門前清自摸和(メンゼンツモ)とは
門前清自摸和(メンゼンチンツモホー) は、麻雀の基本役の一つで、鳴いていない状態(門前)で自分でツモってあがると成立する1翻役です。一般的に「メンゼンツモ」や単に「ツモ」と呼ばれ、最も基本的で出現頻度の高い役の一つです。
「門前清(鳴いていない清らかな状態)」で「自摸和(自分で引いてあがる)」という意味で、麻雀の基本である「自力であがる」ことを体現した役です。
門前清自摸和の詳細解説
成立条件
| 条件 | 説明 | 備考 |
|---|---|---|
| 門前(メンゼン) | ポン・チー・明カンをしていない | 暗カンはOK |
| 自摸(ツモ) | 自分で引いた牌であがる | ロンでは成立しない |
| あがり形完成 | 通常の4面子1雀頭 | 七対子・国士もOK |
門前の定義
| 行為 | 門前状態 | メンゼンツモ |
|---|---|---|
| ポン | 崩れる | ×不可 |
| チー | 崩れる | ×不可 |
| 明カン | 崩れる | ×不可 |
| 暗カン | 維持 | ○可能 |
| ロン | - | ×成立しない |
呼び方のバリエーション
| 呼び方 | 使用場面 |
|---|---|
| 門前清自摸和 | 正式名称 |
| メンゼンツモ | 一般的な呼び方 |
| ツモ | 最も簡略な呼び方 |
| メンツモ | 略称 |
使用例
実際の場面での使い方
例1:あがりの宣言
「ツモ!」
「メンゼンツモです」
「ツモ、1000・2000」
例2:戦略の判断
「鳴くとツモがなくなるから我慢」
「門前でツモ狙いで行こう」
例3:複合役の説明
「リーチ・ツモ・ドラ1で満貫」
「メンタンピンツモ!」
門前清自摸和の価値
なぜ1翻の価値があるのか
-
自力の証明
- 他人に頼らずあがった
- 実力の証
-
確率の低さ
- ロンより機会が少ない
- 狙った牌を自分で引く
-
門前の維持
- 鳴きの誘惑に勝った
- 戦略的判断の結果
点数への影響
| パターン | ロンの場合 | ツモの場合 | 差 |
|---|---|---|---|
| 役なし | あがれない | 1翻(ツモのみ) | ツモ必須 |
| リーチのみ | 1翻 | 2翻(リーチ・ツモ) | 2倍 |
| リーチ・平和 | 2翻 | 3翻(メンピンツモ) | 1.5倍 |
関連用語
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
鳴いた後のツモ
- 鳴くと門前崩れ
- ツモっても役なし
-
役の数え方
- 「ツモ」だけで1翻
- 他の役と別にカウント
-
暗カンの扱い
- 暗カンは門前維持
- メンゼンツモ可能
-
特殊形での扱い
- 七対子ツモも1翻
- 国士無双ツモも+1翻
戦術的なポイント
メンゼンツモを狙う状況
-
配牌が良い時
- 搭子が多い
- 門前で進められそう
-
リーチと併用
- リーチ・ツモで2翻
- 一発・裏ドラも期待
-
守備的に打つ時
- 鳴くと手が読まれる
- 門前なら選択肢が広い
鳴きとの選択
| 状況 | 門前維持 | 鳴く |
|---|---|---|
| 早あがり重視 | △ | ○ |
| 打点重視 | ○ | △ |
| 親番 | △ | ○ |
| オーラス | 状況次第 | 状況次第 |
よく複合する役
基本的な複合
| 役の組み合わせ | 通称 | 翻数 |
|---|---|---|
| リーチ・ツモ | リーツモ | 2翻 |
| タンヤオ・ツモ | タンツモ | 2翻 |
| 平和・ツモ | ピンツモ | 2翻 |
| リーチ・平和・ツモ | メンピンツモ | 3翻 |
| リーチ・タンヤオ・平和・ツモ | メンタンピンツモ | 4翻 |
ツモと相性の良い役
- リーチ:必ず門前なので相性◎
- 平和:門前限定役なので相性◎
- 一発:リーチ後のツモで複合
- 一盃口:門前限定役
実戦での活用
ツモる確率を上げるコツ
-
良形で待つ
- 両面待ち推奨
- 多面待ちならさらに良い
-
早いテンパイ
- ツモ番が増える
- 確率が上がる
-
山読み
- 場に出ていない牌を狙う
- 生牌を大切に
判断のポイント
門前を維持すべき時:
- 手牌が整っている
- 打点が必要
- 守備も考慮したい
鳴いても良い時:
- 親番で連荘狙い
- 早あがりが必要
- 明確な役がある
まとめ
門前清自摸和(メンゼンツモ)は、麻雀の基本中の基本となる役です。「鳴かずに自分でツモる」というシンプルな条件ながら、門前を維持する判断力と、ツモる運の両方が必要です。初心者の方は、まず「鳴いたらツモっても役にならない」ことを覚え、状況に応じて門前を維持するか鳴くかを判断できるようになりましょう。メンゼンツモは他の役との複合も多く、麻雀の基本戦術を学ぶ上で欠かせない役です。