愚形待ち(グケイマチ)とは
愚形待ち(グケイマチ) とは、麻雀において待ち牌が少ない、あがりにくい形の待ちのことです。「悪形(アクケイ)」とも呼ばれ、両面待ちなどの良形(リョウケイ)と対比される概念です。
主にカンチャン待ち、ペンチャン待ち、単騎待ち、シャンポン待ちが愚形に分類され、待ち牌が最大でも4枚しかないため、あがり率が低くなります。
愚形待ちの詳細解説
愚形待ちの種類と特徴
| 待ちの種類 | 形の例 | 待ち牌 | 枚数 | あがりやすさ |
|---|---|---|---|---|
| カンチャン待ち | 24萬 | 3萬 | 4枚 | 低い |
| ペンチャン待ち | 12萬 | 3萬 | 4枚 | 低い |
| 単騎待ち | 東(雀頭) | 東 | 3枚 | 非常に低い |
| シャンポン待ち | 22萬33萬 | 2萬・3萬 | 4枚 | 低い |
| 両面待ち(比較) | 23萬 | 1萬・4萬 | 8枚 | 高い |
愚形待ちの判定基準
愚形とされる理由:
-
待ち牌が少ない
- 最大4枚(単騎は3枚)
- 両面待ちの半分
-
変化の可能性が低い
- 待ちが固定的
- 良形への変化が限定的
-
読まれやすい
- 捨て牌から推測可能
- 守備的に打たれる
使用例
実際の場面での使い方
例1:待ちの確認
「カンチャン待ちか、愚形だな」
「ペン3萬の愚形待ち」
例2:戦術的な判断
「愚形だからダマテン」
「愚形でもドラ3だからリーチ」
例3:手牌の評価
「愚形を嫌って手を戻す」
「良形変化を待とう」
各愚形待ちの詳細
カンチャン待ち(嵌張)
特徴:
形:13、24、57など
待ち:真ん中の1枚(2、3、6など)
枚数:4枚
メリット:
- スジで読まれにくい
- 高い牌でも待てる
デメリット:
- 待ち牌が4枚のみ
- 変化が限定的
ペンチャン待ち(辺張)
特徴:
形:12、89など
待ち:端の1枚(3、7など)
枚数:4枚
メリット:
- 序盤は出やすい
- 端牌は安全牌になりやすい
デメリット:
- 3・7待ちのみ
- 最も変化しにくい
単騎待ち(単騎)
特徴:
形:雀頭待ち
待ち:その牌1種類
枚数:3枚(自分が1枚使用)
メリット:
- 字牌でも待てる
- 地獄待ちが強力
- 他の面子が自由
デメリット:
- 最も枚数が少ない
- ツモりにくい
シャンポン待ち(双碰)
特徴:
形:対子2組(22萬55筒など)
待ち:どちらかの対子
枚数:最大4枚
メリット:
- 2種類で待てる
- 高い方であがれる
デメリット:
- 各2枚しかない
- 片方が出ると1枚
関連用語
- 良形(リョウケイ):待ちが良い形
- 両面待ち(リャンメンマチ):最も良い待ち
- 多面待ち(タメンマチ):3つ以上で待つ形
- 良形変化(リョウケイヘンカ):愚形から良形への変化
- ダマテン:愚形でよく選択される
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
愚形の過小評価
- 愚形でもあがれる
- 状況次第では有効
-
無理な良形固執
- 良形にこだわりすぎ
- テンパイが遅れる
-
リーチ判断ミス
- 愚形即ダマは間違い
- 打点次第でリーチ
-
変化の見落とし
- 愚形から良形への変化
- 受け入れ牌の確認不足
愚形待ちの戦術
愚形でのリーチ判断
リーチする場合:
-
高打点
- 満貫以上
- ドラが多い
- 一発・裏ドラ期待
-
先制
- 他家より早い
- プレッシャー効果
- 追っかけられにくい
-
残り巡目
- 序盤〜中盤
- ツモる可能性
- 改良の余地なし
ダマテンの場合:
-
安い手
- 1000点程度
- リーチの価値低い
-
危険な状況
- 他家テンパイ濃厚
- 親リーチなど
- 守備重視
-
終盤
- 残り巡目少ない
- 出あがり重視
愚形の改善方法
良形への変化を狙う:
-
カンチャン→両面
24萬 → 5萬ツモ → 245萬(3・6萬待ち) -
ペンチャン→両面
12萬 → 4萬ツモ → 124萬(3萬切りで両面) -
単騎→他の待ち
東単騎 → 面子の組み替えで両面など
愚形での押し引き
押す場合:
- テンパイが早い
- 打点が高い
- 親番
- 点数状況で必要
引く場合:
- 他家が危険
- 安い愚形
- 振り込みリスク大
- オリても問題ない
実戦での活用
愚形を受け入れる場面
-
早いテンパイ優先
- 先制が重要
- 愚形でも価値あり
-
高打点確定
- 役満テンパイ
- 確定満貫以上
-
特殊な状況
- オーラス逆転
- 親の連荘狙い
愚形を避ける工夫
-
序盤の打牌選択
- ターツの優劣
- 良形になりやすい形
-
中盤の手作り
- 愚形になる前に修正
- 柔軟な構想
-
鳴きの活用
- 愚形を避けて鳴く
- 確実な面子作り
愚形待ちの価値
状況による価値の変化
愚形でも価値が高い:
- 役満の愚形
- 親の跳満以上
- 先制の愚形リーチ
- 一発消しの愚形
愚形の価値が低い:
- 1000点の愚形
- 追っかけの愚形
- 終盤の愚形
- フリテンの愚形
プロの愚形活用
上級者の考え方:
- 愚形でも恐れない
- 状況判断が重要
- スピード重視
- 総合的な価値判断
まとめ
愚形待ち(グケイマチ)は、カンチャン・ペンチャン・単騎・シャンポンなど、待ち牌が4枚以下の悪い待ちの総称です。初心者は愚形を嫌いがちですが、状況によっては愚形でも十分価値があります。重要なのは「愚形だから」と決めつけず、打点・巡目・他家の状況などを総合的に判断することです。また、愚形を良形に変化させる技術も大切です。愚形を恐れず、適切に活用できるようになることが、麻雀上達への道といえるでしょう。