字一色(ツーイーソー)とは
字一色(ツーイーソー) とは、麻雀の役満の一つで、手牌をすべて字牌(風牌と三元牌)だけで構成する役です。数牌を一切使わない特殊な形で、見た目のインパクトが強く、「字牌だけの世界」を作り上げる美しい役満です。
鳴いても成立し、必然的に対々和形になるため、積極的にポンして作ることができます。出現率は約0.0095%と役満の中では中程度の難易度です。
字一色の詳細解説
成立条件
字一色が成立するには、以下の条件を満たす必要があります:
| 条件 | 詳細 | 備考 |
|---|---|---|
| すべて字牌 | 風牌+三元牌のみ | 数牌は1枚も不可 |
| 4面子1雀頭 | 通常の形 | 七対子も可(ローカル) |
| 鳴き可能 | ポンOK | 門前でなくても良い |
使用できる牌
字一色で使える7種類:
| 種類 | 牌 | 特徴 |
|---|---|---|
| 風牌 | 東・南・西・北 | 4種類 |
| 三元牌 | 白・發・中 | 3種類 |
| 合計 | 7種類28枚 | すべて字牌 |
使用例
実際の場面での使い方
例1:手作り時
「字牌ばかり、字一色狙おう」
「数牌全部切って字一色」
例2:達成時
「字一色完成!」
「真っ黒な字一色だ」
例3:警戒の表現
「字牌しか切ってない、字一色か?」
「対子場だし字一色警戒」
字一色の形
基本形(対々和)
手牌:東東東 南南南 白白白 發發發 中中
完成形:字牌の刻子4つ+字牌の雀頭
七対子形(ローカル)
手牌:東東 南南 西西 北北 白白 發發 中中
完成形:字牌7種類の対子
関連用語
- 字牌(ジハイ):風牌と三元牌の総称
- 対々和(トイトイ):必然的に複合
- 混老頭(ホンロウトウ):似て非なる役
- 大三元(ダイサンゲン):複合可能
- 小四喜(ショウスーシー):複合可能
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
数牌の混入
- 1枚でも数牌があれば不可
- 完全に字牌のみ
-
混老頭との混同
- 字一色:字牌のみ
- 混老頭:字牌+1・9牌
-
必要枚数の多さ
- 最低14枚必要
- 7種類で作る困難さ
-
七対子形の扱い
- ローカルルール
- 事前確認必要
字一色を狙う戦術
配牌での判断
字一色を狙う目安:
| 字牌の数 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 10枚以上 | 積極的に狙う | 高い可能性 |
| 8〜9枚 | 対子次第 | 発展可能 |
| 7枚以下 | 基本的に困難 | 他の手を検討 |
序盤の進め方
基本戦略:
-
数牌を切る
- 端から順に
- 迷わず捨てる
-
字牌を集める
- すべて残す
- 孤立牌も大切
-
早めに鳴く
- ポンで加速
- 形を作る
実戦での字一色
字一色への変化
典型的な流れ:
配牌:字牌が多い
↓
序盤:数牌を切り、字牌を残す
↓
中盤:ポンして形を作る
↓
終盤:最後の面子を待つ
他の役からの移行
よくあるパターン:
| 元の狙い | 移行理由 | 結果 |
|---|---|---|
| 混一色 | 数牌が来ない | 字一色へ |
| 対々和 | 字牌ばかり | 字一色へ |
| 役牌 | 字牌が増える | 字一色へ |
字一色の複合役
主な複合パターン
高得点の組み合わせ:
| 複合役 | 条件 | 価値 |
|---|---|---|
| 大三元 | 三元牌3刻子 | ダブル役満 |
| 小四喜 | 風牌3刻子1雀頭 | ダブル役満 |
| 大四喜 | 風牌4刻子 | トリプル役満 |
| 四暗刻 | すべて暗刻 | ダブル役満 |
最強の字一色
究極の形:
例:東東東 南南南 西西西 北北北 白白
→ 字一色+大四喜(トリプル役満)
字一色の確率と価値
出現率
統計データ:
- 字一色:約0.0095%
- 役満中では中位
- 清一色より困難
制約の厳しさ
7種類の限界:
-
牌の種類が少ない
- 字牌は7種類のみ
- 数牌は27種類
-
枚数の制限
- 各4枚まで
- 合計28枚
-
形の制約
- 基本は対々和
- 順子不可
字一色の美学
視覚的インパクト
字一色の魅力:
-
統一感
- すべて字牌
- 黒い牌の羅列
-
威圧感
- 字牌の迫力
- 相手への圧力
-
完成美
- 究極の統一
- 芸術的価値
精神的価値
達成の意味:
- 数字を超越
- 純粋な形
- 麻雀の極致
字一色の防御
相手の字一色を読む
警戒サイン:
-
捨て牌
- 数牌ばかり
- 端から順に
-
鳴き
- 字牌のポン
- 複数回
-
対子場
- 場に対子多数
- 字牌が少ない
防御策
字一色を防ぐ:
-
字牌を絞る
- 出さない
- 特に対子
-
早あがり
- 完成前に
- スピード勝負
-
牌効率無視
- 字牌優先
- 安全第一
ローカルルール
七対子形の扱い
地域による違い:
| ルール | 七対子形 | 理由 |
|---|---|---|
| 一般的 | 認めない | 対々和が基本 |
| 一部地域 | 認める | 特殊役として |
| 競技麻雀 | 大会による | 規定確認 |
点数の扱い
特殊な扱い:
- 通常:シングル役満
- 複合時:加算
- 一部:特別点
歴史と文化
字一色の由来
名前の意味:
- 「字」:文字の牌
- 「一色」:一種類のみ
- 中国から伝来
文化的意義
象徴するもの:
-
純粋性
- 数字を排除
- 文字の世界
-
完全性
- 統一された形
- 理想の追求
-
超越性
- 通常を超える
- 特別な存在
まとめ
字一色(ツーイーソー)は、風牌と三元牌だけで手牌を構成する、視覚的にも印象的な役満です。数牌を一切使わない制約の中で、7種類の字牌だけで形を作る困難さがありますが、鳴いても成立するため、字牌が多い配牌では積極的に狙える役満です。初心者の方は、まず「字牌だけで作る」という基本を覚え、配牌で字牌が10枚以上あれば挑戦してみましょう。完成した時の黒い牌の羅列は、麻雀の美しさを体現する素晴らしい光景です。