カン(槓)とは
カン(槓) とは、麻雀において同じ牌4枚を揃えて槓子(カンツ)を作る特殊な動作です。通常の面子は3枚ですが、カンをすることで4枚の特殊な面子を作り、その代わりに嶺上牌(リンシャンハイ)から1枚補充します。
カンには明槓(ミンカン)・暗槓(アンカン)・加槓(カカン)の3種類があり、それぞれルールが異なります。ドラが増える可能性がある反面、リスクもある上級者向けの技術です。
カンの詳細解説
カンの種類と特徴
| 種類 | 条件 | 門前 | 符 |
|---|---|---|---|
| 明槓(ミンカン) | 他家の捨て牌でカン | 崩れる | 8-16符 |
| 暗槓(アンカン) | 手牌の4枚でカン | 維持 | 16-32符 |
| 加槓(カカン) | ポンした牌に追加 | すでに崩れている | 8-16符 |
カンの手順
カンをする流れ:
1. カンを宣言
「カン!」とはっきり発声
2. 4枚を公開
- 明槓:端2枚を伏せる
- 暗槓:中2枚だけ見せる
3. 嶺上牌をツモる
王牌から1枚補充
4. カンドラをめくる
新しいドラ表示牌
5. 打牌する
14枚から1枚捨てる
カンの影響
| 要素 | 変化 | 備考 |
|---|---|---|
| ドラ | 増える | カンドラ追加 |
| 符 | 高くなる | 8-32符追加 |
| 王牌 | 位置ずれ | 嶺上牌使用 |
| 手牌 | 変わらず | 補充するため |
使用例
実際の場面での使い方
例1:基本的な使用
「カンします」
「暗槓でドラ増やし」
「明槓して符を稼ぐ」
例2:戦略的な会話
「カンドラ乗るか勝負」
「加槓で一発消し」
「カンのリスクが怖い」
例3:特殊な状況
「槓ドラ即乗り!」
「嶺上開花狙い」
「四槓子を目指す」
関連用語
- 槓子(カンツ):同じ牌4枚の面子
- 嶺上牌(リンシャンハイ):カン後に引く牌
- 槓ドラ(カンドラ):カン後に増えるドラ
- 王牌(ワンパイ):最後まで使わない14枚
- 嶺上開花(リンシャンカイホー):カン後のツモ和了
- 槍槓(チャンカン):加槓を和了る役
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
暗槓と明槓の違い
- 暗槓:門前維持、リーチ可
- 明槓:門前崩れる、リーチ不可
- 符も大きく違う
-
カンの手順ミス
- ドラめくりが先はNG
- 嶺上牌を引く前に打牌NG
- 宣言を忘れる
-
加槓の条件
- ポンした牌のみ可能
- 4枚目を自分でツモる
- 他家からは加槓不可
-
カンの制限
- 4回カンで流局(四槓散了)
- リーチ後は条件付き
- 王牌は必ず14枚確保
カンをする判断
カンをすべき状況
積極的にカンする場面:
1. ドラを増やしたい
- 自分がドラ多数
- 高打点狙い
- 勝負手
2. 符を稼ぎたい
- 30符→50符狙い
- 符ハネで点数UP
3. 特殊な役狙い
- 嶺上開花
- 三槓子・四槓子
- 符が必要な状況
カンを避ける状況
| 状況 | リスク | 理由 |
|---|---|---|
| 相手リーチ後 | 槓ドラ提供 | 相手に利益 |
| 安手 | 割に合わない | リスク>リターン |
| 終盤 | 手牌固定 | 守備力低下 |
| ドラなし | メリット少 | 符だけでは… |
カンの種類別解説
明槓(ミンカン)
明槓の特徴:
- 他家の捨て牌を使用
- ポン>チーの優先順位
- 門前が崩れる
- 8符(中張牌)or 16符(么九牌)
手順:
1. 刻子を持っている
2. 4枚目が捨てられる
3. 「カン」と宣言
4. 4枚公開(端2枚伏せ)
暗槓(アンカン)
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 条件 | 手牌に4枚 |
| 門前 | 維持される |
| 符 | 16符 or 32符 |
| 公開 | 中2枚のみ表示 |
| タイミング | 自分のツモ番 |
加槓(カカン)
加槓の注意点:
- ポン済みが条件
- 4枚目は自分でツモ
- 槍槓される可能性
- 一発消し効果あり
できない場合:
- 他家から4枚目
- ポンしていない
- リーチ後(条件付き)
カンのリスクと対策
カンのリスク
主なリスク:
1. 相手へのメリット
- 槓ドラ提供
- 槓裏も増える
2. 手の固定化
- 変化できない
- 守備力低下
3. 情報の公開
- 手牌が読まれる
- 待ちが限定される
リスク管理
| 対策 | 方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 状況判断 | 点差・巡目確認 | 適切なタイミング |
| 相手の手を読む | 捨て牌チェック | ドラ保有推測 |
| 暗槓優先 | 門前維持 | リスク軽減 |
カンに関する特殊ルール
リーチ後のカン
リーチ後にカンできる条件:
1. 暗槓のみ可能
2. 待ちが変わらない
3. 面子構成が変わらない
例:
リーチ後 :1m::1m::1m: を持っていて
:1m: をツモったら暗槓可能
四槓散了(スーカンサンラ)
| 状況 | 結果 |
|---|---|
| 2人以上で計4カン | 即流局 |
| 1人で4カン | 続行(四槓子狙い) |
| 5回目のカン | 不可能 |
カンの戦術的活用
攻撃的カン
攻めのカン:
1. ドラ増やし
- 自分のドラ多数
- 一発逆転狙い
2. 符稼ぎ
- 2翻30符→2翻50符
- 得点大幅UP
3. 役作り
- 三槓子への道
- 嶺上開花チャンス
守備的カン
| 目的 | 方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 一発消し | 加槓 | リーチ一発を防ぐ |
| 海底ずらし | 任意のカン | 最後の牌を変える |
| 情報戦 | 暗槓 | 手を読ませない |
カンの確率と統計
カン発生率
一般的な確率:
- 1局でカン:約15%
- 明槓:約8%
- 暗槓:約5%
- 加槓:約2%
- 2回以上:約2%
槓ドラが乗る確率
| 既存ドラ | 槓ドラ乗る確率 |
|---|---|
| 0枚 | 約30% |
| 1枚 | 約23% |
| 2枚 | 約15% |
| 3枚以上 | 約7% |
まとめ
カンは同じ牌4枚で槓子を作る特殊な動作で、明槓・暗槓・加槓の3種類があります。ドラが増える魅力的な面がある一方、相手にもメリットを与えるリスクがあり、状況判断が重要です。
初心者の方は、まず暗槓から始め、徐々にカンのタイミングを覚えていきましょう。「カンドラ乗るか、相手に乗るか」この駆け引きが麻雀の奥深さの一つです。正しい手順を守り、リスクとリターンを考えた上でカンを活用してください。