字牌(ジハイ)とは
字牌(ジハイ) とは、麻雀牌のうち東南西北(風牌)と白發中(三元牌)の7種類の牌の総称です。数字が書かれていない特殊な牌で、各種類4枚ずつ、合計28枚あります。
順子を作ることができない代わりに、刻子になると役牌として1翻がつくなど、数牌とは異なる特徴を持つ重要な牌です。
字牌の詳細解説
字牌の種類と分類
| 分類 | 牌の種類 | 読み方 | 枚数 |
|---|---|---|---|
| 風牌 | 東(東) | トン | 4枚 |
| 南(南) | ナン | 4枚 | |
| 西(西) | シャー | 4枚 | |
| 北(北) | ペー | 4枚 | |
| 三元牌 | 白(白) | ハク | 4枚 |
| 發(發) | ハツ | 4枚 | |
| 中(中) | チュン | 4枚 |
字牌の特徴
字牌の基本特性:
1. 順子を作れない
- 連続性がない
- 刻子か対子のみ
2. 役牌になりやすい
- 三元牌は常に役牌
- 風牌は条件付き役牌
3. 安全牌になりやすい
- 序盤は比較的安全
- 生牌は要注意
字牌と数牌の違い
| 要素 | 字牌 | 数牌 |
|---|---|---|
| 種類数 | 7種類 | 27種類 |
| 総枚数 | 28枚 | 108枚 |
| 順子 | 作れない | 作れる |
| 使いやすさ | 限定的 | 汎用的 |
| 役牌 | なりやすい | 限定的 |
使用例
実際の場面での使い方
例1:基本的な呼び方
「字牌が多い配牌」
「字牌から切る」
「字牌で固める」
例2:戦略的な会話
「字牌ポンで役確定」
「オタ風は早めに切る」
「三元牌を集める」
例3:役に関して
「字牌の暗刻で8符」
「役牌になる字牌」
「字牌なしでタンヤオ」
関連用語
- 風牌(カゼハイ):東南西北の4種類
- 三元牌(サンゲンパイ):白發中の3種類
- 役牌(ヤクハイ):役になる字牌
- 数牌(スウパイ):1〜9の数字牌
- 客風牌(オタカゼ):役にならない風牌
- 么九牌(ヤオチューハイ):1・9・字牌の総称
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
読み方の間違い
- 西を「にし」(正:シャー)
- 北を「きた」(正:ペー)
- 中を「なか」(正:チュン)
-
順子と勘違い
- 東南西は順子にならない
- 白發中も順子にならない
- 刻子のみ可能
-
役牌の条件
- 三元牌は無条件で役牌
- 風牌は場風・自風のみ
- 客風は役にならない
-
安全度の過信
- 生牌(誰も切っていない)は危険
- 終盤の字牌は要注意
- 役牌は狙われやすい
字牌の戦略的価値
序盤での字牌の扱い
配牌時の判断:
1. 客風牌(オタ風)から切る
- 役にならない
- 最も不要
2. 孤立字牌を処理
- 対子にならない字牌
- 早めに切る
3. 役牌は残す
- 三元牌優先
- 場風・自風も
字牌の価値順位
| 優先度 | 字牌の種類 | 理由 |
|---|---|---|
| 最高 | 三元牌 | 誰でも役牌 |
| 高 | 自風牌 | 自分だけの役牌 |
| 中 | 場風牌 | 全員の役牌 |
| 低 | 客風牌 | 役にならない |
字牌を使った役
字牌が関係する主な役
| 役名 | 必要な字牌 | 翻数 |
|---|---|---|
| 役牌 | 刻子1組 | 1翻 |
| 小三元 | 三元牌2刻子+1対子 | 2翻 |
| 大三元 | 三元牌3刻子 | 役満 |
| 小四喜 | 風牌3刻子+1対子 | 役満 |
| 大四喜 | 風牌4刻子 | ダブル役満 |
| 字一色 | 字牌のみ | 役満 |
| 混老頭 | 字牌+1・9牌のみ | 2翻 |
役牌の条件
役牌になる条件:
1. 三元牌(白・發・中)
- 無条件で役牌
- 誰でも1翻
2. 場風牌
- 東場なら東
- 南場なら南
3. 自風牌
- 東家なら東
- 南家なら南
- 西家なら西
- 北家なら北
字牌の読み方と意味
風牌の詳細
| 牌 | 正式読み | 通称読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| 東 | トン | ひがし | 東風、始まり |
| 南 | ナン | みなみ | 南風、発展 |
| 西 | シャー | にし | 西風、収穫 |
| 北 | ペー | きた | 北風、終焉 |
三元牌の詳細
三元牌の意味:
白(ハク)
- 白板、無
- 何もない状態
發(ハツ)
- 発財、富
- 金運、成功
中(チュン)
- 中心、的中
- 命中、成就
字牌の守備的価値
安全牌としての字牌
字牌の安全度:
1. 序盤(1-6巡目)
- 比較的安全
- 特に客風牌
2. 中盤(7-12巡目)
- 現物確認必要
- 生牌は危険
3. 終盤(13巡目以降)
- 極めて危険
- 必ず現物確認
捨て牌から読む情報
| 捨て牌パターン | 推測 |
|---|---|
| 序盤に字牌多数 | 手が良い、数牌充実 |
| 字牌を残す | 役牌狙い、混一色 |
| 三元牌早切り | タンヤオ・平和系 |
| 風牌温存 | 風牌系役満警戒 |
字牌の鳴き判断
鳴くべき状況
字牌を鳴く基準:
1. 役牌確定
- 1翻確保
- 早あがり可能
2. 手が遅い時
- テンパイ優先
- 守備的判断
3. ドラがある時
- 2翻以上確定
- 積極的に
鳴かない方が良い状況
| 状況 | 理由 |
|---|---|
| 手が良い | 門前で高得点狙い |
| 序盤 | 手の可能性を残す |
| リーチ可能 | 裏ドラ・一発狙い |
| 他に役なし | 1翻では安い |
字牌の特殊な使い方
絞りとしての字牌
字牌で相手を妨害:
- 役牌を切らない
- 4枚目まで持つ
- 相手の手を読む
- 大三元・小三元阻止
字牌の暗刻作り
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 高い符(8符) | 手が重い |
| 役確定(役牌) | 受けが狭い |
| 対々和と相性良い | リーチできない場合も |
現代麻雀での字牌
デジタル時代の字牌戦略
データに基づく字牌の扱い:
1. 期待値重視
- 孤立字牌即切り
- 効率最優先
2. 守備力評価
- 終盤の字牌価値
- 現物の重要性
3. メタゲーム
- 相手の傾向分析
- 字牌の使い方
まとめ
字牌は東南西北の風牌4種と白發中の三元牌3種、計7種類の特殊な牌です。順子を作れない代わりに、刻子になると役牌として価値が高く、麻雀の戦略において重要な役割を果たします。
初心者の方は、まず字牌の正しい読み方を覚え、三元牌は常に役牌、風牌は条件付き役牌という基本を理解しましょう。序盤は安全牌として使いやすいですが、終盤は危険牌になることも覚えておいてください。字牌を使いこなすことで、麻雀の戦略の幅が大きく広がります。