絞り(シボリ)とは
絞り(シボリ) とは、麻雀の防御技術の一つで、相手に特定の牌を鳴かせないようにすることです。主に大三元や大四喜などの役満を防ぐ際に使われ、対象の牌を絶対に捨てず、手牌に抱え込んで相手の鳴きを阻止します。
特に責任払い(包/パオ)を避けるために重要な技術で、相手が1つまたは2つ鳴いている状況で、次に鳴かせると役満が確定してしまう牌を絞ります。上級者の必須テクニックです。
絞りの詳細解説
絞りの目的
絞りが必要な場面:
| 状況 | 目的 | 対象牌 |
|---|---|---|
| 大三元阻止 | 責任払い回避 | 三元牌 |
| 大四喜阻止 | 責任払い回避 | 風牌 |
| 染め手阻止 | 高打点を抑える | 特定色の牌 |
| 相手の妨害 | テンパイを遅らせる | 重要な牌 |
絞りの基本
絞りの手順:
1. 相手の鳴きを確認
2. 危険な牌を特定
3. その牌を絶対に切らない
4. 手牌に抱え込む
5. 最後まで持つ
使用例
実際の場面での使い方
例1:絞りの宣言
「三元牌を絞る」
「風牌は絶対出さない」
例2:戦略的な会話
「2つ鳴いてるから絞りが必要」
「絞って役満を防ぐ」
例3:状況説明
「絞られて鳴けない」
「完全に絞られている」
関連用語
- 責任払い(セキニンバライ):絞りで防ぐもの
- 大三元(ダイサンゲン):絞りの対象
- 大四喜(ダイスーシー):絞りの対象
- 防御(ボウギョ):絞りは防御技術
- ベタオリ:関連する防御技術
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
絞りのタイミング
- 1つ鳴いたら警戒
- 2つ鳴いたら絞る
-
手牌の犠牲
- 絞ると手が悪くなる
- しかし必要な犠牲
-
絞る牌の選択
- 全ての三元牌ではない
- 残りの牌を数える
-
完全な絞り
- 最後まで持つ
- 途中で出さない
大三元での絞り
絞りの発生条件
大三元の場合:
相手の鳴き:白をポン
↓
警戒開始
↓
相手が發もポン(2つ目)
↓
中を絞る(絶対に出さない)
絞りの重要性
責任払いとの関係:
| 状況 | 絞りの判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 1つ鳴き | 警戒 | まだ出せる |
| 2つ鳴き | 絞る | 責任払いのリスク |
| 3つ鳴き | 絞り完了 | 既に役満確定 |
大四喜での絞り
絞りの発生条件
大四喜の場合:
相手の鳴き:東・南をポン
↓
警戒開始
↓
相手が西もポン(3つ目)
↓
北を絞る(絶対に出さない)
大四喜の特殊性
より厳しい絞り:
- 風牌4種類
- 3つ鳴いてから絞り
- ダブル役満のリスク
実戦での絞り
絞りの判断基準
いつ絞るか:
| 判断基準 | 内容 | 行動 |
|---|---|---|
| 1つ鳴き | 三元牌を1つポン | 様子見 |
| 2つ鳴き | 三元牌を2つポン | 絞り開始 |
| 手牌の状況 | 自分の手が良い | 絞りつつ攻撃 |
| 点数状況 | トップ目 | 確実に絞る |
絞りのコスト
絞りの犠牲:
絞る
↓
不要牌を抱え込む
↓
手が悪くなる
↓
和了が遠のく
↓
でも必要な防御
絞りのテクニック
完全絞り
徹底的な絞り:
-
早めの確保
- 2つ鳴く前から持つ
- 先読み
-
複数枚確保
- 可能なら2枚以上
- より確実に
-
最後まで
- 流局まで持つ
- 絶対に出さない
部分絞り
限定的な絞り:
- 1枚だけ持つ
- 状況次第で出す
- リスク管理
絞りの心理戦
相手へのプレッシャー
絞りの効果:
絞る
↓
相手が鳴けない
↓
役満が完成しない
↓
相手を苛立たせる
牌の独占
枯渇戦略:
- 対象牌を独占
- 相手の選択肢を奪う
- 有利な展開
絞りと手作りのバランス
攻守の判断
どちらを優先するか:
| 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 手が良い | 攻撃優先 | 和了の可能性高い |
| 手が悪い | 防御優先 | 絞りに専念 |
| 点数差大 | 防御優先 | リスク回避 |
| トップ目 | 防御優先 | 現状維持 |
絞りながら攻撃
理想的なプレイ:
絞りの牌を持ちつつ
↓
他の牌で手を進める
↓
攻守両立
↓
高度な技術
絞りの種類
三元牌の絞り
最も一般的:
- 大三元阻止
- 2つ鳴いたら絞る
- 責任払い回避
風牌の絞り
やや稀:
- 大四喜阻止
- 3つ鳴いたら絞る
- ダブル役満リスク
染め手の絞り
高打点阻止:
- 特定色の牌を絞る
- 中張牌が中心
- 清一色・混一色対策
絞りの成功例
典型的な成功パターン
絞りで防いだ場合:
相手:白・發をポン
自分:中を2枚確保して絞る
↓
相手:中をツモれず
↓
大三元未完成
↓
絞り成功
絞りの失敗例
絞りに失敗:
相手:白・發をポン
自分:中を切ってしまう
↓
相手:中をポン
↓
大三元確定
↓
自分に責任払い
絞りのカウンティング
牌の枚数管理
残り枚数の確認:
| 牌 | 状況 | 残り | 絞りの判断 |
|---|---|---|---|
| 白 | 3枚見える | 1枚 | 絞りやすい |
| 發 | 2枚見える | 2枚 | 可能 |
| 中 | 1枚見える | 3枚 | 難しい |
絞りの可能性
確実性の計算:
自分が2枚持っている
↓
残り1枚
↓
相手がツモる確率低い
↓
絞り成功しやすい
絞りの歴史と文化
防御技術の進化
絞りの発展:
-
初期の麻雀
- 攻撃重視
- 絞りの概念薄い
-
技術の向上
- 防御の重要性認識
- 絞りの確立
-
現代麻雀
- 必須テクニック
- 上級者の常識
まとめ
絞り(シボリ)は、相手に特定の牌を鳴かせないようにする防御技術で、主に大三元や大四喜などの役満を防ぐために使います。相手が2つ鳴いている状況で、次に鳴かせると役満が確定してしまう牌を手牌に抱え込み、最後まで持ち続けることで責任払いを回避します。初心者の方は、まず「2つ鳴いたら絞る」という基本を覚え、三元牌や風牌を警戒しましょう。絞ると手が悪くなりますが、役満の責任払いを避けるためには必要な犠牲です。上級者を目指すなら、絞りの技術は必須です。