四槓子(スーカンツ)とは
四槓子(スーカンツ) とは、麻雀の役満の一つで、4回槓(カン)を行い、4つの槓子を作る役です。暗槓・明槓を問わず、とにかく4つの槓子を完成させる必要がある、最も困難な役満の一つです。
出現率は約0.00011%と全役満中最低で、プロでも一生に一度見られるかどうかという、まさに幻の役満です。「四槓流れ」という特殊ルールとの兼ね合いもあり、成立には運と技術の両方が必要です。
四槓子の詳細解説
成立条件
四槓子が成立するには、以下の条件を満たす必要があります:
| 条件 | 詳細 | 備考 |
|---|---|---|
| 4つの槓子 | 暗槓・明槓問わず | 合計4つ |
| 残り雀頭 | 対子1つ | 通常の形 |
| 四槓流れ回避 | 他家が4つ目を作らない | 重要 |
槓の種類
使える槓の組み合わせ:
| 槓の種類 | 説明 | 四槓子での扱い |
|---|---|---|
| 暗槓 | 手牌から4枚 | OK |
| 大明槓 | 他家の捨て牌をカン | OK |
| 加槓(小明槓) | ポンに4枚目を加える | OK |
使用例
実際の場面での使い方
例1:挑戦時
「3槓目!四槓子狙う」
「4つ目のカンで四槓子」
例2:達成時
「四槓子!!」
「ついに四槓子完成!」
例3:流局の危機
「四槓流れになりそう」
「他家に4つ目作らせるな」
四槓子の形
基本形
槓子:東東東東 南南南南 白白白白 111萬萬萬萬(裏向き)
雀頭:中中
完成形:4つの槓子+1つの雀頭
実戦での形
暗槓と明槓の混在:
暗槓:5555索(裏向き)
明槓:東東東東(横向き)南南南南(横向き)
加槓:999筒筒(横向き)
雀頭:白白
関連用語
- 槓(カン):同じ牌4枚の特殊な面子
- 暗槓(アンカン):手牌から作る槓
- 明槓(ミンカン):鳴いて作る槓
- 四槓流れ:2人以上で4槓
- 嶺上牌(リンシャンハイ):槓の後に引く牌
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
四槓流れとの混同
- 1人で4槓:四槓子
- 2人以上で4槓:流局
-
槓ドラの数
- 4つで最大16枚
- 計算を間違えやすい
-
嶺上牌の枯渇
- 最後の1枚が重要
- 海底牌との関係
-
雀頭の忘れ
- 4槓だけでは不可
- 対子も必要
四槓子を狙う状況
現実的な可能性
四槓子が狙える条件:
| 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 対子6つ以上 | 可能性を意識 | 槓の候補多数 |
| 早い段階で2槓 | 積極的に狙う | 時間的余裕 |
| 他家が槓しない | チャンス | 流局回避可能 |
段階的な判断
槓を重ねる判断:
1槓目:普通に槓
↓
2槓目:少し意識
↓
3槓目:四槓子を本格的に狙う
↓
4槓目:最大の難関
実戦での四槓子
四槓子への道のり
典型的な流れ:
配牌:対子が多い(トイツ場)
↓
序盤:1つ目の槓(暗槓が理想)
↓
中盤:2つ目、3つ目の槓
↓
終盤:4つ目の槓で完成
槓のタイミング
効果的な槓の順序:
-
暗槓から
- 手牌を減らさない
- 他家に悟られない
-
安全な牌で
- 字牌など
- 振り込みリスク低
-
4つ目は慎重に
- 流局の可能性
- 最後のチャンス
四槓流れとの関係
最大の障害
四槓流れのルール:
| 状況 | 結果 | 説明 |
|---|---|---|
| 1人で4槓 | 四槓子成立 | 役満 |
| 2人で計4槓 | 流局 | 四槓流れ |
| 3人以上で4槓 | 流局 | 四槓流れ |
回避策
他家に槓させない:
-
牌を絞る
- 4枚見えた牌
- 槓されそうな牌
-
早めに4つ目
- 他家より先に
- 時間との勝負
-
プレッシャー
- 3槓の威圧感
- 他家を萎縮
四槓子の確率と価値
出現率の低さ
統計データ:
- 四槓子:約0.00011%
- 全役満中最低
- 10万局に1回程度
役満ランキング
希少性順位:
- 四槓子(約0.00011%)
- 純正九蓮宝燈(約0.000002%)
- 天和(約0.0003%)
- 地和(約0.0005%)
四槓子の特殊性
槓ドラの爆発力
ドラの数:
通常ドラ:1枚
槓ドラ1:1枚
槓ドラ2:1枚
槓ドラ3:1枚
槓ドラ4:1枚
合計:最大5種類(裏ドラ除く)
嶺上開花との関係
4回のチャンス:
| 槓 | 嶺上牌 | 可能性 |
|---|---|---|
| 1槓目 | 1枚目 | 嶺上開花 |
| 2槓目 | 2枚目 | 嶺上開花 |
| 3槓目 | 3枚目 | 嶺上開花 |
| 4槓目 | 4枚目 | 嶺上開花+四槓子 |
四槓子の心理戦
場への影響
3槓時点での効果:
-
圧倒的威圧感
- 異常な光景
- 他家の動揺
-
守備的になる
- 振り込み恐怖
- オリる選択
-
槓の抑制
- 流局を避ける
- 協力的に
四槓子を隠す?
現実的には:
- 隠すのは不可能
- 槓は公開情報
- むしろ威圧する
伝説と記録
有名な四槓子
歴史的瞬間:
-
プロ対局での達成
- 極めて稀
- 大ニュース
-
同一人物の複数回
- ほぼ不可能
- 伝説級
-
配牌四暗刻からの四槓子
- 理論上のみ
- 未確認
四槓子の神話
まつわる話:
- 見た者に幸運
- 一生の自慢
- 麻雀の極致
- 不可能への挑戦
ローカルルール
点数の扱い
地域による違い:
| ルール | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 一般的 | シングル役満 | 標準 |
| 一部地域 | ダブル役満 | 希少性評価 |
| 特殊 | トリプル役満 | 最高評価 |
五槓子の扱い
理論上の話:
- 5つ目の槓は不可
- ルール上の限界
- 四槓が最大
四槓子への心構え
狙う覚悟
必要なもの:
-
強運
- 対子の配牌
- 4枚目を引く
-
勇気
- 槓のリスク
- 失敗の可能性
-
冷静さ
- 興奮を抑える
- 確実に進める
達成の意味
四槓子の価値:
- 麻雀人生の頂点
- 永遠の記録
- 伝説の仲間入り
- 究極の達成感
まとめ
四槓子(スーカンツ)は、4回槓を行って4つの槓子を作る、最も困難な役満です。出現率は約0.00011%と全役満中最低で、まさに幻の役と言えます。初心者の方は、まず「槓を4回する」という基本を理解し、もし3槓まで進んだら全力で4つ目を狙ってみましょう。四槓流れとの兼ね合いもあり、成立は奇跡的ですが、達成できれば麻雀史に名を残す偉業となります。四槓子は麻雀の限界に挑む、究極の役満です。