混一色(ホンイーソー)とは
混一色(ホンイーソー) とは、麻雀の役の一つで、萬子・筒子・索子のいずれか1種類の数牌と字牌(東南西北白發中)のみで手牌を揃えることで成立する3翻役です。略して「ホンイツ」とも呼ばれ、「染め手」の代表的な役として人気があります。
門前(鳴かずに作る)なら3翻、鳴いて作ると2翻に下がる「喰い下がり」の役です。字牌を使える点が清一色との違いで、役牌と複合しやすく、比較的作りやすい高得点役です。
混一色の詳細解説
成立条件
混一色が成立するには、以下の条件を満たす必要があります:
| 条件 | 詳細 | 例 |
|---|---|---|
| 1種類の数牌 | 萬子・筒子・索子いずれか | 萬子のみ |
| 字牌の使用OK | 東南西北白發中 | 役牌として活用 |
| 他の色は不可 | 2種類以上の数牌はNG | 萬子+筒子は不可 |
| 字牌は任意 | 字牌がなくても可 | 1種類だけなら清一色 |
門前と鳴きの違い
| 状態 | 翻数 | 点数例(子) |
|---|---|---|
| 門前 | 3翻 | 3900点〜 |
| 鳴き | 2翻(喰い下がり) | 2600点〜 |
※喰い下がりとは、鳴くことで翻数が1翻減ること
使用例
実際の場面での使い方
例1:役の確認
「ホンイツ確定」
「萬子と字牌だけで混一色」
例2:手作り時
「ホンイツ狙いで萬子を集める」
「字牌も使えるからホンイツで」
例3:鳴きの判断
「ホンイツは鳴いても2翻ある」
「役牌ポンしてホンイツ進める」
混一色の形
基本形
手牌:123萬 456萬 789萬 東東東 白白
完成形:萬子+字牌のみ
実戦でよくある形
鳴きを含む形:
ポン:東東東(横向き)
手牌:234萬 567萬 999萬 中中
→ 萬子+字牌で混一色
役牌と複合:
手牌:11123萬 555萬 789萬 白白白
→ 混一色3翻+役牌(白)1翻 = 4翻
関連用語
- 清一色(チンイーソー):字牌なし1種類のみ(6翻)
- 役牌(ヤクハイ):よく複合する役
- 対々和(トイトイ):複合可能な役
- 喰い下がり(クイサガリ):鳴くと翻数が減る
- 染め手(ソメテ):1種類に絞る手
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
清一色との混同
- 混一色:1種類+字牌OK
- 清一色:1種類のみ(字牌NG)
-
複数の色の使用
- 萬子+筒子は不可
- 必ず1種類のみ
-
字牌の必要性
- 字牌は任意(なくても可)
- 字牌なしは清一色
-
喰い下がりの計算
- 鳴くと3翻→2翻
- 他の役との複合で計算
混一色を狙う戦術
配牌での判断
混一色を狙う目安:
| 配牌の状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 同種が7枚以上 | 積極的に狙う | 可能性が高い |
| 字牌も3〜4枚 | 狙いやすい | 役牌との複合 |
| ドラが該当色 | 優先して狙う | 高得点が期待できる |
| 役牌の対子あり | 非常に有力 | 役牌との複合確定 |
鳴きの判断
鳴くタイミング:
-
序盤での鳴き
- 役牌は積極的にポン
- 早めに方向性を固める
-
中盤での鳴き
- 該当色が出たら検討
- スピード重視
-
終盤での鳴き
- 2翻でも価値がある
- 和了を優先
実戦での混一色
混一色への道筋
典型的な流れ:
配牌:萬子が7枚+字牌3枚
↓
序盤:他の色を切る
↓
中盤:萬子と字牌を集める
↓
終盤:混一色完成、テンパイ
他の色の処理
手順:
-
端から切る
- 1・9から処理
- 危険度を考慮
-
安全牌を残す
- 字牌の現物
- スジの牌
-
ドラの判断
- 他色のドラは早めに切る
- 該当色のドラは死守
複合しやすい役
よく複合する役
| 役名 | 条件 | 合計翻数 |
|---|---|---|
| 役牌 | 字牌の刻子 | 4翻(鳴き3翻) |
| 対々和 | 全て刻子 | 5翻(鳴き4翻) |
| 七対子 | 7つの対子 | 5翻(門前のみ) |
| 一気通貫 | 123456789 | 5翻(鳴き4翻) |
| 小三元 | 三元牌2刻子+1対子 | 6翻(鳴き5翻) |
複合例
混一色+役牌(白)+ドラ1:
手牌:123萬 456萬 789萬 白白白 東東
門前:5翻(満貫)
鳴き:4翻(7700点)
混一色の確率と価値
出現率
統計データ:
- 門前での成立:約1.5%
- 鳴きを含む:約3.0%
- 染め手の中では最も多い
他の高得点役との比較
作りやすさ:
- 対々和(約1.5%)
- 混一色(約3%)
- 三色同順(約2%)
- 清一色(約1%)
- 混全帯么九(約1%)
混一色の戦略ポイント
序盤の判断
狙うべき配牌:
- 1種類の数牌が多い(7枚以上)
- 役牌の対子がある
- ドラが該当色
- 字牌が使える
諦めるべき配牌:
- 3種類バランスよく来る
- 字牌が少ない
- 他の役が有力
中盤の手作り
効率的な進め方:
-
他の色を早めに処理
- 安全な牌から
- オリ牌を確保
-
字牌の活用
- 役牌優先
- 安全牌としても
-
柔軟な対応
- 清一色への変更も
- 諦めも重要
終盤の詰め
テンパイへの道:
- 良形を優先
- フリテンに注意
- ドラを活かす
混一色と清一色の使い分け
混一色を選ぶ場合
混一色の利点:
- 字牌が使える
- 役牌と複合しやすい
- 比較的作りやすい
- 鳴きやすい
清一色を選ぶ場合
清一色の利点:
- 翻数が高い(6翻)
- 字牌を切れる
- 純粋な美しさ
- 門前で跳満以上
ローカルルール
喰い下がりの扱い
地域による違い:
- 一般的:鳴くと2翻
- 一部地域:鳴いても3翻(稀)
- 競技麻雀:必ず喰い下がり
特殊な混一色
バリエーション:
- ダブル混一色(2種類で達成)
- 役満扱い(一部の特殊ルール)
- 大車輪(2〜8の筒子七対子)
歴史と文化
混一色の由来
名称の意味:
- 混:字牌が混ざる
- 一色:1種類の数牌
- 「ホンイツ」は略称
人気の理由
愛される理由:
-
高得点
- 3翻(鳴き2翻)
- 役牌と複合で満貫
-
作りやすさ
- 清一色より現実的
- 字牌が使える
-
戦略性
- 鳴きのタイミング
- 役牌との複合
まとめ
混一色(ホンイーソー)は、1種類の数牌と字牌のみで手牌を揃える3翻役です。門前なら3翻、鳴くと2翻に喰い下がりますが、役牌と複合しやすく、比較的作りやすい高得点役として人気があります。初心者の方は、まず「1種類の数牌+字牌OK」という基本を覚え、配牌で該当する色が多く、役牌の対子があれば積極的に狙ってみましょう。清一色より作りやすく、字牌を活用できる点が大きな魅力です。