晒し(サラシ)とは
晒し(サラシ) とは、麻雀の用語で、ポン・チー・カンで公開された牌のことです。「副露(フーロ)」とも呼ばれ、鳴いた牌を自分の前に表向きで置いた状態を指します。
晒しは全員に見える情報となるため、相手の手牌や待ちを推測する重要な手がかりになります。また、自分の晒しも相手に情報を与えることになるため、鳴きの判断は慎重に行う必要があります。
晒しの詳細解説
晒しの種類
晒しには以下の種類があります:
| 種類 | 内容 | 枚数 | 門前 |
|---|---|---|---|
| ポン | 同じ牌3枚 | 3枚 | 崩れる |
| チー | 連続する順子 | 3枚 | 崩れる |
| 明槓 | 他家の牌で槓 | 4枚 | 崩れる |
| 加槓 | ポン後に追加 | 4枚 | 崩れている |
| 暗槓 | 手牌4枚で槓 | 4枚 | 保つ |
晒しの表示方法
牌の向き:
ポン(上家から):[5萬][5萬][横5萬]
チー(上家から):[3筒][4筒][横5筒]
明槓(対面から):[7索][7索][横7索][7索]
横向きの牌で誰が捨てたかが分かります。
使用例
実際の場面での使い方
例1:晒しの確認
「2つ晒してるから門前じゃない」
「晒しを見ると萬子を集めてる」
例2:戦略的な会話
「晒しが多いとリーチできない」
「晒しから待ちを推測する」
例3:状況説明
「晒しなしだから門前」
「3つ晒してるからトイトイかも」
関連用語
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
暗槓の扱い
- 暗槓は晒しだが門前を崩さない
- 特殊な扱い
-
晒しの向き
- 横向き牌で誰からか分かる
- 位置関係が重要
-
情報の重要性
- 晒し=手の内が見える
- 相手に情報を与える
-
門前役との関係
- 晒しがあると門前役不可
- リーチ・平和など
晒しから読み取れる情報
基本的な情報
晒しで分かること:
| 情報 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 使用牌 | その牌は使用済み | 5萬ポン→5萬は出ない |
| 手の方向性 | 何を集めているか | 萬子のチー→萬子染め? |
| 門前状態 | リーチ可能か | 晒しあり→リーチ不可 |
| 役の推測 | 狙っている役 | 字牌ポン→役牌 |
高度な読み
上級者の読み方:
-
残り枚数の推測
- 晒しで3枚使用
- 残り1枚の所在
-
待ちの推測
- 晒しの組み合わせ
- 可能性の絞り込み
-
手牌の推測
- 何を切るか
- どの牌が安全か
晒しの戦略的意味
情報の公開
晒すリスク:
晒しが多い
↓
手の内が見える
↓
待ちがバレやすい
↓
防御されやすい
門前との比較
メリット・デメリット:
| 項目 | 晒しあり | 門前 |
|---|---|---|
| 速度 | 速い | 遅い |
| 打点 | 低い | 高い |
| 情報 | 見える | 隠せる |
| リーチ | 不可 | 可能 |
| 防御 | 難しい | しやすい |
実戦での晒しの活用
相手の晒しを読む
チェックポイント:
-
何色を晒しているか
- 染め手の可能性
- トイトイか順子系か
-
字牌の晒し
- 役牌狙い
- 大三元・大四喜の警戒
-
晒しの数
- 3つ以上→トイトイ?
- 1つだけ→喰い断?
自分の晒し方
戦略的な鳴き:
序盤:
- 晒して速度重視
- 役が確定するなら
中盤:
- 状況を見て判断
- 門前の可能性も残す
終盤:
- 防御のため鳴く
- テンパイ崩しもあり
晒しと防御
安全牌の判断
晒しから安全牌を探す:
| 晒し | 安全と推測される牌 | 理由 |
|---|---|---|
| 萬子のチー | 他の色の数牌 | 染め手の可能性 |
| 字牌のポン | 使用済み字牌 | 重複牌は安全 |
| 筒子のポン | 1・9筒 | チャンタでなければ |
危険牌の推測
晒しから危険牌を予測:
例:234萬・567萬をチー
→ 萬子の待ちが濃厚
→ 萬子は危険
→ 他の色が安全
晒しの種類別の情報
ポンの晒し
ポンから分かること:
- 刻子を作っている
- トイトイの可能性
- 役牌なら1翻確定
- 対子が多い手か
チーの晒し
チーから分かること:
- 順子を作っている
- 平和系の手
- 染め手の可能性
- スピード重視
カンの晒し
カンから分かること:
- 4枚持っていた
- 三槓子の可能性
- ドラ増加を期待
- 打点アップ狙い
晒しのタイミング
序盤の晒し
序盤での判断:
- 役が確定するなら晒す
- 喰い断狙いなら積極的
- 手が悪ければ晒す
中盤の晒し
中盤での判断:
- テンパイが近いなら
- 門前の可能性も考慮
- リーチとの比較
終盤の晒し
終盤での判断:
- 防御のため晒す
- テンパイ崩しもあり
- 点数状況を見る
晒しと点数
喰い下がり
晒すと点数が下がる役:
| 役名 | 門前 | 鳴き | 差分 |
|---|---|---|---|
| 断么九 | 1翻 | 1翻 | なし |
| 一気通貫 | 2翻 | 1翻 | -1翻 |
| 三色同順 | 2翻 | 1翻 | -1翻 |
| 混一色 | 3翻 | 2翻 | -1翻 |
| 清一色 | 6翻 | 5翻 | -1翻 |
門前のみの役
晒すと成立しない役:
- リーチ(立直)
- 平和(ピンフ)
- 一盃口(イーペーコー)
- 二盃口(リャンペーコー)
- 門前清自摸和(メンゼンツモ)
晒しの文化と歴史
呼び方の由来
名称の意味:
- 晒す:見せる、公開する
- 副露:サブの露出(メインは手牌)
- 中国麻雀からの用語
戦略の変遷
歴史的変化:
-
昔の麻雀
- 鳴き中心
- 速度重視
-
現代の麻雀
- 門前重視
- リーチの価値向上
-
競技麻雀
- バランス重視
- 状況判断
まとめ
晒し(サラシ)は、ポン・チー・カンで公開された牌のことで、副露とも呼ばれます。晒しは全員に見える情報となり、相手の手牌や待ちを推測する重要な手がかりになります。初心者の方は、まず「晒し=鳴いて公開された牌」という基本を覚え、相手の晒しから使用済みの牌や手の方向性を読み取る練習をしましょう。また、自分が晒すと情報を与えることになるため、門前との比較や喰い下がりを考慮した戦略的な鳴きの判断が重要です。晒しを理解することで、防御力と読みの精度が大きく向上します。