現物(ゲンブツ)とは
現物(ゲンブツ) とは、麻雀において相手が捨てた牌と同じ牌のことです。リーチをかけた人が捨てた牌と同じ牌は、その人に対して100%安全な牌となります。
「現物」という名前は、「現に物として捨てられている牌」という意味から来ており、麻雀の守備における最も基本的で重要な概念です。
現物の詳細解説
なぜ現物は絶対安全なのか
麻雀のルール「フリテン」により:
- 自分が捨てた牌ではロンできない
- リーチ後は待ちを変えられない
- よって現物は100%安全
現物の例
Aさんがリーチ、捨て牌:123456萬 45筒 678索 東南西
この場合の現物:
- 1〜6萬、4・5筒、6・7・8索、東、南、西
- これらの牌はAさんに対して絶対に振り込まない
現物の種類
| 種類 | 説明 | 安全度 |
|---|---|---|
| リーチ者の現物 | リーチ者が捨てた牌 | 100% |
| 副露者の現物 | 鳴いた人が捨てた牌 | 高い |
| 全員の現物 | 全員が捨てた牌 | 最高 |
使用例
実際の場面での使い方
例1:守備の基本
「リーチに対しては、まず現物から切る」
「現物がなくなった...危ないな」
例2:現物の確認
「5索は現物だから安全」
「この東は親の現物だね」
例3:現物切れ
「現物が切れたから、次はスジで凌ぐか」
「現物がもう2枚しかない...」
現物の重要性
守備の優先順位
- 現物 ← 最優先
- 字牌(特に客風牌)
- スジ
- 壁
- その他の読み
現物がない場合の危険度
- 現物以外を切る = 振り込みリスクあり
- 特に両面待ちには要注意
- 読みが外れれば一発振り込み
関連用語
- ベタオリ:完全に降りる守備
- 筋(スジ):両面待ちの読み
- 安全牌(アンゼンパイ):安全な牌の総称
- フリテン:ロンできない状態
- 押し引き:攻守の判断
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
リーチ前の捨て牌
- リーチ前の牌は現物ではない
- リーチ後の捨て牌のみ100%安全
-
他家への現物
- AさんリーチでBさんの現物は無関係
- 各プレイヤーごとに現物は異なる
-
ダマテンへの過信
- ダマテン(リーチなし)には現物なし
- 捨て牌だけでは判断できない
-
同巡の現物
- 同じ巡目に捨てられた牌も現物
- 見逃しやすいので注意
現物を使った守備戦術
ベタオリの基本
-
現物から切る
- 最も安全な選択
- 手牌を崩してでも
-
現物を温存
- 序盤は現物を抱える
- 終盤に備える
-
現物がない時
- 字牌 → スジ → その他
- 最悪は勝負
現物の数え方
リーチ者の捨て牌を確認
→ 手牌に同じ牌があるか確認
→ 現物の枚数を把握
→ 残り巡目と相談
現物と他の安全牌の比較
| 安全牌の種類 | 安全度 | 根拠 |
|---|---|---|
| 現物 | 100% | フリテンルール |
| 字牌(4枚見え) | 100% | 物理的に不可能 |
| スジ | 約70% | 両面待ちを否定 |
| 字牌(生牌) | 約60% | 使いづらい牌 |
現物の応用
現物待ち
相手のリーチに対して
現物の単騎待ちでテンパイ
→ 守りながら和了も狙える
現物誘導
危険牌を先に切る
→ 相手がその牌で待つ可能性
→ 後で現物として使える
現物に関する統計
リーチ者の現物保有率
- 平均3〜4枚の現物を持つ
- 終盤は現物切れが多い
- 現物なしでの放銃率:約30%
まとめ
現物は相手が捨てた牌と同じ牌で、その相手に対して100%安全な牌です。麻雀の守備において最も基本的で重要な概念であり、初心者の方はまず「リーチされたら現物から切る」ということを徹底的に身につけることが大切です。現物を正しく理解し使いこなすことで、振り込みを大幅に減らすことができ、結果的に成績向上につながります。