孤立牌(コリツハイ)とは
孤立牌(コリツハイ) とは、麻雀の用語で、周りに繋がりのない単独の牌のことです。前後2つずつ(計4つ)の数牌が全て使えない状態の牌を指し、手作りの効率が悪い牌として扱われます。
例えば5萬が孤立牌の場合、3・4・6・7萬が全て使えない(場に4枚出ている、または他の面子で使用済み)状態です。孤立牌は受け入れが狭く、基本的には早めに切ることが推奨されます。
孤立牌の詳細解説
定義と条件
孤立牌が成立するには、以下の条件を満たします:
| 条件 | 詳細 | 例 |
|---|---|---|
| 単独の牌 | 1枚だけ | 5萬1枚のみ |
| 前後が使えない | ±1、±2の牌が全て不可 | 3・4・6・7萬が使えない |
| 受け入れゼロ | この牌で面子ができない | 実質的な不要牌 |
孤立牌の例
典型的な孤立牌:
手牌:234萬 567筒 789索 22東 5萬
5萬が孤立牌の場合:
- 3萬:既に使用済み(234萬の一部)
- 4萬:既に使用済み(234萬の一部)
- 6萬:場に4枚出ている
- 7萬:場に4枚出ている
→ 5萬は孤立牌、切るべき
使用例
実際の場面での使い方
例1:孤立牌の判断
「この5萬は孤立牌だから切る」
「孤立牌から処理していく」
例2:手作りの説明
「孤立牌を残すより搭子を優先」
「完全孤立だから安全牌として取っておく」
例3:牌効率の会話
「どちらも孤立牌だけど、こっちの方が危険牌」
「孤立牌は序盤に切る」
関連用語
- 牌効率(ハイコウリツ):効率的な手作り
- 搭子(ターツ):2枚で作る面子候補
- 浮き牌(ウキハイ):孤立牌に近い概念
- 不要牌(フヨウハイ):必要ない牌
- 安全牌(アンゼンパイ):孤立牌を安全牌として使う
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
字牌との混同
- 字牌は孤立牌とは呼ばない
- 数牌の概念
-
完全孤立の判断
- 4つ全て使えないか確認
- 1つでも使えれば孤立ではない
-
安全牌としての価値
- 孤立牌=不要牌とは限らない
- 防御で使える場合もある
-
ドラの扱い
- ドラなら残す価値あり
- 孤立でも手牌に影響
孤立牌の判断方法
確認手順
孤立牌かどうかの判定:
対象牌:5萬
【確認項目】
1. 3萬は使える? → No(場に4枚)
2. 4萬は使える? → No(手牌で使用中)
3. 6萬は使える? → No(場に4枚)
4. 7萬は使える? → No(他家が晒している)
結論:5萬は完全孤立牌
カウンティング
牌を数える:
| 牌 | 状況 | 使える枚数 |
|---|---|---|
| 3萬 | 場に3枚 | 1枚(危険) |
| 4萬 | 場に4枚 | 0枚(不可) |
| 6萬 | 場に4枚 | 0枚(不可) |
| 7萬 | 手牌で使用 | 0枚(不可) |
孤立牌の処理方法
基本的な処理順序
切る優先順位:
-
完全孤立牌
- 最優先で切る
- 受け入れゼロ
-
準孤立牌
- 1つだけ使える
- 次に切る
-
搭子候補
- 2つ以上使える
- 残す価値あり
例外的なケース
残すべき孤立牌:
| 状況 | 理由 | 判断 |
|---|---|---|
| ドラ | 打点重視 | 残す |
| 安全牌 | 防御目的 | 取っておく |
| 役牌 | 1翻確定 | ポン待ち |
| テンパイ近い | 和了優先 | 搭子から切る |
孤立牌と搭子の比較
優先順位
手作りでの価値:
【価値が高い】
完成面子(刻子・順子)
↑
良形搭子(両面・嵌張)
↑
対子(雀頭候補)
↑
準孤立牌(受け入れ1種)
↑
完全孤立牌(受け入れゼロ)
【価値が低い】
具体例
どちらを切るか:
手牌:234萬 45筒 789索 22東 5萬 9索
選択肢:
A. 5萬(孤立牌)
B. 9索(辺張搭子の一部)
判断:Aの5萬を切る
理由:完全孤立より搭子を優先
実戦での孤立牌
序盤の扱い
序盤での判断:
- 積極的に切る
- 手作りを優先
- 防御は後回し
中盤の扱い
中盤での判断:
- 孤立牌でも安全牌として
- 危険牌の孤立は早めに
- テンパイ優先
終盤の扱い
終盤での判断:
- 安全牌として最重要
- 孤立でも残す価値
- 防御最優先
孤立牌の戦略
効率的な手作り
基本方針:
-
孤立牌を特定
- カウンティング
- 周りの状況確認
-
優先的に処理
- 序盤に切る
- 手を早く進める
-
例外を見極める
- ドラは残す
- 安全牌として活用
牌効率の向上
上達のポイント:
初心者:孤立牌を認識できる
↓
中級者:孤立牌を優先的に切れる
↓
上級者:孤立牌を安全牌として活用
孤立牌と牌効率
受け入れ枚数
比較:
| 状態 | 受け入れ | 例 |
|---|---|---|
| 両面搭子 | 8枚 | 45萬→36萬待ち |
| 嵌張搭子 | 4枚 | 46萬→5萬待ち |
| 対子 | 2枚 | 55萬→5萬待ち |
| 孤立牌 | 0枚 | 5萬→なし |
効率の差
具体例:
手牌A:234萬 45筒 678索 22東 55筒 5萬
手牌B:234萬 45筒 678索 22東 55筒 7筒
5萬を切る(孤立牌)→ 受け入れ8枚(3・6筒)
7筒を切る(良形崩し)→ 受け入れ4枚(6筒のみ)
→ 孤立牌の5萬を切る方が効率的
孤立牌の心理戦
読まれにくさ
孤立牌を切る意味:
- 手の内を見せない
- 情報を隠す
- 相手を惑わす
安全牌としての活用
防御での価値:
-
完全孤立=安全
- 使えない牌
- 相手も待ちにくい
-
取っておく
- 終盤で活用
- ベタオリ用
まとめ
孤立牌(コリツハイ)は、周りに繋がりのない単独の牌で、前後2つずつの数牌が全て使えない状態の牌です。受け入れがゼロのため、手作りの効率が非常に悪く、基本的には優先的に切るべき牌です。初心者の方は、まず「前後4つの牌が使えない=孤立牌」という判断基準を覚え、序盤に積極的に処理することが大切です。ただし、ドラの場合や安全牌として使える場合は例外的に残す価値があるため、状況に応じた判断が必要です。牌効率の基本として、孤立牌の概念をしっかり理解しましょう。