ポンとは
ポン とは、麻雀において他のプレイヤーが捨てた牌を使って 刻子(コーツ:同じ牌3枚の組み合わせ) を作る行為です。相手が自分の持っている対子(同じ牌2枚)と同じ牌を捨てた時、「ポン」と宣言して、その牌をもらうことができます。
ポンは「鳴き」「副露(フーロ)」の一種で、手牌を早く進める重要な技術の一つです。
ポンの詳細解説
ポンの手順
- 対子を持っている:手牌に同じ牌を2枚持っている
- 他家が同じ牌を捨てる:誰かがその牌を捨てた瞬間
- 「ポン」と宣言:すぐに声を出して宣言
- 牌を公開:対子を倒して、捨て牌と合わせて3枚を自分の右側に置く
- 1枚捨てる:手牌から不要な牌を1枚捨てる
ポンの優先順位
複数の宣言が重なった場合の優先順位:
- ロン > ポン・カン > チー
- ポンは誰からでもできる(チーは左隣からのみ)
ポンした牌の置き方
誰から鳴いたかを示すため、横向きに置く位置が決まっています:
| 鳴いた相手 | 横向きに置く位置 |
|---|---|
| 左隣(上家) | 左端 |
| 正面(対面) | 中央 |
| 右隣(下家) | 右端 |
ポンのメリット・デメリット
メリット
| メリット | 説明 |
|---|---|
| 手が早くなる | 2枚集めればよく、テンパイまでが早い |
| 役を作りやすい | 役牌のポンで簡単に役ができる |
| 相手を妨害 | 相手の欲しい牌を奪える |
| 確実性 | 自分で3枚集める必要がない |
デメリット
| デメリット | 説明 |
|---|---|
| 門前が崩れる | リーチ、ピンフなどができなくなる |
| 手牌が読まれる | 相手に手の進行がバレやすい |
| 守備力低下 | 手牌が減り、守りにくくなる |
| 打点が下がる | 門前でない分、点数が下がることが多い |
使用例
実際の場面での使い方
例1:役牌のポン
「ポン!」(東を2枚持っていて、東家の時)
「發をポンして、もう1役確定だ」
例2:戦術的な会話
「ここは鳴いてでも早くあがりたいからポンしよう」
「ドラをポンされて打点上げられた」
例3:妨害のポン
「相手の染め手を警戒して、筒子はポンで止めよう」
「終盤だし、親の連荘を阻止するためにポン」
ポンすべき場面・すべきでない場面
ポンすべき場面
-
役牌(自風・場風・三元牌)を持っている時
- 簡単に役が作れる
- 例:東場の東家で東をポン
-
点数が必要で急ぐ時
- オーラスで順位を上げたい
- 親の連荘を止めたい
-
鳴き手で行くと決めた時
- 断幺九(タンヤオ)、三色同順など
- ドラが多い時
ポンを控えるべき場面
-
高打点を狙っている時
- 門前でリーチ、一発、裏ドラを狙う
- 清一色など高い手を作っている
-
守備を重視する時
- 他家がリーチしている
- 危険牌を持っている
-
まだ序盤で手が決まっていない時
- 方向性が定まっていない
- より良い形を目指せる
関連用語
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
宣言のタイミング
- 捨てられた瞬間に宣言しないと無効
- 次の人がツモってしまったらポンできない
-
ポンした後の捨て牌
- ポンした牌と同じ種類は捨てられない(食い替え禁止)
- 例:2萬でポンしたら、1萬・3萬は捨てられない
-
役の確認
- ポンしても役がなければあがれない
- 特に中張牌(2〜8)のポンは注意
-
手牌の枚数
- ポン後も手牌は13枚を維持
- 14枚にならないよう注意
戦術的なポイント
ポンの使い分け
- 序盤:役牌以外は基本的にスルー
- 中盤:手の方向性に合わせて判断
- 終盤:場況に応じて柔軟に対応
読みの要素
- ポンした牌から相手の手を推測
- 染め手、対々和などの可能性を考慮
まとめ
ポンは麻雀の基本技術の一つですが、使い方次第で勝敗を大きく左右します。初心者の方は、まず役牌のポンから始めて、徐々に状況に応じた使い分けを覚えていきましょう。「鳴くべきか、鳴かざるべきか」の判断ができるようになれば、麻雀の戦術の幅が大きく広がります。