親(オヤ)とは
親(オヤ) とは、麻雀において現在の局の主導権を持つプレイヤーのことです。東風戦では東家(トンチャ)、南風戦では東家と南家が順番に親を務めます。親は子に比べて得点が1.5倍になる特権を持つ反面、振り込んだ時の失点も大きくなります。
「親」は麻雀の最も基本的な概念の一つで、ゲームの進行と点数計算に大きく関わります。
親の詳細解説
親の特権
| 特権 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 得点1.5倍 | 和了時の点数が子の1.5倍 | 高得点のチャンス |
| ツモは全員から | ツモ和了時は3人から徴収 | 点数効率が良い |
| 連荘権 | 和了すれば親を継続 | 大量得点の可能性 |
| 起親 | 最初に14枚持ってスタート | 先手を取れる |
親の責任
| 責任 | 内容 | リスク |
|---|---|---|
| 失点1.5倍 | 振り込み時の支払いが1.5倍 | 大きな失点リスク |
| ツモられ時 | 子の倍額を支払う | 失点が大きい |
| 流局時 | テンパイしないと親流れ | プレッシャー |
使用例
実際の場面での使い方
例1:親番の確認
「今、誰が親?」
「東1局だから東家が親です」
例2:親の和了
「親のリーチ、ツモ!」
「親満(12000点)です」
例3:連荘
「親が和了したから連荘」
「東1局1本場になります」
親の点数計算
基本点数の比較
| 役 | 子の点数 | 親の点数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 1翻30符 | 1000点 | 1500点 | 1.5倍 |
| 2翻30符 | 2000点 | 2900点 | 約1.5倍 |
| 3翻30符 | 3900点 | 5800点 | 約1.5倍 |
| 満貫 | 8000点 | 12000点 | 1.5倍 |
ツモ和了時の支払い
子がツモ:
- 親から:子の倍額
- 他の子から:通常額
親がツモ:
- 全員から:同額(オール)
関連用語
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
親番の把握
- 東風戦:東家のみが親
- 半荘戦:全員が親を経験
-
点数計算
- 正確には1.5倍ではない場合も
- 切り上げ・切り捨てに注意
-
連荘条件
- 親の和了が必要
- 流局時のテンパイだけでは不十分(ルールによる)
-
親の責任
- 振り込みも1.5倍
- リスクとリターンのバランス
親の戦略
親番での基本方針
| 状況 | 推奨戦略 | 理由 |
|---|---|---|
| 序盤 | 積極的に | 高得点のチャンス |
| リード時 | 安全重視 | 親被りを避ける |
| ビハインド | 勝負 | 逆転のチャンス |
| オーラス | 状況次第 | 順位を意識 |
親の心得
1. 積極性と慎重さのバランス
- むやみな勝負は避ける
- チャンスは逃さない
2. 連荘を意識
- 安い手でも和了優先
- 流局回避
3. 守備も重要
- 親被りは致命的
- 大物手の気配には注意
親に関するルール
親決め(起親決定)
-
サイコロ方式
- 2個のサイコロを振る
- 出目によって起親を決定
-
東南西北の牌を使う方式
- 各自が引いて決定
- 東を引いた人が起親
親の移動
| 条件 | 結果 |
|---|---|
| 親が和了 | 親継続(連荘) |
| 子が和了 | 親流れ |
| 流局(親テンパイ) | ルールによる |
| 流局(親ノーテン) | 親流れ |
親番での注意点
やってはいけないこと
-
無謀な勝負
- 親だからといって無理は禁物
- 大きな失点のリスク
-
安手での妥協
- 親の特権を活かさない
- もったいない
-
守備の軽視
- 親被りは1.5倍
- 慎重さも必要
親番を活かすコツ
1. 配牌を見て方針決定
- 良い:積極的に
- 悪い:守備的に
2. 場の状況を把握
- 他家の動向
- 点棒状況
3. 連荘を視野に
- 次も親なら有利
- 長期的視点
親に関する俗語・慣用句
よく使われる表現
- 「親かぶり」:親が他家に振り込むこと
- 「親満」:親の満貫(12000点)
- 「親倍」:親の跳満(18000点)
- 「親っパネ」:親の役満
- 「親泣かせ」:子の高い手
まとめ
親は麻雀における重要な役割で、得点が1.5倍になる特権を持つ反面、失点も大きくなるハイリスク・ハイリターンのポジションです。初心者の方は、まず親番での基本的な点数計算を覚え、親の特権を適切に活用できるようになることが大切です。親番は大きなチャンスであると同時に責任も重いことを理解し、状況に応じた適切な判断ができるようになることで、麻雀の実力が大きく向上するでしょう。