麻雀の待ちの種類完全ガイド:良形・愚形の違いと効率的な待ち方を解説

初心者におすすめ
| 約10分 | ツモロン編集部

麻雀の「待ち」とは

麻雀の**待ち(マチ)**とは、テンパイ状態で上がりに必要な最後の1枚の牌のこと、またはその状態を指します。テンパイとは「後1枚で上がれる状態」のことで、どの牌を待っているかによって、上がりやすさや戦術が大きく変わります。

待ちの種類を理解することは、麻雀の効率的な手作りや、相手の待ち牌を読むために非常に重要です。

良形(リョウケイ)と愚形(グケイ)

待ちは大きく「良形(リョウケイ)」と「愚形(グケイ)」に分類されます。

分類受け入れ枚数特徴代表的な待ち
良形8枚上がりやすい、効率的両面待ち
愚形4枚以下上がりにくい、非効率嵌張・辺張・単騎

良形を作ることが麻雀の基本戦術です。同じテンパイでも、良形と愚形では上がれる確率が約2倍も違います。

基本的な5つの待ちの種類

1. 両面待ち(リャンメン待ち)【良形】

2種類の牌を待つ最も効率的な待ち

特徴

  • 受け入れ枚数:8枚(2種×4枚)
  • 効率:★★★★★(最高)
  • 平和の条件:両面待ちが必須

手牌の形待ち牌
:2m::3m::1m::4m:
:4p::5p::3p::6p:
:6s::7s::5s::8s:

実際の形

完成例::1m::2m::3m: :5p::6p::7p: :2s::3s::4s: :1z::1z::1z: :6s::7s:
待ち牌::5s::8s:(8枚の受け入れ)

ポイント

  • 最も基本的で強力な待ち
  • 23〜78の形で成立(12や89は両面にならない)
  • 平和を狙う場合は必須の待ち

詳しくは:両面待ち(リャンメン待ち)とは?


2. 嵌張待ち(カンチャン待ち)【愚形】

連続する数字の間の1枚を待つ待ち

特徴

  • 受け入れ枚数:4枚(1種×4枚)
  • 効率:★★☆☆☆
  • 通称:「カン」「カンチャン」

手牌の形待ち牌説明
:1m::3m::2m:1と3の間の2を待つ
:4p::6p::5p:4と6の間の5を待つ
:7s::9s::8s:7と9の間の8を待つ

実際の形

完成例::1m::2m::3m: :5p::6p::7p: :2s::3s::4s: :1z::1z::1z: :4m::6m:
待ち牌::5m:(4枚の受け入れ)

ポイント

  • 両面待ちの半分の効率
  • 「挟む」形から「嵌る(カンる)」と呼ばれる
  • できるだけ両面に変化させたい

詳しくは:嵌張待ち(カンチャン待ち)とは?


3. 辺張待ち(ペンチャン待ち)【愚形】

12や89の端の形で3や7を待つ待ち

特徴

  • 受け入れ枚数:4枚(1種×4枚)
  • 効率:★★☆☆☆
  • 通称:「ペン」「ペンチャン」

手牌の形待ち牌説明
:1m::2m::3m:12の端の3を待つ
:8p::9p::7p:89の端の7を待つ

実際の形

完成例::1m::2m::3m: :5p::6p::7p: :2s::3s::4s: :1z::1z::1z: :8m::9m:
待ち牌::7m:(4枚の受け入れ)

ポイント

  • 12→3待ち、89→7待ちのみ成立
  • 23→1待ち、78→9待ちは辺張ではなく両面待ち
  • 端牌(1・9)を使うため作りやすいが効率は悪い

詳しくは:辺張待ち(ペンチャン待ち)とは?


4. シャンポン待ち(双碰待ち)【愚形】

2つの対子から、どちらかを刻子にするための待ち

特徴

  • 受け入れ枚数:通常4枚(2種×2枚)
  • 効率:★★☆☆☆
  • 特殊性:刻子を作る待ち

手牌の形待ち牌
:2m::2m::5m::5m::2m::5m:
:3p::3p::7p::7p::3p::7p:
:1z::1z::5z::5z::1z::5z:

実際の形

完成例::1m::2m::3m: :5p::6p::7p: :2s::3s::4s: :4m::4m: :7m::7m:
待ち牌::4m::7m:(通常4枚の受け入れ)

ポイント

  • 2つの対子のどちらかを刻子にする
  • 場に出ている枚数で実質的な受け入れが変わる
  • 対々和や役牌との相性が良い

詳しくは:シャンポン待ち(双碰待ち)とは?


5. 単騎待ち(タンキ待ち)【愚形】

雀頭となる1枚を待つ待ち

特徴

  • 受け入れ枚数:最大3枚(1種×3枚)
  • 効率:★☆☆☆☆(最低)
  • 読まれにくさ:★★★★★

手牌の形待ち牌
4面子完成+:5m:1枚:5m:
4面子完成+:1z:1枚:1z:

実際の形

完成例::1m::2m::3m: :5p::6p::7p: :2s::3s::4s: :1z::1z::1z: :4m:
待ち牌::4m:(最大3枚の受け入れ)

ポイント

  • 最も受け入れが少ない待ち
  • 読まれにくいという利点がある
  • 七対子も単騎待ちの一種
  • 待ち牌を変更しやすい

詳しくは:単騎待ち(タンキ待ち)とは?


待ちの種類一覧表

単独待ちの比較

待ちの種類形の例待ち牌受け入れ枚数効率評価分類
両面待ち:3m::4m::2m::5m:8枚★★★★★良形
嵌張待ち:3m::5m::4m:4枚★★☆☆☆愚形
辺張待ち:1m::2m::3m:4枚★★☆☆☆愚形
シャンポン待ち:3m::3m: :5m::5m::3m::5m:4枚★★☆☆☆愚形
単騎待ち:5m:1枚:5m:3枚★☆☆☆☆愚形

多面待ち(複合待ち)

複数の待ちが組み合わさった形を**多面待ち(タメンマチ)**と呼びます。受け入れ枚数が増えるため、より上がりやすくなります。

二面待ち

2種類の牌を待つ形

両面・両面

手牌::2m::3m::4m::5m:
待ち::1m::4m::6m:(実質3種だが、間の形で2つの両面)

両面・嵌張

手牌::2m::3m::4m::6m:
待ち::1m::4m::5m:

三面待ち

3種類の牌を待つ形

手牌::2m::3m::4m::5m::6m:
待ち::1m::4m::7m:(両面+嵌張+両面)
受け入れ:12枚

ノベタン(延べ単騎)

4連形から両端のどちらかを雀頭にする特殊な待ち

手牌::1m::2m::3m::4m:
待ち::1m::4m:(2種類の単騎待ち)
受け入れ:6枚(3枚+3枚)

見た目は両面のようですが、実は単騎待ちの複合形です。

待ちの選択と手作りのコツ

1. 良形を目指す基本原則

麻雀の手作りの基本は常に良形(両面待ち)を目指すことです。

悪い例(愚形テンパイ優先)

:1m::2m::3m: :5p::6p::7p: :2s::4s::4s::5s: :1z::1z::1z: :8m::3s:を捨てて:2s::4s: :4s::5s:の形で:3s:嵌張待ち(悪手)

良い例(良形変化を残す)

:1m::2m::3m: :5p::6p::7p: :2s::4s::4s::5s: :1z::1z::1z: :8m::8m:を捨てて:2s::3s::4s: :4s::5s:の形を維持(良手)
→ :3s:引きで:2s::3s::4s::5s:の良形変化を待つ

2. シャンテン数と待ちの関係

状態説明待ちとの関係
3シャンテン以上まだ形を作る段階両面塔子を多く作る
2シャンテン面子候補を作る良形変化を意識
1シャンテンテンパイの一歩手前良形テンパイを狙う
テンパイ後1枚で上がり待ちの形が確定

3. 場況による待ちの選択

攻撃的な場面

  • 両面待ち優先:速度重視
  • 多面待ち:受け入れ最大化
  • ドラ待ち:打点重視

守備的な場面

  • 安全牌での単騎待ち:オリながら上がりも狙う
  • 壁を利用した待ち:出やすい牌を選ぶ
  • スジを避けた待ち:危険牌回避

待ちを見抜く技術

相手の待ちを読む

スジ理論の基本

相手が:4m:を捨てた場合、両面待ちなら:1m::7m:は安全(スジ)

捨て牌安全なスジ
:1m::4m::7m:
:2m::5m::8m:
:3m::6m::9m:
:4m::1m::7m:
:5m::2m::8m:
:6m::3m::9m:

形から読む

  • 序盤で安全牌を切らない:その牌の待ちの可能性低
  • 後半での字牌切り:単騎待ちの可能性
  • 対子を残す動き:シャンポン待ちやトイトイ狙い

役と待ちの関係

平和(ピンフ)

  • 条件:両面待ちが必須
  • 愚形待ちでは成立しない

七対子(チートイツ)

  • 待ち:必ず単騎待ち
  • 6対子+単騎の形

対々和(トイトイホー)

  • 待ち:シャンポン待ちまたは単騎待ちが多い
  • 両面待ちとは相性が悪い

国士無双

  • 待ち:13面待ちまたは単騎待ち
  • 特殊な役の特殊な待ち

よくある質問

Q1. 両面待ちと嵌張待ち、どちらを選ぶべき?

A. ほとんどの場合、両面待ちを選ぶべきです。受け入れ枚数が2倍違い、上がれる確率が大きく変わります。

Q2. 単騎待ちでリーチしても良い?

A. 状況によります。単騎待ちは読まれにくいという利点がありますが、受け入れが少ないため、良形に変化する可能性があるなら待つべきです。

Q3. 愚形テンパイと1シャンテン、どちらが良い?

A. 基本的には良形変化があるなら1シャンテンで待ちます。ただし、点数状況や残りツモ数によって判断が変わります。

Q4. 多面待ちの数え方は?

A. 待ち牌の種類の数です。:1m::4m::7m:を待つなら「三面待ち」、:2m::5m:を待つなら「二面待ち(両面待ち)」です。

初心者が覚えるべき3つのポイント

1. 両面待ちを最優先

  • テンパイを急がず、良形を作ることを意識
  • 愚形テンパイより1シャンテンの両面変化

2. 12と89は辺張待ち

  • :1m::2m::3m:待ちは辺張(4枚)
  • :2m::3m::1m::4m:待ちは両面(8枚)
  • この違いを理解する

3. 待ちの枚数を数える

  • 良形:8枚
  • 愚形:4枚以下
  • この差が勝率に直結

実践練習問題

問題1:基本の待ち判定

手牌::1m::2m::3m: :4p::5p::6p: :7s::8s::9s: :2z::2z::2z: :5m::6m:

Q. 何待ち?受け入れ枚数は?

答えを見る

A. :4m::7m:の両面待ち、受け入れ8枚

問題2:複合待ち

手牌::1m::2m::3m: :4p::5p::6p: :7s::8s::9s: :3m::4m::6m: :5z::5z:

Q. 何待ち?受け入れ枚数は?

答えを見る

A. :2m::5m::7m:の三面待ち(両面+嵌張+両面)、受け入れ12枚

問題3:待ち選択

手牌::1m::2m::3m: :4p::5p::6p: :2s::3s::5s::6s: :1z::1z::1z: :8m:

Q. :4s:を引いた。どう処理する?

答えを見る

A.

  • 選択肢1::8m:切りで:2s::3s::4s: :5s::6s:形、:4s::7s:両面待ち(推奨)
  • 選択肢2::5s:切りで:2s::3s::4s::6s:形、:5s:嵌張待ち(非推奨)

両面待ちを選ぶべき。

まとめ

待ちの種類を理解することは、麻雀の手作りにおいて最も重要な知識の一つです。特に以下の点を押さえましょう:

  1. 良形(両面待ち)が基本:8枚の受け入れで上がりやすい
  2. 愚形は避ける:受け入れが半分以下になる
  3. 多面待ちを作る:複数の待ちで受け入れを増やす
  4. 場況で待ちを選ぶ:攻めと守りで使い分け
  5. 相手の待ちを読む:スジや形から推測

まずは両面待ちを作ることを意識し、慣れてきたら多面待ちや状況に応じた待ちの選択ができるようになりましょう。待ちを理解することで、あなたの麻雀は確実に強くなります!

この記事をシェア