海底牌(ハイテイハイ)とは
海底牌(ハイテイハイ) とは、麻雀において壁牌(山)から引ける最後のツモ牌のことです。王牌14枚を残して、それ以外の牌をすべてツモった後の最後の1枚で、この牌でツモあがりすると「海底撈月(ハイテイラオユエ)」という1翻役がつきます。
「海底」は海の底を意味し、牌山の一番底にある牌という意味から名付けられました。この牌を引いた後は、その牌を捨てるか、ツモあがりするかの選択しかなく、槓をすることはできません。
海底牌の詳細解説
海底牌の位置
牌山との関係:
| 項目 | 枚数 | 説明 |
|---|---|---|
| 全体の牌 | 136枚 | 4人×34枚 |
| 配牌 | 52枚 | 13枚×4人 |
| 王牌 | 14枚 | 常に残す |
| ツモれる牌 | 70枚 | 136-52-14 |
| 海底牌 | 70枚目 | 最後の1枚 |
海底牌での制限
できること・できないこと:
| 行動 | 可否 | 理由 |
|---|---|---|
| ツモあがり | ○ | 海底撈月がつく |
| 打牌 | ○ | 河底牌になる |
| カン | × | 嶺上牌がない |
| リーチ | × | 待つ牌がない |
使用例
実際の場面での使い方
例1:海底牌を引く時
「海底牌だ」
「ラストツモ」
例2:海底撈月
「海底でツモ!」
「ハイテイツモだ!」
例3:期待と結果
「海底で一発逆転」
「海底牌も来なかった」
海底撈月(ハイテイラオユエ)
1翻役としての価値
海底撈月の条件:
| 条件 | 詳細 | 備考 |
|---|---|---|
| 海底牌でツモ | 最後の1枚 | 必須条件 |
| あがり形完成 | 4面子1雀頭 | 通常通り |
| 1翻追加 | 他の役と複合可 | 偶然役 |
よくある複合
海底撈月との組み合わせ:
例1:リーチ・海底撈月・ドラ1
→ 30符3翻 = 3,900点
例2:平和・ツモ・海底撈月
→ 20符3翻 = 2,600点
関連用語
- 河底牌(ホウテイハイ):最後の捨て牌
- 河底撈魚(ホウテイラオユイ):河底牌でロン
- 王牌(ワンパイ):残す14枚
- 嶺上牌(リンシャンハイ):槓の後に引く牌
- 流局(リュウキョク):誰もあがらず終了
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
槓をしようとする
- 海底牌では不可
- 嶺上牌がない
-
リーチをかける
- 次がない
- 意味がない
-
王牌を数え忘れ
- 14枚は触れない
- 海底牌の位置を誤る
-
河底牌と混同
- 海底:最後のツモ
- 河底:最後の捨て牌
海底牌の戦略
海底牌を意識した打ち方
終盤の考え方:
-
残り枚数の把握
- ツモ番を数える
- 海底が誰か予測
-
テンパイを目指す
- 海底撈月の可能性
- 1翻の価値
-
鳴きの判断
- ツモ番が変わる
- 海底を逃すかも
海底牌が自分に来る計算
簡単な目安:
残りツモ数 ÷ 4 = 自分のツモ回数
例:残り8枚の場合
→ 各自2回ずつツモ
→ ツモ順で海底が決まる
海底牌での特殊な状況
四槓子と海底
特殊ケース:
| 状況 | 結果 | 説明 |
|---|---|---|
| 4回槓 | 即流局 | 四槓散了 |
| 槓が多い | 海底が早い | 嶺上牌使用 |
| 海底前に槓 | 海底消滅 | 最後の嶺上牌 |
海底牌でのあがり
価値の違い:
-
通常のツモ
- ツモの1翻のみ
- 通常計算
-
海底撈月
- ツモ+海底で2翻
- 価値が上がる
-
役満の場合
- 海底は関係なし
- 役満で固定
海底牌の確率
海底撈月の出現率
統計的データ:
| 項目 | 確率 | 備考 |
|---|---|---|
| 海底牌が回る | 25% | 4人に1人 |
| テンパイ率 | 約30% | 終盤の平均 |
| あがり率 | 約3-5% | 待ち牌次第 |
| 海底撈月 | 約1% | 全体での出現 |
狙う価値
海底撈月の判断:
- 1翻の価値あり
- 無理は禁物
- 自然体が基本
- 偶然の産物
海底牌のドラマ
劇的な瞬間
海底での逆転:
-
満貫ツモ
- 海底+他の役
- 大逆転
-
初心者の海底
- ビギナーズラック
- 盛り上がる
-
プロの海底読み
- 完璧な計算
- 狙い通り
海底牌の記憶
印象的な海底:
- 九蓮宝燈を海底で
- 国士無双を海底で
- 平和のみを海底で
- 役なしを海底で救う
ローカルルール
海底牌の扱い
地域差:
| 項目 | バリエーション | 備考 |
|---|---|---|
| 槓の可否 | 一部で可能 | 特殊ルール |
| 王牌の数 | 14枚が標準 | 16枚もあり |
| 海底の告知 | する/しない | マナー差 |
特殊な海底ルール
珍しい取り決め:
-
海底一発
- リーチ後海底
- ダブル役扱い
-
海底ずらし
- 槓で海底変更
- 複雑な計算
海底牌の心理
最後の1枚への期待
心理的効果:
-
希望
- 最後のチャンス
- 奇跡を信じる
-
緊張
- 大事な1枚
- 手が震える
-
諦め
- もう終わり
- 次局への準備
海底牌の演出
盛り上げ方:
- ゆっくりツモる
- 期待を込めて
- みんなで注目
- ドラマチックに
海底牌のマナー
正しい扱い方
基本マナー:
-
海底の宣言
- 「海底です」
- 全員に知らせる
-
丁寧にツモる
- 最後の1枚
- 大切に扱う
-
速やかな判断
- 長考しすぎない
- テンポよく
-
結果の受け入れ
- あがれなくても
- 次局へ切り替え
まとめ
海底牌(ハイテイハイ)は、王牌14枚を除いた壁牌の最後のツモ牌で、この牌でツモあがりすると海底撈月という1翻役がつきます。海底牌では槓やリーチはできず、ツモるか捨てるかの選択のみとなります。初心者の方は、まず「最後のツモ牌は特別」ということを覚え、海底牌が近づいたらテンパイを目指してみましょう。海底撈月は狙って出せる役ではありませんが、最後の1枚にかける期待とドラマが、麻雀の醍醐味の一つです。