愚形(グケイ)とは
愚形(グケイ) とは、麻雀において和了牌の枚数が少ない、効率の悪い待ちの形を指します。両面待ち(リャンメン待ち)のような良形(リョウケイ)に対して、カンチャン待ち、ペンチャン待ち、シャボ待ち、単騎待ちなどが愚形に分類されます。
「愚形」という言葉には「愚かな形」という意味が込められていますが、必ずしも悪いだけではなく、状況によっては愚形が有効な場面もあります。
愚形の詳細解説
愚形の種類と待ち牌数
| 待ちの種類 | 形の例 | 待ち牌 | 最大枚数 |
|---|---|---|---|
| カンチャン待ち | 13で2待ち | 2のみ | 4枚 |
| ペンチャン待ち | 12で3待ち | 3のみ | 4枚 |
| シャボ待ち | 11と99 | 1か9 | 各2枚(計4枚) |
| 単騎待ち | 東単騎 | 東のみ | 3枚 |
| ノベタン | 1234 | 1か4 | 各3枚(計6枚) |
良形との比較
良形(リョウケイ):
- 両面待ち:23で14待ち(最大8枚)
- 三面張:2345で147待ち(最大12枚)
愚形(グケイ):
- 待ち牌が4枚以下
- 和了確率が低い
- でも読まれにくい利点も
愚形の特徴
| 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 待ち牌が少ない | 読まれにくい | 和了しにくい |
| 変則的な形 | 意外性がある | 効率が悪い |
| リーチしにくい | 守備的になれる | 攻撃力低下 |
| 高目安目がある | 戦略的選択可 | 判断が難しい |
使用例
実際の場面での使い方
例1:愚形の種類
「カンチャンのみで愚形待ち」
「シャボ待ちの愚形テンパイ」
「愚形だけどリーチする」
例2:愚形の判断
「愚形だから降りよう」
「愚形でも高い手だから勝負」
「良形に受け変えたい」
例3:愚形の活用
「愚形だけど相手の現物待ち」
「あえて愚形残しで読ませない」
「愚形即リーで一発狙い」
関連用語
- 良形(リョウケイ):待ちが良い形
- 両面待ち(リャンメン):最も基本的な良形
- カンチャン待ち:間が空いた待ち
- ペンチャン待ち:端に寄った待ち
- シャボ待ち:2つの対子待ち
- 単騎待ち(タンキ):1枚だけの待ち
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
愚形の見落とし
- 両面に見えて実はカンチャン
- 多面張と勘違い
- 壁による制限
-
愚形でのリーチ判断
- 待ち牌の枚数確認
- 残り枚数の把握
- 点数との兼ね合い
-
愚形の過小評価
- 読まれにくさの利点
- 高い手なら勝負価値
- 状況次第では有効
-
良形変化の見逃し
- 手変わりの可能性
- 待ち変えのチャンス
- フリテンに注意
代表的な愚形待ち
カンチャン待ち(嵌張)
形の例:
13 → 2待ち
46 → 5待ち
79 → 8待ち
特徴:
- 最も一般的な愚形
- 最大4枚
- 順子の真ん中待ち
ペンチャン待ち(辺張)
| 形 | 待ち | 特徴 |
|---|---|---|
| 12 | 3待ち | 端に寄った形 |
| 89 | 7待ち | 端に寄った形 |
| 23(1が4枚見え) | 4待ちのみ | 壁で制限 |
シャボ待ち(シャンポン)
形の例:
11m 99s → 1mか9s
東東 南南 → 東か南
55p 88p → 5pか8p
特徴:
- 2つの対子
- 各最大2枚(計4枚)
- トイトイと相性良い
単騎待ち(タンキ)
| 種類 | 例 | 最大枚数 |
|---|---|---|
| 字牌単騎 | 東待ち | 3枚 |
| 数牌単騎 | 5m待ち | 3枚 |
| 地獄単騎 | 3枚見えで1枚待ち | 1枚 |
| 裸単騎 | 13枚鳴いて1枚待ち | 場による |
愚形待ちの戦略
愚形でリーチすべき場合
リーチする価値がある時:
1. 高打点(満貫以上)
2. 親番で連荘狙い
3. 点差的に必要
4. 相手の現物待ち
5. 残り枚数が多い(3枚以上)
愚形を避ける打ち方
| 段階 | 対策 | 具体例 |
|---|---|---|
| 序盤 | 両面ターツ優先 | 23残して13切る |
| 中盤 | 愚形になる牌を切る | 孤立牌の4や6 |
| 終盤 | 良形変化を待つ | もう1巡待つ |
| テンパイ時 | 待ち選択を考慮 | 高目を取る |
愚形の活かし方
愚形の利点を活用:
1. 読まれにくい
- スジ読み無効
- 意外な待ち
2. 捨て牌に出やすい
- 序盤切りの字牌
- 孤立牌の4-6
3. 振り込みにくい
- 安全そうな牌
- 現物に近い牌
愚形からの変化
良形への受け変え
| 現在の形 | ツモ | 変化後 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 13(カンチャン) | 4 | 134 | 25の両面へ |
| 12(ペンチャン) | 4 | 124 | 3の単騎へ |
| 11・99(シャボ) | 2 | 112・99 | 3の単騎へ |
| 東(単騎) | 東東 | 東東東 | 暗刻完成 |
フリテンとの関係
愚形でフリテンになりやすい例:
- カンチャンの片方を切った
- シャボの片方を切った
- 良形から愚形に受けた
- 見逃してフリテン
愚形テンパイの判断
リーチ判断の基準
| 要素 | リーチする | ダマテン |
|---|---|---|
| 打点 | 高い(3900点以上) | 安い(1000点) |
| 残り枚数 | 3枚以上 | 1-2枚 |
| 巡目 | 早い(6巡目以内) | 遅い(12巡目以降) |
| 他家の様子 | おとなしい | リーチ者あり |
愚形の確率論
和了確率の目安(山に4枚ある場合):
- 両面待ち:約50%(8枚中4枚)
- 愚形待ち:約25%(4枚中2枚)
- 地獄待ち:約6%(1枚のみ)
※残り巡目による
愚形にまつわる格言
麻雀の教え
-
「愚形リーチは勇気」
- 時には思い切りも必要
- 高打点なら勝負
-
「愚形なら高く」
- 安い愚形は損
- リスクとリターン
-
「良形を待って愚形」
- 欲張りすぎ注意
- タイミングも重要
まとめ
愚形は待ち牌が少ない効率の悪い待ちの形ですが、読まれにくいという利点もあります。カンチャン、ペンチャン、シャボ、単騎などが代表的な愚形で、それぞれに特徴があります。
初心者の方は、まず愚形と良形の違いを理解し、できるだけ良形でテンパイすることを目指しましょう。ただし、高打点の愚形や、状況によっては愚形でも勝負する判断力も必要です。愚形を避ける技術と、愚形を活かす技術の両方を身につけることが、麻雀上達への道となります。