端牌(ハジハイ)とは
端牌(ハジハイ) とは、麻雀の数牌(萬子・筒子・索子)の1と9の牌を指す用語です。「端」という名の通り、各数牌の両端に位置する牌で、「老頭牌(ロウトウハイ)」とも呼ばれます。中張牌(2〜8)と比べて使いづらい反面、比較的安全な牌として守備に活用されます。
端牌は断么九(タンヤオ)では使えませんが、混全帯么九(チャンタ)や純全帯么九(ジュンチャン)、混老頭(ホンロウトウ)などの役で重要な役割を果たします。
端牌の詳細解説
端牌の種類
6種類の端牌:
| 種類 | 牌 | 読み方 | 枚数 |
|---|---|---|---|
| 萬子 | 1萬 | イーワン | 4枚 |
| 萬子 | 9萬 | キューワン | 4枚 |
| 筒子 | 1筒 | イーピン | 4枚 |
| 筒子 | 9筒 | キューピン | 4枚 |
| 索子 | 1索 | イーソー | 4枚 |
| 索子 | 9索 | キューソー | 4枚 |
端牌の特徴
中張牌との違い:
| 特徴 | 端牌(1・9) | 中張牌(2〜8) |
|---|---|---|
| 順子の作りやすさ | 1方向のみ | 両方向可能 |
| 安全度 | 比較的高い | 状況による |
| タンヤオ | 使用不可 | 使用可能 |
| 特殊役 | 必要な役多い | 不要な役多い |
使用例
実際の場面での使い方
例1:守備での使用
「端牌から切る」
「1・9は比較的安全」
例2:役作りでの表現
「端牌を残してチャンタ狙い」
「端牌が多すぎてタンヤオ無理」
例3:安全度の判断
「端牌なら通りそう」
「生牌の端牌は危険」
端牌の戦略的価値
攻撃面での価値
端牌を使う役:
| 役名 | 必要性 | 使い方 |
|---|---|---|
| 混全帯么九 | 必須 | すべての面子と雀頭に |
| 純全帯么九 | 必須 | すべての面子と雀頭に |
| 混老頭 | 必須 | 端牌+字牌のみ |
| 清老頭 | 必須 | 端牌のみで構成 |
| 国士無双 | 必須 | 各1枚必要 |
守備面での価値
安全度の理由:
-
順子になりにくい
- 123か789のみ
- 待ちが限定的
-
早めに切られる
- 不要になりやすい
- 序盤に出やすい
-
タンヤオ狙いなら不要
- 多くの人が切る
- 需要が低い
関連用語
- 老頭牌(ロウトウハイ):端牌の別名
- 么九牌(ヤオチューハイ):端牌+字牌
- 中張牌(チュンチャンパイ):2〜8の数牌
- 断么九(タンヤオ):端牌を使わない役
- 混全帯么九(チャンタ):端牌を使う役
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
過信は禁物
- 生牌は危険
- 状況を見極める
-
早切りしすぎ
- チャンタの可能性
- 後で必要かも
-
字牌との混同
- 端牌は数牌のみ
- 字牌は別カテゴリー
-
安全度の誤解
- 絶対安全ではない
- リーチには注意
端牌の使い方
序盤での扱い
基本的な考え方:
配牌時の判断:
1. タンヤオ系 → 端牌は早めに切る
2. チャンタ系 → 端牌を大切に残す
3. 普通の手 → 孤立した端牌から切る
中盤以降の扱い
状況別の判断:
| 状況 | 端牌の扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 自分がテンパイ | 不要なら切る | 攻撃優先 |
| 相手がリーチ | 現物以外慎重に | 安全第一 |
| オリる時 | 端牌を活用 | 比較的安全 |
端牌の安全度
筋の考え方
端牌に関する筋:
1が切られている → 4は比較的安全(1-4-7の筋)
9が切られている → 6は比較的安全(3-6-9の筋)
ただし:
・両面待ちには効果なし
・過信は禁物
生牌の端牌
危険度の判断:
| 状況 | 危険度 | 理由 |
|---|---|---|
| 序盤の生牌 | 低い | まだ使われていない |
| 中盤の生牌 | 中程度 | 残されている理由あり |
| 終盤の生牌 | 高い | 待ちの可能性 |
端牌を活かす役
混全帯么九(チャンタ)
端牌の重要性:
必要条件:
・すべての面子に端牌か字牌
・雀頭も端牌か字牌
例:123萬 789筒 111索 東東東 99萬
純全帯么九(ジュンチャン)
端牌のみの美しさ:
必要条件:
・すべての面子に端牌(字牌不可)
・雀頭も端牌
例:123萬 789萬 123筒 789筒 11索
端牌の心理戦
捨て牌での読み
端牌から読む情報:
-
早い端牌切り
- タンヤオ系の可能性
- 中張牌が危険
-
端牌を残す
- チャンタ系の可能性
- 染め手の可能性
-
対子落とし
- 端牌の対子切り
- 順子系の手
ブラフとしての活用
相手を惑わす:
- わざと端牌を残す
- タンヤオと見せかける
- 安全牌と思わせる
- 実は待ち牌
特殊な端牌の形
純正端牌待ち
端牌のみの待ち:
例:ペンチャン待ち
手牌:12萬で待ち → 3萬待ち
手牌:89筒で待ち → 7筒待ち
端牌の暗刻
価値の変化:
| 状況 | 価値 | 活用法 |
|---|---|---|
| 序盤 | 低い | 対々和へ |
| チャンタ系 | 高い | 大切に保持 |
| 役牌なし | 微妙 | 状況次第 |
端牌の統計
使用率データ
一般的な傾向:
- 切られる順番:平均3〜5番目
- 最終的な使用率:約40%
- タンヤオ率:約20%の局
- チャンタ系:約5%の局
まとめ
端牌(ハジハイ)は、数牌の1と9を指す用語で、中張牌と比べて使いづらい反面、比較的安全な牌として守備に重宝されます。タンヤオでは使えませんが、チャンタ系の役では必須となり、戦略的な価値があります。初心者の方は、まず「1と9は端牌で、比較的安全」ということを覚え、状況に応じて攻守のバランスを考えながら使いましょう。端牌の扱い方をマスターすることで、攻守両面での麻雀力が向上します。