はじめに
「ワンチャンス」は、ノーチャンスに準じ、ある牌が3枚見えている状態をいいます。
完全な安全牌ではありませんが、押し引きの判断に役立つ重要な守備情報です。
ワンチャンスとは
3枚見えの状態
いま、
が3枚見えている状態で、他家のリーチを受けました。
か
を切ってリャンメン待ちで放銃するのは、残り1枚の
をリーチ者が持っていて、かつ
を含むリャンメンターツが最終形になっているときに限られます。
確率的な考え方
その
をリーチ者が持っている可能性はあるのですが、

や

のような完成したメンツの形で持っているのなら、
や
がリャンメンで当たることはありません。
そう考えると、何のよりどころもない危険牌よりは、
や
は少しましでしょう、と推測できるのです。
ワンチャンスの活用法
押し引きの判断基準
自分が行けるかどうか微妙な状態のとき、「全くの危険牌をつかんだらオリるが、ワンチャンスぐらいは切って前に出る」というように、押し引きの判断に使えます。
具体的な使用場面
以下のような状況でワンチャンスが判断材料になります:
- 自分がテンパイで、あと1枚でアガリ
- 相手のリーチに対して安全牌が少ない
- 点数状況的に前に出たい
- 巡目がまだ早く、振り込む確率が相対的に低い
スジとワンチャンスの組み合わせ
複合読みで安全度アップ
ワンチャンスも、スジと合わせ技で使うことができます。
具体例:
- A 河に
が切られている → 
のリャンメン待ちでは当たらない - B
か
が3枚見えている → 
のリャンメン待ちで当たるのはワンチャンス
となり、
の安全度が少し高いと読めるのです。
ワンチャンスの限界と注意点
安全牌ではない
ただ、当然ながらワンチャンスは、安全牌ではありません。
以下の点に注意が必要です:
- リャンメン待ちで当たる可能性は残っている
- カンチャン・ペンチャン・タンキ・シャンポンにも当たる
- 3枚見えの1枚を相手が持っている可能性がある
終盤での安全度低下
特に終盤、リーチに対して多くの牌が既に通っており、当たりうる牌の種類が減っている状態だと、ワンチャンスの安全度は下がります。
例えば、リーチ者の待ちが2種類程度に絞られている状況で、ワンチャンスの牌がその待ちに含まれる確率は高くなります。
具体例:終盤の危険性
15巡目のリーチに対して
・既に通っている牌:20種類以上
・残りの危険牌:数種類のみ
→ ワンチャンスでも当たる確率が高くなる
メンタル面での心構え
振り込んでもイライラしない
あくまでリャンメン待ちには当たらない(当たりにくい)というだけで、当たる恐れはあるからです。
スジやノーチャンス、ワンチャンスで放銃しても、イライラしたり焦るのは禁物です。
学習の機会として捉える
振り込んでしまった時は「安全な牌のはずなのに…。ぐぬぬ」と悔しがるのではなく、貴重な学習例があらわれたと考えて、「このケースでは、ワンチャンスでも当たるのだな」と学んで、次に生かしていきましょう。
麻雀に限らず、イライラしてその後うまくいくことはありませんので…。
中級者以上の裏技
逆手に取る攻撃
中級者以上だと、スジやワンチャンスを利用して、他家からのアガリを狙うケースもあります。
具体例:
が3枚見えている状態で、
や
待ちのリーチをかける- 相手が「ワンチャンスだから大丈夫」と思って切ってくる可能性を狙う
スジやワンチャンスは、多くの人が頼りにするメジャーな情報なので、逆手にとる攻撃も当然あるのですね。
ワンチャンスの実践的な使い方
段階的な判断
ワンチャンスを使った押し引き判断は、以下のように段階的に考えます:
| 安全度 | 状態 | 判断 |
|---|---|---|
| 高 | 現物・スジ+ノーチャンス | 切る |
| 中高 | スジ単体・ノーチャンス単体 | 状況次第で切る |
| 中 | ワンチャンス | 点数状況と巡目で判断 |
| 中低 | ワンチャンス+スジ | 微妙なライン |
| 低 | 無筋の中張牌 | 基本オリる |
判断基準の例
前に出る判断:
- 自分がテンパイで高打点
- 点数状況的に必要
- 巡目が早い(10巡目以前)
- ワンチャンス+スジの複合
オリる判断:
- 自分が1シャンテン以下
- 相手のリーチが強そう
- 終盤(15巡目以降)
- ワンチャンス単体で他の情報がない
関連用語
まとめ
ワンチャンスは、ある牌が3枚見えている状態を指し、完全な安全牌ではありませんが、何の情報もない危険牌よりは安全度が高いと判断できます。
特に押し引きの判断で活用でき、スジと組み合わせることでより精度の高い読みが可能になります。
ただし、終盤では安全度が下がることを忘れずに、状況に応じた適切な判断を心がけましょう。
振り込んでも学習の機会と捉え、次に生かしていくことが大切です。