牌(ハイ)とは
牌(ハイ) とは、麻雀で使用する駒(こま)のことです。プラスチックや象牙、竹などで作られた長方形の駒で、表面に数字や文字、模様が描かれています。麻雀では全136枚の牌を使用し、これらを組み合わせて役を作ることでゲームが進行します。
「牌」という漢字は中国語由来で、日本では「ハイ」と読みます。英語では「Mahjong tiles」と呼ばれています。
牌の詳細解説
牌の構成(全136枚)
| 種類 | 内訳 | 枚数 |
|---|---|---|
| 数牌(スウパイ) | 萬子・筒子・索子(各1-9) | 108枚(各4枚×27種) |
| 字牌(ジハイ) | 東南西北・白發中 | 28枚(各4枚×7種) |
| 合計 | 34種類 | 136枚 |
数牌(スウパイ)の種類
萬子(マンズ/ワンズ):
一萬、二萬、三萬、四萬、五萬、六萬、七萬、八萬、九萬
筒子(ピンズ):
一筒、二筒、三筒、四筒、五筒、六筒、七筒、八筒、九筒
索子(ソーズ):
一索、二索、三索、四索、五索、六索、七索、八索、九索
字牌(ジハイ)の種類
| 分類 | 牌の種類 | 読み方 |
|---|---|---|
| 風牌(カゼハイ) | 東・南・西・北 | トン・ナン・シャー・ペー |
| 三元牌(サンゲンパイ) | 白・發・中 | ハク・ハツ・チュン |
使用例
実際の場面での使い方
例1:牌の呼び方
「一萬(イーワン)を切る」
「九筒(キューピン)でテンパイ」
「發(ハツ)をポン」
例2:牌の数え方
「牌が1枚足りない」(少牌)
「牌を1枚多く持ってる」(多牌)
「残り牌は4枚」(山に残っている枚数)
例3:牌の状態
「その牌、まだ生きてる?」(生牌の確認)
「赤牌が入ってる」(赤ドラ使用)
「牌の背中が汚れてる」(識別可能な印)
関連用語
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
牌の読み方
- 萬子は「マンズ」または「ワンズ」
- 筒子は必ず「ピンズ」(×ツツシ)
- 索子は必ず「ソーズ」(×サクシ)
-
数の数え方
- 中国語読み:イー、リャン、サン…
- 日本語読み:いち、に、さん…
- どちらでもOKだが混在は避ける
-
似ている牌の見分け方
- 一索と鳥(一索には鳥が描かれている)
- 八筒と九筒(配置パターンが異なる)
- 發と中(色で区別:發は緑、中は赤)
-
牌の扱い方
- 優しく扱う(強く置くと音が大きい)
- 裏返しにしない(イカサマ防止)
- 混ぜる時は両手で(片手は失礼)
牌の種類と特徴
端牌と中張牌
| 分類 | 該当する牌 | 特徴 |
|---|---|---|
| 端牌(タンパイ) | 1・9の数牌 | 使いにくいが役に必要 |
| 中張牌(チュンチャンパイ) | 2〜8の数牌 | 使いやすく組み合わせ豊富 |
| ヤオチュー牌 | 1・9・字牌 | 特殊な役に使用 |
牌の材質による違い
プラスチック製:
- 最も一般的
- 手入れが簡単
- 音が軽い
象牙製:
- 高級品
- 手触りが良い
- 音が重厚
竹製:
- 伝統的
- 独特の感触
- 経年変化あり
牌の見分け方
数牌の見分け方
| 牌 | 特徴的な見た目 |
|---|---|
| 一萬〜九萬 | 漢数字で表記 |
| 一筒〜九筒 | 丸い模様(コイン) |
| 一索〜九索 | 竹の模様(棒) |
| 一索 | 鳥が描かれている |
| 五萬・五筒・五索 | 赤く塗られている場合あり |
字牌の覚え方
風牌の順番:
東(トン)→ 南(ナン)→ 西(シャー)→ 北(ペー)
※実際の方角とは異なる並び
三元牌の覚え方:
白(ハク)- 白い/無地
發(ハツ)- 緑色で「發」の文字
中(チュン)- 赤色で「中」の文字
牌の歴史と文化
牌の起源
- 発祥地:中国(明朝〜清朝)
- 日本伝来:大正〜昭和初期
- 素材の変遷:骨→竹→象牙→プラスチック
- デザイン:地域により若干の違いあり
地域による違い
| 地域 | 特徴 |
|---|---|
| 日本麻雀 | 赤ドラあり、花牌なし |
| 中国麻雀 | 花牌あり、点数体系が異なる |
| アメリカ麻雀 | ジョーカー牌あり |
| ヨーロッパ麻雀 | 日本式に近い |
牌の扱い方とマナー
基本的なマナー
-
牌の混ぜ方(洗牌)
- 両手で円を描くように
- 裏向きのまま混ぜる
- 音は控えめに
-
牌の積み方
- 17枚2段で積む
- きれいに揃える
- 素早く正確に
-
牌の切り方
- 中央付近に置く
- 強く叩かない
- 裏向きは厳禁
牌の手入れ
日常の手入れ:
- 乾いた布で拭く
- 専用ケースに保管
- 直射日光を避ける
汚れた時:
- 中性洗剤で優しく洗う
- よく乾燥させる
- アルコール消毒もOK
特殊な牌
赤ドラ(アカドラ)
- 通常5萬・5筒・5索の一部が赤い
- 持っているだけで1翻
- ローカルルールで枚数が異なる
花牌(ハナハイ)
- 日本麻雀では使用しない
- 中国麻雀で使用
- 春夏秋冬・梅蘭竹菊
白ポッチ
- 一筒の中央の点
- 製造メーカーにより色が異なる
- 青、緑、赤などがある
牌に関する豆知識
牌の重さと大きさ
標準的なサイズ:
- 高さ:約26mm
- 幅:約19mm
- 厚さ:約16mm
- 重さ:約15g
牌の製造
- 金型による大量生産
- 彫刻は機械彫り
- 色付けは印刷または塗装
- 最終検品は人の目
まとめ
牌は麻雀の基本となる道具で、全136枚(34種類×4枚)で構成されています。数牌(萬子・筒子・索子)と字牌(風牌・三元牌)に大別され、それぞれに特徴的なデザインがあります。
初心者の方は、まず各牌の名前と見た目を覚えることから始めましょう。特に似ている牌の見分け方と、正しい読み方を身につけることが大切です。牌を大切に扱い、適切なマナーを守ることで、気持ちよく麻雀を楽しむことができます。