「また符計算かよ…」
雀荘で友人に教わりながら麻雀を覚えたあなたは、きっとこんな気持ちになったことがあるでしょう。アガった瞬間の爽快感も束の間、「えーっと、これは何符だっけ?」と頭を抱える。そんな経験、ありませんか?
でも大丈夫。符計算は確かに麻雀の鬼門ですが、実はそんなに恐ろしいものではないんです。今日は、そんな符計算の世界を一緒に冒険してみましょう。
まずは早見表で安心感を
「とにかく今すぐ知りたい!」というせっかちなあなたのために、まずは早見表をどうぞ。お守り代わりに持っておいてください。
| 要素 | 条件 | 符数 |
|---|---|---|
| ①副底 | 必ずもらえる基本符 | 20符 |
| ②アガリ方 | ツモ | 2符 |
| 門前ロン | 10符 | |
| ロン(鳴き) | 0符 | |
| ④雀頭 | 役牌 | 2符 |
| 役牌以外 | 0符 | |
| ⑤待ち方 | 単騎、ノベタン | 2符 |
| ペンチャン、カンチャン | 2符 | |
| 両面、シャンポン | 0符 |
面子の符
| 面子の種類 | 中張牌(2~8) | 么九牌(字牌・1・9) |
|---|---|---|
| 順子 | 0符 | 0符 |
| 明刻 | 2符 | 4符 |
| 暗刻 | 4符 | 8符 |
| 明槓 | 8符 | 16符 |
| 暗槓 | 16符 | 32符 |
計算式:①+②+③+④+⑤=合計符 ※1の位は切り上げ(32符→40符)
| 特別ルール | ピンフツモ | 七対子 |
|---|---|---|
| 一律20符 | 一律25符 |
麻雀の点数は翻と符の恋愛関係?
符計算を理解するには、まず麻雀の点数システムを知る必要があります。麻雀の点数は「翻(ハン)」と「符(フ)」という2つの要素が織りなすラブストーリーなんです。
**翻(ハン)**は華やかな主人公。リーチ、タンヤオ、役満など、派手な役たちが翻数を決めます。ドラも翻に加わって、まさに麻雀の花形です。
**符(フ)**は地味だけど重要な脇役。面子の形やアガり方によって静かに点数を支えています。主人公ほど目立ちませんが、符がいないと点数計算は成り立ちません。
この2人が手を組むと、こんな魔法の計算式が生まれます:
子アガりの場合
符 × 4 × 2の(翻数+2)乗
親アガりの場合
符 × 6 × 2の(翻数+2)乗
例えば、子で2翻30符の場合: 30 × 4 × 2の4乗 = 30 × 4 × 16 = 1,920点
麻雀では10の位は切り上げなので、2,000点になります。
「えっ、この計算を暗算で?」
心配無用です。プロの雀士でも、みんな点数表を見たり暗記したりしています。でも、符計算だけは自分でやらなければなりません。だからこそ、符計算をマスターすることが麻雀上達の第一歩なんです。
符計算の5つの仲間たち
符計算には、5つの頼もしい仲間がいます。それぞれに個性があって、覚えてしまえば可愛いものです。
①副底(フーテイ)- 必ず20符をくれる優しい子
副底は、どんな形でアガっても必ず20符をくれる、麻雀界で最も優しい存在です。「基本符」とも呼ばれ、まさに符計算の土台となってくれます。
「今回はダメだったかも…」なんて落ち込んでいても、副底だけは裏切りません。必ず20符、しっかりと支えてくれるのです。
②アガリ方 - ツモとロンの兄弟
ツモ は控えめな弟で、2符しかくれません。でも自力でアガったご褒美です。
門前ロン は気前のいい兄で、10符もくれます。門前で頑張ったボーナスですね。
鳴いてのロン は…残念ながら0符。鳴いた代償として、符はもらえません。
③面子たち - 個性豊かなグループ
面子の世界は、まるで学校のクラスのよう。それぞれに特徴があります。
中張牌(数牌の2~8)のクラス
- 順子:0符の目立たない子
- 明刻:2符の普通の子
- 暗刻:4符のちょっと頑張り屋
- 明槓:8符の元気な子
- 暗槓:16符のクラスのエース
么九牌(字牌と数牌の1・9)のクラス
中張牌の2倍の符をくれる、ちょっとプレミアムなクラスです。暗槓なんて32符ももらえちゃいます。
④雀頭 - 役牌かどうかで決まるシンプルな子
雀頭は分かりやすい性格の持ち主。役牌なら2符、そうでなければ0符。とてもストレートです。
⑤待ちの形 - 複雑そうで実はシンプル
待ちの形は一見複雑そうですが、実は簡単なルールがあります。
待ち牌が1種類 → 2符
- 単騎、ノベタン、ペンチャン、カンチャン
待ち牌が2種類以上 → 0符
- 両面、シャンポン
「なぜノベタンが2符なの?」と思うかもしれませんが、これは単騎待ちが2つあると考えるからなんです。面白いでしょう?
計算は足し算だけ!
5つの仲間たちの符を全部足して、1の位を切り上げれば完成です。
例:副底20符 + ツモ2符 + 暗刻4符 + 役牌雀頭2符 + 単騎待ち2符 = 30符
符計算界の3つの変わり者
符計算の世界には、通常のルールに従わない変わり者が3人います。
七対子 - 25符で決めつける頑固者
七対子は、他の条件を一切無視して「俺は25符だ!」と主張する頑固者です。アメリカ生まれの国際派で、独自のルールを貫いています。
ピンフツモ - 20符で満足する謙虚者
ピンフは「符が付かない役」がコンセプト。ツモでアガっても謙虚に20符で満足します。
喰いピンフ形 - 30符を要求する計算高い子
ピンフの条件を満たしているのに門前じゃないため、ピンフの役がつかない可哀想な形。でも「最低30符は欲しい」と主張して、ロンでも30符になります。
実戦!符計算道場
理論はここまで。今度は実際に計算してみましょう。東場の東家、リーチなしの設定です。
道場その一








ツモ
さあ、計算してみてください!
答え:40符
- 副底:20符
- ツモ:2符
- 暗刻(
):4符 - 順子(


):0符 - 暗刻(
):4符 - 雀頭(
):0符 - 待ち(カンチャン):2符
- 合計:32符 → 40符
道場その二








ツモ
答え:50符
- 副底:20符
- ツモ:2符
- 暗刻(
):8符(字牌) - 順子(


):0符 - 暗刻(
):8符(么九牌) - 暗刻(
):4符 - 雀頭(
):2符(役牌) - 待ち(単騎):2符
- 合計:46符 → 50符
符計算マスターへの道
符計算は最初こそ複雑に見えますが、慣れてしまえば足し算だけの簡単な作業です。
重要なのは:
- 5つの要素を順番に確認すること
- 特殊ルールの存在を忘れないこと
- 1の位は必ず切り上げること
「トップまであと3,000点なのに、自分の手が何点か分からない…」
そんな悲しい状況を避けるためにも、符計算はしっかりマスターしておきましょう。
あなたも今日から符計算マスターの仲間入りです!雀卓で「符計算なんて余裕だよ」と言えるその日まで、一緒に頑張りましょう。
麻雀は奥が深いゲームですが、符計算ができるようになると、一気に麻雀の世界が広がります。点数を正確に把握できれば、より戦略的な打牌選択ができるようになりますからね。
さあ、今度雀卓に座ったときは、自信を持って符計算にチャレンジしてみてください!