一気通貫(イッキツウカン)とは
一気通貫(イッキツウカン) とは、麻雀の役の一つで、同じ種類の数牌で123・456・789の3つの順子を揃えることで成立する2翻役です。「イッツー」と略して呼ばれることも多く、1から9までを一気に通す美しい役として人気があります。
門前(鳴かずに作る)なら2翻、鳴いて作ると1翻に下がる「喰い下がり」の役です。比較的分かりやすく、初心者でも狙いやすい役の一つです。
一気通貫の詳細解説
成立条件
一気通貫が成立するには、以下の条件を満たす必要があります:
| 条件 | 詳細 | 例 |
|---|---|---|
| 同種の数牌で1〜9 | 萬子・筒子・索子いずれか | 123456789萬 |
| 3つの順子 | 123・456・789 | 123萬 456萬 789萬 |
| 残り1面子+雀頭 | 何でもOK | 他の順子・刻子・雀頭は自由 |
| 異なる色は不可 | 必ず同じ種類 | 123萬 456筒 789索はNG |
門前と鳴きの違い
| 状態 | 翻数 | 点数例(子) |
|---|---|---|
| 門前 | 2翻 | 2600点〜 |
| 鳴き | 1翻(喰い下がり) | 1300点〜 |
※喰い下がりとは、鳴くことで翻数が1翻減ること
使用例
実際の場面での使い方
例1:役の確認
「イッツー確定」
「123456789で一気通貫」
例2:手作り時
「萬子で一気通貫狙い」
「イッツー狙いだから萬子を集める」
例3:鳴きの判断
「イッツーは鳴いても1翻ある」
「456をチーしてイッツー確定」
一気通貫の形
基本形
手牌:123萬 456萬 789萬 234筒 5索5索
完成形:萬子で1〜9 + 他の面子 + 雀頭
実戦でよくある形
鳴きを含む形:
チー:123萬(横向き)456萬(横向き)
手牌:789萬 456筒 東東
関連用語
- 順子(シュンツ):連続する3枚の数牌
- 喰い下がり(クイサガリ):鳴くと翻数が減る
- 三色同順(サンショクドウジュン):併用可能な役
- 清一色(チンイーソー):同時成立する役
- 混一色(ホンイーソー):同時成立する役
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
異なる色での混同
- 123萬 456筒 789索は不可
- 必ず同じ種類で統一
-
順番の間違い
- 123・456・789の順である必要はない
- 手牌内でバラバラでもOK
-
刻子との混同
- 111・444・777は不可
- 必ず順子(連続する3枚)
-
喰い下がりの計算ミス
- 鳴くと2翻→1翻
- 他の役との複合で計算
一気通貫を狙う戦術
配牌での判断
一気通貫を狙う目安:
| 配牌の状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 同種で6枚以上 | 積極的に狙う | 可能性が高い |
| 1〜9が偏りなく | 狙いやすい | バランスが良い |
| 他の色も多い | 様子見 | 三色も検討 |
| ドラが該当色 | 優先して狙う | 高得点が期待できる |
鳴きの判断
鳴くタイミング:
-
序盤での鳴き
- 123や789は積極的に
- 早めに確定させる
-
中盤での鳴き
- 456が出たら即鳴き
- 完成を優先
-
終盤での鳴き
- 1翻でも価値がある
- 和了を優先
実戦での一気通貫
一気通貫への道筋
典型的な流れ:
配牌:萬子が5〜6枚
↓
序盤:1〜3、7〜9あたりを集める
↓
中盤:456が揃う or チーする
↓
終盤:一気通貫完成、テンパイ
複合しやすい役
よく複合する役:
| 役名 | 条件 | 合計翻数 |
|---|---|---|
| 平和 | 門前・良形待ち | 3翻 |
| 断么九 | 中張牌のみ | 3翻 |
| 一盃口 | 同じ順子2組 | 3翻 |
| 三色同順 | 3色で同じ順子 | 4翻(鳴き3翻) |
| 混一色 | 1種類+字牌 | 5翻(鳴き4翻) |
| 清一色 | 1種類のみ | 8翻(鳴き7翻) |
一気通貫の確率と価値
出現率
統計データ:
- 門前での成立:約1.5%
- 鳴きを含む:約2.0%
- 比較的作りやすい2翻役
他の2翻役との比較
作りやすさ:
- 七対子(約3%)
- 三色同順(約2%)
- 一気通貫(約2%)
- 対々和(約1.5%)
- 混全帯么九(約1%)
一気通貫の戦略ポイント
序盤の判断
狙うべき配牌:
- 萬子・筒子・索子のいずれかが多い
- 1〜9がバラバラに散らばっている
- 塔子(ターツ)が3つ以上ある
諦めるべき配牌:
- 同じ数字ばかり(111・222など)
- 字牌が多すぎる
- 他の役が有力
中盤の手作り
効率的な進め方:
-
両端を優先
- 123と789を先に作る
- 456は後からでも揃う
-
チーの活用
- 外側から鳴く
- 456は自分でツモりたい
-
柔軟な対応
- 三色も視野に
- 染め手への変更も
終盤の詰め
テンパイへの道:
- 最後の1順子を待つ
- 待ちを広く取る
- フリテンに注意
一気通貫の応用
三色同順との使い分け
一気通貫を選ぶ場合:
- 1種類に偏っている
- 清一色・混一色も見える
- 鳴きやすい
三色同順を選ぶ場合:
- 3種類バランスよく来る
- 門前で進められる
- 待ちが良い
ドラとの組み合わせ
ドラが1〜9の場合:
- 積極的に一気通貫を狙う
- ドラを活かせる
- 高得点が期待できる
一気通貫の歴史と文化
役名の由来
「一気通貫」の意味:
- 一気に1から9まで通す
- 途切れることなく続く
- 中国語の「一条龍」とも呼ばれる
人気の理由
愛される理由:
-
分かりやすさ
- 初心者でも理解しやすい
- 視覚的に美しい
-
実用性
- 比較的作りやすい
- 2翻の価値
-
達成感
- 1〜9を揃える楽しさ
- 完成時の満足感
ローカルルール
喰い下がりの扱い
地域による違い:
- 一般的:鳴くと1翻
- 一部地域:鳴いても2翻(稀)
- 競技麻雀:必ず喰い下がり
特殊な一気通貫
バリエーション:
- ダブル一気通貫(2種類で達成)
- トリプル一気通貫(3種類で達成)
- 役満扱い(一部の特殊ルール)
まとめ
一気通貫(イッキツウカン)は、同じ種類の数牌で123・456・789の順子を揃える2翻役です。門前なら2翻、鳴くと1翻に喰い下がりますが、比較的分かりやすく狙いやすい役として人気があります。初心者の方は、まず「同じ色で1から9まで」という基本を覚え、配牌で該当する色が多ければ積極的に狙ってみましょう。三色同順や清一色との複合も視野に入れながら、柔軟に手を進めることが大切です。