翻(ハン)とは
翻(ハン) とは、麻雀において役の価値や大きさを表す単位です。「飜」とも書きます。リーチ、タンヤオ、役牌などの役にはそれぞれ翻数が決められており、和了時の翻数の合計によって基本的な点数が決まります。
1翻から始まり、翻数が増えるごとに点数は飛躍的に上がります。13翻以上は数え役満、役満は翻数に関係なく最高点となります。
翻の詳細解説
翻数による点数の変化(子の場合)
| 翻数 | 呼び方 | 基本点 | 30符ロン |
|---|---|---|---|
| 1翻 | - | 1000点 | 1000点 |
| 2翻 | - | 2000点 | 2000点 |
| 3翻 | - | 4000点 | 3900点 |
| 4翻 | - | 8000点 | 7700点 |
| 5翻 | 満貫 | 8000点 | 8000点 |
| 6-7翻 | 跳満 | 12000点 | 12000点 |
| 8-10翻 | 倍満 | 16000点 | 16000点 |
| 11-12翻 | 三倍満 | 24000点 | 24000点 |
| 13翻以上 | 数え役満 | 32000点 | 32000点 |
翻の計算方法
翻数の合計:
1. 役の翻数を確認
2. ドラの枚数を加算
3. 全て合計する
例:リーチ(1) + 一発(1) + タンヤオ(1) + ドラ2 = 5翻
代表的な役と翻数
| 役名 | 翻数 | 鳴き |
|---|---|---|
| リーチ | 1翻 | 不可 |
| 役牌 | 1翻 | 可 |
| タンヤオ | 1翻 | 可※ |
| 平和 | 1翻 | 不可 |
| 一盃口 | 1翻 | 不可 |
| 三色同順 | 2翻 | 可(1翻) |
| 一気通貫 | 2翻 | 可(1翻) |
| 混一色 | 3翻 | 可(2翻) |
| 清一色 | 6翻 | 可(5翻) |
※ルールによる
使用例
実際の場面での使い方
例1:翻数の確認
「何翻?」
「リーチ、ツモ、ドラ1で3翻」
「平和つくから4翻だよ」
例2:点数との関係
「4翻だから満貫」
「あと1翻で跳満だった」
「ドラが乗って5翻、満貫!」
例3:戦略的な会話
「2翻確定だから勝負」
「3翻は欲しいところ」
「1翻しかないから見逃し」
関連用語
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
ドラを役と勘違い
- ドラは翻にはなるが役ではない
- ドラだけでは和了できない
- 必ず役が1つ以上必要
-
鳴きによる翻数減少
- 多くの役が鳴くと1翻減る
- 一部は鳴き不可になる
- 役によって扱いが異なる
-
翻数の数え間違い
- 裏ドラを忘れる
- カンドラを見落とす
- 複合する役を見逃す
-
満貫以上の勘違い
- 5翻以上は符に関係なく固定点
- 4翻40符以上も満貫
- 3翻70符以上も満貫
翻の重要性
麻雀における翻の役割
翻が決定すること:
1. 基本的な点数
- 翻数で大枠が決まる
- 符は補助的要素
2. 戦略の指針
- 何翻狙うか
- リスクとリターン
3. 和了の条件
- 最低1翻必要
- 役なしは和了不可
翻数による戦略の違い
| 翻数 | 戦略 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1-2翻 | 速攻重視 | 安い手でも和了優先 |
| 3-4翻 | バランス型 | 標準的な手作り |
| 5翻以上 | 高打点狙い | 満貫を意識 |
| 役満狙い | 一発逆転 | 極めてハイリスク |
翻を増やす方法
基本的な翻の増やし方
翻を増やすテクニック:
1. 役の複合を狙う
- リーチ+平和+タンヤオ
- 役牌+対々和
2. ドラを集める
- ドラそばを残す
- カンでドラ増加狙い
3. 偶然役を期待
- 一発、ツモ
- 海底、河底
- 嶺上開花
効率的な翻の作り方
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| リーチ | 確実に1翻 | 手牌固定 |
| 役牌 | 鳴いても1翻 | 字牌必要 |
| ドラ | 労せず翻増加 | 運次第 |
| 染め手 | 高翻数 | 難易度高 |
翻に関する戦術
場況による翻の価値
翻の価値が変わる状況:
1. オーラス(最終局)
- 必要な翻数が明確
- 逆転に必要な計算
2. 親番
- 1.5倍なので価値上昇
- 連荘も考慮
3. 点差状況
- トップとの差
- 必要な得点
翻数と和了率のバランス
| 狙い | 和了率 | リスク | 適した場面 |
|---|---|---|---|
| 1-2翻 | 高い | 低い | 序盤、リード時 |
| 3-4翻 | 普通 | 普通 | 中盤、接戦時 |
| 5翻以上 | 低い | 高い | 終盤、ビハインド時 |
特殊な翻の扱い
役満の翻換算
役満の特殊性:
- 通常:翻数計算なし
- 数え役満:13翻以上
- ダブル役満:役満×2
- 地域により扱い異なる
ローカルルールの翻
| ルール | 内容 | 翻数 |
|---|---|---|
| 人和 | 配牌で和了 | 役満or倍満 |
| 流し満貫 | 么九牌のみ捨てる | 満貫扱い |
| 十三不塔 | バラバラ配牌 | 役満 |
翻数早見表の活用
よくある組み合わせ
定番の組み合わせ:
- リーチのみ:1翻
- リーチ・ツモ:2翻
- リーチ・一発・ツモ:3翻
- タンヤオ・平和:2翻
- 役牌・ドラ1:2翻
満貫を作る組み合わせ
| 組み合わせ | 翻数 | 備考 |
|---|---|---|
| リーチ・一発・ツモ・ドラ2 | 5翻 | 定番満貫 |
| タンヤオ・平和・三色 | 4翻 | +ドラ1で満貫 |
| 混一色・役牌 | 4翻 | 鳴いても可 |
| 七対子・ドラ3 | 5翻 | ドラ次第 |
翻の歴史と変遷
時代による変化
翻システムの変遷:
- 古典:地域で異なる
- 統一:ルール標準化
- 現代:ほぼ固定
- 競技:厳密な規定
まとめ
翻は麻雀の役の価値を表す単位で、和了時の点数を決定する最も重要な要素です。最低1翻から始まり、5翻で満貫、それ以上は跳満、倍満と続きます。役の翻数とドラの枚数を合計して計算します。
初心者の方は、まず1翻役(リーチ、役牌、タンヤオなど)を確実に作れるようになることから始めましょう。慣れてきたら2翻、3翻と段階的に高い手を狙えるようになります。翻の理解は麻雀の上達に直結する重要な知識です。