断幺九(タンヤオ)とは
断幺九(タンヤオ) は、麻雀の基本役の一つで、2〜8の数牌(中張牌/チュンチャンパイ)のみで手牌を構成する1翻役です。正式名称は「断幺九(タンヤオチュー)」で、「幺九牌(ヤオチューハイ=1・9・字牌)を断つ(使わない)」という意味があります。
タンヤオは**出現率約20%**と非常に高く、初心者が最初に覚えるべき役の一つです。門前(メンゼン)でも鳴いても成立するため、スピード重視の局面で特に威力を発揮します。
中張牌(チュンチャンパイ)とは
タンヤオを理解するうえで欠かせないのが**中張牌(チュンチャンパイ)**の概念です。
中張牌の定義
中張牌とは、数牌の2〜8のことです。萬子・筒子・索子それぞれに7種類ずつあり、各4枚で合計84枚です(全136枚中)。
| 種類 | 中張牌 | 枚数 |
|---|---|---|
| 萬子 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | 7種 × 4 = 28枚 |
| 筒子 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | 7種 × 4 = 28枚 |
| 索子 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | 7種 × 4 = 28枚 |
| 合計 | 21種 84枚 |
中張牌の対義語:幺九牌(ヤオチューハイ)
中張牌の対になる概念が幺九牌です。1・9の数牌(老頭牌)と字牌を合わせた牌のグループで、タンヤオでは使えません。
| 種類 | 幺九牌 |
|---|---|
| 老頭牌 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() (1・9の数牌) |
| 字牌 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() (風牌+三元牌) |
中張牌の特徴
中張牌には以下の特徴があります:
- 順子を作りやすい:両側に牌があるため、両面待ちになりやすい
- 守備力が高い:4・5・6あたりは他家も使いたい牌なので、序盤は比較的安全
- 山に残りやすい:全136枚中84枚を占めるため、ツモりやすい
- タンヤオの構成牌:中張牌のみで手を作ればタンヤオが成立する
タンヤオの成立条件
タンヤオの条件は非常にシンプルで、手牌すべてが中張牌(2〜8)であることです。
使える牌・使えない牌
| 種類 | 使える牌(○) | 使えない牌(×) |
|---|---|---|
| 萬子 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() |
| 筒子 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() |
| 索子 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() |
| 字牌 | なし | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
4面子1雀頭のすべてに中張牌のみを使う必要があります。1枚でも幺九牌が含まれていたらタンヤオは成立しません。
タンヤオの手牌例
門前(メンゼン)タンヤオの例
例1:基本的なタンヤオ














4面子すべてが順子で、雀頭も
の対子。すべて中張牌で構成されています。
例2:刻子を含むタンヤオ














と
の刻子を含む形。刻子があってもすべて中張牌ならOKです。
鳴きタンヤオ(食いタン)の例
例3:チーして食いタン
手牌:






チー:

(横向き)
ポン:


鳴いて手を短くしても、すべて中張牌ならタンヤオ成立です。
NGの例
例4:1枚でも幺九牌があるとNG














が含まれているので、

の順子があるこの手はタンヤオ不成立です。
食いタン(鳴きタンヤオ)のルール
食いタンとは
食いタン(喰い断) とは、鳴いて(チー・ポン・明カン)もタンヤオが成立するルールのことです。
| ルール | 説明 | 採用状況 |
|---|---|---|
| 食いタンあり | 鳴いてもタンヤオ成立 | 現在の主流(Mリーグ・天鳳等) |
| 食いタンなし | 門前のみタンヤオ成立 | 一部の雀荘・ローカルルール |
食いタンのメリット
- スピードが速い:鳴くことで手を素早く進められる
- テンパイしやすい:中張牌は場に出やすく、鳴きやすい
- 他家を牽制:早い巡目の仕掛けは他家の手を止める効果がある
食いタンの注意点
- 打点が低い:鳴くとリーチや一盃口と複合できない
- 手牌が短くなる:守備力が落ちる
- ルール確認必須:場所によって食いタンの有無が異なる
タンヤオと複合しやすい役
タンヤオは多くの役と複合でき、打点を伸ばせるのが大きな魅力です。
よく複合する役
| 役名 | 複合頻度 | 門前/鳴き | 合計翻数 |
|---|---|---|---|
| 平和(ピンフ) | 非常に高い | 門前のみ | 2翻 |
| リーチ | 高い | 門前のみ | 2翻 |
| ツモ | 高い | 門前のみ | 2翻 |
| 一盃口 | 中程度 | 門前のみ | 2翻 |
| 三色同順 | 中程度 | 門前/鳴き | 3翻(鳴き2翻) |
| 七対子 | 中程度 | 門前のみ | タンヤオ+3翻 |
代表的な複合形
メンタンピン(門前タンヤオ平和)
タンヤオ(1翻)+ピンフ(1翻)+リーチ(1翻)= 3翻。ここにツモが加われば4翻(満貫)。麻雀で最も基本的かつ実戦的な高打点の形です。
タンヤオ+三色同順














234の三色が完成。タンヤオ(1翻)+三色(2翻)+リーチ(1翻)で4翻以上を狙えます。
複合しない役
以下の役はタンヤオと構造的に矛盾するため、同時に成立しません:
- 混全帯幺九(チャンタ):全面子に幺九牌が必要
- 混老頭:1・9・字牌のみ
- 清老頭:1・9牌のみ
- 役牌:字牌の刻子が必要
- 国士無双:幺九牌13種が必要
タンヤオの狙い方・コツ
配牌での判断基準
配牌を見た時点でタンヤオを狙うかどうかを判断します。
| 中張牌の枚数 | 判断 |
|---|---|
| 10枚以上 | タンヤオ本線で進める |
| 8〜9枚 | タンヤオ寄りだが他の役も視野に |
| 7枚以下 | 無理に狙わない |
手順のコツ
-
序盤:幺九牌・字牌を切る
- 孤立した1・9・字牌から優先的に切る
- ただし安全牌として1枚は残す判断も
-
中盤:形を整える
- 両面ターツ(例:

)を優先して残す - 愚形(ペンチャン・カンチャン)の幺九牌がらみは早めに処理
- 両面ターツ(例:
-
終盤:テンパイを取る
- 門前ならリーチでさらに1翻上乗せ
- 鳴きが有効なら食いタンで速攻
鳴きの判断基準
| 鳴くべき場面 | 鳴かない方がよい場面 |
|---|---|
| 親番で連荘したい | リーチ+ピンフを狙える |
| 点数リードで逃げ切り | 高打点が必要な場面 |
| テンパイまで遠い | 手牌が十分整っている |
| 他家のリーチに対抗 | 守備の手牌を残したい |
タンヤオのメリット・デメリット
メリット
| メリット | 解説 |
|---|---|
| 作りやすい | 全136枚中84枚が中張牌。素材が豊富 |
| 出現率が高い | 約20%の確率で出現する頻出役 |
| 鳴いても成立 | 食いタンありなら門前にこだわらなくてよい |
| 複合しやすい | ピンフ・リーチ・三色・一盃口など多数と複合 |
| スピードが速い | 鳴きを使えば最速のあがりが可能 |
| 食い下がりなし | 鳴いても翻数が下がらない(三色等は下がる) |
デメリット
| デメリット | 解説 |
|---|---|
| 1翻で打点が低い | 食いタンのみだと1000〜2000点程度 |
| 読まれやすい | 1・9・字牌を連打すると他家に察知される |
| ドラが使えないことも | ドラが1・9・字牌の場合、タンヤオとドラを両立できない |
| 守備力の低下 | 鳴くと手牌が短くなり、守りが弱くなる |
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
1・9を含む順子を見落とす


や 

はタンヤオNG- 使える順子は


〜 

の5パターン
-
雀頭の字牌を見落とす
- 面子はすべて中張牌でも、雀頭が字牌だとNG
- 最後まで全牌をチェック
-
赤ドラの勘違い
- 赤5萬・赤5筒・赤5索はタンヤオOK(5は中張牌)
- 赤ドラは「5」の代わりなので問題なし
-
食いタンルールの確認不足
- オンライン麻雀はほぼ食いタンあり
- リアル雀荘では事前にルール確認が必要
関連用語
- 中張牌(チュンチャンパイ):2〜8の数牌
- 幺九牌(ヤオチューハイ):1・9・字牌
- 平和(ピンフ):タンヤオと相性抜群の役
- 食い下がり:鳴くと翻が下がること(タンヤオは下がらない)
- 三色同順:タンヤオと複合しやすい役
まとめ
断幺九(タンヤオ)は、2〜8の中張牌のみで手を作る1翻役です。全136枚中84枚が中張牌なので素材が豊富で作りやすく、出現率は約20%と麻雀で最も頻繁に登場する役の一つです。
食いタン(鳴きタンヤオ)ありのルールでは、鳴いてスピーディにあがれるのも大きな強み。一方、門前で仕上げれば平和・リーチと複合して「メンタンピン」という高打点の形にもなります。
初心者の方は、まず配牌で中張牌の枚数を数える癖をつけましょう。中張牌が多ければタンヤオを本線に据えて、幺九牌を優先的に切っていくだけで自然と手が整います。食いタンのルール確認も忘れずに行いましょう。




(1・9の数牌)





(風牌+三元牌)