門前(メンゼン)とは
門前(メンゼン) とは、麻雀において他家の捨て牌を一切鳴いていない状態のことです。「門前清(メンゼンチン)」とも呼ばれ、配牌から自分のツモだけで手を進めている状態を指します。
多くの役が門前限定であり、点数計算でも有利になるため、麻雀の基本戦略として重要な概念です。
門前の詳細解説
門前と副露の違い
| 状態 | 説明 | 特徴 |
|---|---|---|
| 門前 | 一切鳴いていない | 全ての役が可能 |
| 副露(鳴き) | チー・ポン・明カンをした | 一部の役が不可 |
| 暗カン | 手牌だけでカン | 門前は維持される |
門前の利点
門前のメリット:
1. 全ての役が狙える
2. リーチができる
3. 門前ロンで10符加算
4. 手牌が読まれにくい
5. 裏ドラの権利
門前限定の主な役
| 役名 | 翻数 | 特徴 |
|---|---|---|
| リーチ | 1翻 | 最も基本的な門前役 |
| 一発 | 1翻 | リーチ後1巡以内 |
| 平和 | 1翻 | 符のつかない形 |
| 一盃口 | 1翻 | 同じ順子2組 |
| ツモ | 1翻 | 自摸和了 |
| 二盃口 | 3翻 | 一盃口×2 |
| 四暗刻 | 役満 | 暗刻4組 |
| 九蓮宝燈 | 役満 | 究極の清一色 |
使用例
実際の場面での使い方
例1:状態の確認
「門前でテンパイ」
「門前を崩すか迷う」
「門前キープでリーチ」
例2:戦略的な会話
「門前で高い手を狙う」
「鳴いて早あがり」
「門前にこだわりすぎた」
例3:役に関して
「門前じゃないと平和にならない」
「門前清一色は6翻」
「門前ツモで1翻追加」
関連用語
- 副露(フーロ):鳴いて手牌を公開すること
- 鳴き(ナキ):チー・ポン・カンの総称
- リーチ:門前限定の基本役
- 暗カン(アンカン):門前を維持できるカン
- 食い下がり:鳴くと翻が下がること
- ダマテン:門前でリーチしないテンパイ
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
暗カンの扱い
- 暗カンしても門前は維持
- 4枚全て自分で集めた場合のみ
- 明カンは門前が崩れる
-
門前の価値を過大評価
- 状況により鳴きも必要
- 速度も重要
- バランスが大切
-
役の制限を忘れる
- タンヤオは鳴いても可(ルールによる)
- 役牌も鳴きOK
- 染め手も鳴き可能
-
門前にこだわりすぎ
- 手が遅れる原因
- 振り込みリスク増
- 柔軟性が必要
門前の戦略
門前を選ぶべき状況
門前が有効な場面:
1. 配牌が良い
- 面子が揃っている
- ドラが多い
- 高い手が見える
2. 時間に余裕
- 序盤〜中盤
- 親番
- 点差に余裕
3. 門前役が見える
- 平和の可能性
- 一盃口が作れそう
- 三色・一通が狙える
鳴くべき状況
| 状況 | 理由 | 例 |
|---|---|---|
| 終盤 | 和了優先 | 残り数巡 |
| 安い手 | 速度重視 | 1000点でも |
| 防御】 | テンパイ維持 | 形式聴牌 |
| 大差 | 挽回困難 | 満貫では足りない |
門前と鳴きの使い分け
手役による判断
門前維持すべき手:
- リーチ+他の役
- 平和系
- 一盃口系
- 高打点見込み
鳴いても良い手:
- 役牌のみ
- 対々和系
- 混一色・清一色
- タンヤオ(ルールによる)
点数計算への影響
| 要素 | 門前 | 副露 |
|---|---|---|
| 門前ロン | 10符加算 | 0符 |
| ツモ | 1翻+2符 | 2符のみ |
| 平和 | 成立 | 不成立 |
| 裏ドラ | あり | なし |
門前の心理戦
門前プレイヤーの特徴
読み取れる情報:
1. 手が良い可能性
- 高打点狙い
- ドラ保有
2. リーチの可能性
- 突然の攻撃
- 一発・裏ドラ
3. 守備力
- 手牌全て使える
- 安全牌多い
対門前プレイヤー戦術
| 戦術 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 速攻 | 早い仕掛け | 先制 |
| 絞り | 必要牌を切らない | 妨害 |
| プレッシャー | リーチで圧力 | 降ろす |
門前率と実力
プレイスタイル別門前率
門前率の目安:
- 初心者:70-80%(鳴き方知らない)
- 中級者:50-60%(バランス型)
- 上級者:40-50%(状況判断)
- 守備型:60-70%(リーチ主体)
- 攻撃型:30-40%(速度重視)
門前率の意味
| 門前率 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 高い | 慎重、高打点狙い | 和了率低下の恐れ |
| 普通 | バランス良好 | 状況判断できている |
| 低い | 速度重視 | 打点不足の恐れ |
門前の極意
門前を極める方法
上達のポイント:
1. 配牌判断力
- 門前で行けるか即断
- 鳴き前提か判断
2. 手変わり待ち
- 良形変化を待つ
- 役の可能性を残す
3. 我慢強さ
- 誘惑に負けない
- 長期的視点
門前の哲学
| 考え方 | 内容 |
|---|---|
| 一期一会 | この配牌を大切に |
| 急がば回れ | 結果的に早い |
| 質実剛健 | 堅実な打ち方 |
現代麻雀での門前
デジタル時代の門前
オンライン麻雀の傾向:
- 門前率やや高め
- 時間制限の影響
- データ分析普及
- 最適解の追求
ルールによる違い
| ルール | 門前の価値 |
|---|---|
| 赤あり | やや低下(鳴いてもドラ) |
| 一発裏あり | 上昇(門前限定) |
| 喰いタンなし | 上昇(タンヤオ門前限定) |
まとめ
門前は他家の牌を一切鳴いていない状態で、麻雀の基本となる重要な概念です。リーチや平和など門前限定の役が多く、点数計算でも有利になりますが、状況によっては鳴いて早あがりすることも大切です。
初心者の方は、まず門前でリーチを打つことから始め、徐々に鳴きどころを覚えていきましょう。門前と副露のバランスを取ることが、麻雀上達への重要な一歩となります。