放銃(ホウジュウ)とは
放銃(ホウジュウ) とは、麻雀において自分が捨てた牌で他家にロンあがりされることを指します。「振り込み(ふりこみ)」「打ち込み」とも呼ばれ、点数を失うだけでなく、相手に得点を与えてしまうため、麻雀で最も避けたい事態の一つです。
「銃を放つ」という文字通り、相手に当たり牌を打ってしまうことから放銃と呼ばれています。麻雀は攻撃だけでなく、放銃を避ける守備力も重要なゲームです。
放銃の詳細解説
放銃のパターン
| 種類 | 説明 | 点数の動き |
|---|---|---|
| 直撃(ちょくげき) | 自分が振り込む | 自分だけが支払う |
| 親被り(おやかぶり) | 子が子に振り込み | 親も一部負担 |
| ツモられ | 相手が自摸あがり | 全員で支払い |
放銃した時の支払い
| あがり者 | 放銃者 | 支払い点数 |
|---|---|---|
| 親 | 子 | 点数の全額 |
| 子 | 親 | 点数の全額 |
| 子 | 子 | 点数の全額 |
放銃率の目安
| レベル | 放銃率 | 備考 |
|---|---|---|
| 初心者 | 15-20% | 危険牌の認識不足 |
| 中級者 | 12-15% | 基本的な守備ができる |
| 上級者 | 10-12% | 高度な読みと守備 |
使用例
実際の場面での使い方
例1:放銃してしまった時
「あー、放銃した!」
「リーチに振り込んじゃった」
「満貫放銃は痛い...」
例2:守備の判断
「これは放銃しそうだから降りよう」
「現物がないから回し打ちする」
「放銃だけは避けたい」
例3:結果の反省
「なんで5索切ったんだろう」
「スジ読みが甘かった」
「もっと早く降りるべきだった」
放銃を避ける基本
危険牌の種類
| 危険度 | 牌の種類 | 理由 |
|---|---|---|
| 最高 | リーチ者の現物以外 | 何でも当たる可能性 |
| 高 | 中張牌(4-6) | 両面待ちに当たりやすい |
| 中 | 字牌 | 役牌の可能性 |
| 低 | 端牌(1・9) | 使いにくい牌 |
安全牌の優先順位
-
現物(ゲンブツ)
- 相手が捨てた牌と同じ牌
- 100%安全
-
合わせ打ち
- 直前に切られた牌と同じ
- ほぼ安全
-
字牌の4枚目
- 場に3枚見えている字牌
- かなり安全
-
壁(カベ)のある牌
- 4枚見えによる安全牌
- 計算が必要
関連用語
- 振り込み(フリコミ):放銃の俗称
- 現物(ゲンブツ):100%安全な牌
- 安全牌(アンゼンハイ):比較的安全な牌
- 危険牌(キケンハイ):当たりやすい牌
- ベタオリ:完全に守備に回る
よくある間違い・注意点
初心者が放銃しやすいパターン
-
リーチへの無警戒
- リーチ宣言を聞き逃す
- 「まだ大丈夫」と油断
-
スジの過信
- スジだから安全と思い込む
- カンチャン・ペンチャン・シャンポンに振り込む
-
終盤の油断
- 「もう流局だから」と適当に切る
- 海底付近は特に危険
-
ドラの不用意な処理
- ドラをすぐ切ってしまう
- 高打点に振り込みやすい
放銃を避ける技術
基本的な守備法
-
現物を切る
- 最も確実な方法
- 相手の捨て牌を覚える
-
端から切る
- 1→9→2→8の順
- 比較的安全
-
早めの判断
- 危険を感じたらすぐ降りる
- 手遅れになる前に
状況別の対処法
| 状況 | 対処法 | 理由 |
|---|---|---|
| 親リーチ | 即降り推奨 | 1.5倍の支払い |
| 複数リーチ | 完全ベタオリ | 誰かに当たる確率大 |
| ドラポン | 高打点警戒 | 満貫以上の可能性 |
| 終盤リーチ | 現物のみ | 一発放銃のリスク |
放銃のダメージ
点数的ダメージ
| 放銃した手 | 自分の失点 | 相手の得点 | 差 |
|---|---|---|---|
| 満貫 | -8000 | +8000 | 16000点差 |
| 跳満 | -12000 | +12000 | 24000点差 |
| 倍満 | -16000 | +16000 | 32000点差 |
精神的ダメージ
- 自信喪失:判断ミスによる後悔
- 萎縮:次の手が消極的になる
- 焦り:取り返そうと無理をする
放銃から学ぶ
反省のポイント
-
なぜその牌を切ったか
- 読みが甘かった
- 情報を見落とした
-
いつ降りるべきだったか
- 危険信号の見逃し
- 判断の遅れ
-
次はどうするか
- 同じミスを繰り返さない
- 守備力の向上
放銃も経験
- 放銃を恐れすぎると勝てない
- 適度な攻守のバランスが大切
- 経験から危険察知能力が向上
まとめ
放銃は麻雀で最も避けたい事態ですが、完全に避けることは不可能です。重要なのは、放銃のリスクを最小限に抑えることと、放銃から学んで次に活かすことです。初心者の方は、まず「リーチされたら現物を切る」「困ったら端牌から」という基本を身につけましょう。放銃を恐れすぎず、かといって無警戒にならず、バランスの良い打ち方を心がけることが上達への近道です。