ワンチャンス(3枚見え)とは?押し引き判断に使える守備戦術

| 約6分 | ツモロン編集部

はじめに

「ワンチャンス」は、ノーチャンスに準じ、ある牌が3枚見えている状態をいいます。

完全な安全牌ではありませんが、押し引きの判断に役立つ重要な守備情報です。

ワンチャンスとは

3枚見えの状態

いま、:7m:が3枚見えている状態で、他家のリーチを受けました。

:8m::9m:を切ってリャンメン待ちで放銃するのは、残り1枚の:7m:をリーチ者が持っていて、かつ:7m:を含むリャンメンターツが最終形になっているときに限られます。

確率的な考え方

その:7m:をリーチ者が持っている可能性はあるのですが、:5m::6m::7m::6m::7m::8m:のような完成したメンツの形で持っているのなら、:8m::9m:がリャンメンで当たることはありません。

そう考えると、何のよりどころもない危険牌よりは、:8m::9m:少しましでしょう、と推測できるのです。

ワンチャンスの活用法

押し引きの判断基準

自分が行けるかどうか微妙な状態のとき、「全くの危険牌をつかんだらオリるが、ワンチャンスぐらいは切って前に出る」というように、押し引きの判断に使えます。

具体的な使用場面

以下のような状況でワンチャンスが判断材料になります:

  • 自分がテンパイで、あと1枚でアガリ
  • 相手のリーチに対して安全牌が少ない
  • 点数状況的に前に出たい
  • 巡目がまだ早く、振り込む確率が相対的に低い

スジとワンチャンスの組み合わせ

複合読みで安全度アップ

ワンチャンスも、スジと合わせ技で使うことができます。

具体例

  • A 河に:2p:が切られている → :2p::5p:のリャンメン待ちでは当たらない
  • B :6p::7p:が3枚見えている → :5p::8p:のリャンメン待ちで当たるのはワンチャンス

となり、:5p:の安全度が少し高いと読めるのです。

ワンチャンスの限界と注意点

安全牌ではない

ただ、当然ながらワンチャンスは、安全牌ではありません

以下の点に注意が必要です:

  1. リャンメン待ちで当たる可能性は残っている
  2. カンチャン・ペンチャン・タンキ・シャンポンにも当たる
  3. 3枚見えの1枚を相手が持っている可能性がある

終盤での安全度低下

特に終盤、リーチに対して多くの牌が既に通っており、当たりうる牌の種類が減っている状態だと、ワンチャンスの安全度は下がります

例えば、リーチ者の待ちが2種類程度に絞られている状況で、ワンチャンスの牌がその待ちに含まれる確率は高くなります。

具体例:終盤の危険性

15巡目のリーチに対して
・既に通っている牌:20種類以上
・残りの危険牌:数種類のみ
→ ワンチャンスでも当たる確率が高くなる

メンタル面での心構え

振り込んでもイライラしない

あくまでリャンメン待ちには当たらない(当たりにくい)というだけで、当たる恐れはあるからです。

スジやノーチャンス、ワンチャンスで放銃しても、イライラしたり焦るのは禁物です。

学習の機会として捉える

振り込んでしまった時は「安全な牌のはずなのに…。ぐぬぬ」と悔しがるのではなく、貴重な学習例があらわれたと考えて、「このケースでは、ワンチャンスでも当たるのだな」と学んで、次に生かしていきましょう。

麻雀に限らず、イライラしてその後うまくいくことはありませんので…。

中級者以上の裏技

逆手に取る攻撃

中級者以上だと、スジやワンチャンスを利用して、他家からのアガリを狙うケースもあります。

具体例

  • :3m:が3枚見えている状態で、:1m::2m:待ちのリーチをかける
  • 相手が「ワンチャンスだから大丈夫」と思って切ってくる可能性を狙う

スジやワンチャンスは、多くの人が頼りにするメジャーな情報なので、逆手にとる攻撃も当然あるのですね。

ワンチャンスの実践的な使い方

段階的な判断

ワンチャンスを使った押し引き判断は、以下のように段階的に考えます:

安全度状態判断
現物・スジ+ノーチャンス切る
中高スジ単体・ノーチャンス単体状況次第で切る
ワンチャンス点数状況と巡目で判断
中低ワンチャンス+スジ微妙なライン
無筋の中張牌基本オリる

判断基準の例

前に出る判断

  • 自分がテンパイで高打点
  • 点数状況的に必要
  • 巡目が早い(10巡目以前)
  • ワンチャンス+スジの複合

オリる判断

  • 自分が1シャンテン以下
  • 相手のリーチが強そう
  • 終盤(15巡目以降)
  • ワンチャンス単体で他の情報がない

関連用語

まとめ

ワンチャンスは、ある牌が3枚見えている状態を指し、完全な安全牌ではありませんが、何の情報もない危険牌よりは安全度が高いと判断できます。

特に押し引きの判断で活用でき、スジと組み合わせることでより精度の高い読みが可能になります。

ただし、終盤では安全度が下がることを忘れずに、状況に応じた適切な判断を心がけましょう。

振り込んでも学習の機会と捉え、次に生かしていくことが大切です。

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