嶺上開花(リンシャンカイホウ)とは
嶺上開花(リンシャンカイホウ) は、麻雀の偶然役の一つで、カンをした後に引く嶺上牌(リンシャンハイ)でツモあがりすると成立する1翻役です。「嶺の上に花が咲く」という美しい名前の通り、カンの後に幸運が訪れる劇的な役です。
出現頻度は低いですが、カンをする機会があれば常に可能性がある役で、思わぬ逆転を生むこともある魅力的な役です。
嶺上開花の詳細解説
嶺上開花の成立条件
| 条件 | 説明 |
|---|---|
| カンをする | ポン・チー・ロンではダメ |
| 嶺上牌を引く | カン後の補充牌 |
| その牌でツモあがり | ロンでは成立しない |
カンの種類と嶺上開花
| カンの種類 | 説明 | 嶺上開花 |
|---|---|---|
| 暗カン(アンカン) | 手牌で4枚揃えてカン | ○成立 |
| 大明カン(ダイミンカン) | 他家の捨て牌でカン | ○成立 |
| 加カン(カカン) | ポンした牌に加えてカン | ○成立 |
嶺上牌とは
嶺上牌は王牌(ワンパイ)の一部で、カンをした時に補充する牌です:
山牌 ... [嶺上牌4枚][ドラ表示牌][裏ドラ表示牌] ← 王牌14枚
使用例
実際の場面での使い方
例1:カン時の期待
「カン!嶺上お願い!」
「リンシャン狙いで暗カンする」
例2:成功時の喜び
「嶺上開花きたー!」
「まさかのリンシャンツモ!」
「カンドラも乗って満貫!」
例3:戦術的な判断
「テンパイだからカンして嶺上狙おう」
「リンシャンなくても山が増えるからカン」
嶺上開花の確率と戦略
嶺上開花の確率
| 状況 | 確率 | 備考 |
|---|---|---|
| 単騎待ち | 約2.9% | 1/34(残り枚数次第) |
| 両面待ち | 約23.5% | 8/34(標準的) |
| 三面待ち | 約35.3% | 12/34 |
| 国士13面 | 約38.2% | 13/34(最大) |
カンをする判断
-
テンパイしている
- 嶺上開花の可能性
- ツモ番が1回増える
-
カンドラが増える
- 打点アップの可能性
- リスクとリターン
-
手牌が良形
- 待ちが広い
- 嶺上の確率が高い
関連用語
- カン:同じ牌4枚を晒す
- 嶺上牌(リンシャンハイ):カン後の補充牌
- 王牌(ワンパイ):使わない14枚
- カンドラ:カン後に増えるドラ
- 槍槓(チャンカン):加カンを奪う役
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
ロンでは成立しない
- 必ずツモあがり
- 嶺上牌での自摸が条件
-
カンの種類は問わない
- 暗カン・明カン・加カンすべてOK
- どのカンでも嶺上開花可能
-
他の役との複合
- 役なしでも嶺上開花で1翻
- 他の役とも複合する
-
一発との関係
- カンで一発は消える
- 嶺上開花と一発は複合しない
嶺上開花の特殊性
嶺上開花だけの特典
| 特典 | 説明 |
|---|---|
| 役の保証 | 役なしでも1翻確定 |
| ツモ扱い | 自摸の2符がつく |
| カンドラ | 新ドラが乗る可能性 |
複合する役・しない役
複合する役:
- 役牌、タンヤオ、平和など通常の役
- ツモ(門前清自摸和)
- 三槓子、四槓子
複合しない役:
- 一発(カンで消えるため)
- 海底摸月(海底牌ではないため)
- 河底撈魚(ロンではないため)
戦術的なポイント
カンのタイミング
-
テンパイ時のカン
- 嶺上開花のチャンス
- 最も積極的にカンすべき
-
イーシャンテン時のカン
- テンパイに近づく可能性
- カンドラの恩恵も
-
守備的なカン
- 安全牌を増やす
- 相手の一発消し
リスクと注意点
リスク:
- カンドラが相手に乗る
- 手の内がバレる(明カン)
- 槍槓される(加カン時)
注意点:
- 四開槓(4回カン)で流局
- 王牌は14枚固定
- 嶺上牌は4枚のみ
嶺上開花の魅力
ドラマチックな展開
-
一発逆転
- 劣勢から逆転
- 思わぬ高得点
-
運の要素
- 実力では計れない
- 誰にでもチャンス
-
印象的な上がり
- 記憶に残る
- 「持ってる」感
実戦での心構え
- 過度な期待は禁物:確率は高くない
- カンの判断は総合的に:嶺上だけを狙わない
- 来たらラッキー:おまけと考える
まとめ
嶺上開花は、カンという特殊な行為の後に訪れる幸運の役です。狙って出せる役ではありませんが、カンをする機会があれば常に可能性があります。初心者の方は、まず「カン→嶺上牌→ツモあがり」という流れを覚えましょう。過度に狙う必要はありませんが、テンパイしている時のカンでは、嶺上開花という素敵なボーナスがあることを忘れずに。麻雀の華やかさを象徴する役の一つです。