確な危険信号
対策:
- 現物を最優先
- スジを頼る
- 早めの決断
ダマテンへの振り込み
| 特徴 | 対策 |
|---|---|
| 予兆が少ない | 捨て牌から推測 |
| 高打点の可能性 | 中張牌に注意 |
| 終盤に多い | 油断しない |
鳴き手への振り込み
見えている情報から推測:
- 役を特定(タンヤオ、役牌等)
- 残り牌を推測
- 危険牌を避ける
振り込み率を下げるコツ
段階的な守備
| 段階 | 行動 | 効果 |
|---|---|---|
| 警戒】 | 安全度の高い牌を選ぶ | リスク軽減 |
| 回し打ち | 自分の手も進める | バランス型 |
| ベタオリ | 完全に安全牌のみ | 振り込み回避 |
場況判断
振り込みリスクの判断要素:
1. 点数状況(振り込んでも大丈夫か)
2. 残り局数(挽回可能か)
3. 自分の手(勝負する価値)
4. 相手の様子(本気度)
5. 場の流れ(危険な雰囲気)
振り込みやすい初心者の特徴
よくあるパターン
-
手牌しか見ていない
- 捨て牌を見ない
- リーチを忘れる
- 場の変化に気づかない
-
欲張りすぎる
- あと1枚で…
- もう少しで…
- 結果振り込み
-
理論を知らない
- 現物を知らない
- スジを理解していない
- 勘で打つ
改善方法
振り込みを減らす練習:
- 毎局捨て牌を確認
- リーチされたら一旦止まる
- 現物から切る習慣
- 無理をしない
- 反省と分析
振り込みの心理学
振り込む人の心理
| 心理状態 | 行動 | 結果 |
|---|---|---|
| 焦り | 考えずに切る | 振り込み |
| 欲 | 自分の手優先 | 振り込み |
| 過信 | 大丈夫だろう | 振り込み |
| 諦め | どうせ当たる | 振り込み |
正しい心構え
振り込まない人の考え方:
- 冷静な判断
- リスクとリターンの計算
- 長期的視点
- 謙虚な姿勢
- 学習意欲
統計で見る振り込み
振り込み率の目安
| レベル | 振り込み率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 初心者 | 15-20% | 守備意識低い |
| 中級者 | 12-15% | 基本は理解 |
| 上級者 | 10-12% | 的確な判断 |
| プロ | 11-13% | 攻守のバランス |
振り込みやすい巡目
危険な巡目:
- 6-8巡目:リーチ増加
- 12-14巡目:ダマテン増加
- 16-18巡目:全員危険
まとめ
振り込みは他家の和了牌を捨てて点数を失う行為で、麻雀で最も避けたいミスです。リーチなどの危険信号を見逃さず、現物やスジなどの安全牌理論を活用することで、振り込み率を下げることができます。
初心者の方は、まず「リーチされたら現物を切る」という基本から始めましょう。自分の手ばかり見ずに、相手の捨て牌や動きにも注意を払うことが大切です。振り込みを恐れすぎても勝てませんが、無謀な振り込みを減らすことが、確実な上達への第一歩となります。