門前清自摸和(メンゼンツモ)とは
門前清自摸和(メンゼンツモ) とは、麻雀の役の一つで、鳴かずに(門前で)ツモで和了することで成立する1翻役です。略して「ツモ」「メンツモ」とも呼ばれ、最も基本的な役の一つです。
門前(ポン・チー・明カンをしていない状態)を保ったまま、自分でツモった牌で和了することで成立します。ツモ和了の場合、全員から点数をもらえるため、ロン和了よりも総得点が高くなる利点があります。
門前清自摸和の詳細解説
成立条件
門前清自摸和が成立するには、以下の条件を満たす必要があります:
| 条件 | 詳細 | 注意点 |
|---|---|---|
| 門前であること | ポン・チー・明カンなし | 暗カンはOK |
| ツモ和了 | 自分でツモった牌で和了 | ロンは不可 |
| 他の役不要 | これ単体で1翻 | 役なしツモで成立 |
門前の定義
門前とは:
OK(門前を保つ):
- 何も鳴いていない
- 暗カン(自分の手牌4枚)
NG(門前が崩れる):
- ポン
- チー
- 明カン(他人の牌)
使用例
実際の場面での使い方
例1:和了時の宣言
「ツモ!」
「メンゼンツモ」
例2:役の確認
「役なしだけどツモで1翻」
「ツモがあるから和了れる」
例3:戦略的な判断
「ツモ狙いで門前キープ」
「リーチツモで2翻」
門前清自摸和の形
基本形
手牌:123萬 456筒 789索 22東 55索
ツモ牌:5索(暗刻完成)
→ 門前でツモ和了、門前清自摸和成立
役なしツモの例
手牌:234萬 567筒 345索 999索 88筒
ツモ牌:8筒
→ 役がないがツモで1翻成立
関連用語
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
ロン和了との混同
- ロンでは成立しない
- ツモのみ有効
-
鳴いた後のツモ
- ポン・チーした後は無効
- 門前が必須条件
-
暗カンの扱い
- 暗カンは門前を崩さない
- 嶺上開花と複合可能
-
役なしの誤解
- 他に役がなくても成立
- ツモ自体が1翻の役
点数計算の特徴
ツモとロンの点数比較
子の2翻(40符)の場合:
| 和了方法 | 親の支払い | 子の支払い | 総獲得点数 |
|---|---|---|---|
| ツモ | 1300点 | 700点×2 | 2700点 |
| ロン | - | - | 2600点 |
※ツモの方が100点多い
ツモ損・ツモ得
ツモ損:
- 低い点数(30符1翻など)
- ロンの方が得な場合がある
ツモ得:
- 高い点数(満貫以上)
- 親がツモる場合
- 複数の役がある場合
実戦での門前清自摸和
狙うべき状況
積極的にツモを狙う:
-
役が少ない時
- 他に役がない
- ツモで1翻追加
-
親の時
- 親のツモは得
- 全員から多くもらえる
-
リーチ後
- リーチツモで2翻
- 一発やドラとの複合
ロンを選ぶ場合
ツモを待たずロン:
- 点数が安い時
- 早く和了りたい時
- 他家から直接取りたい時
- トップ目の親を叩きたい時
複合しやすい役
よく複合する役
| 役名 | 複合条件 | 合計翻数 |
|---|---|---|
| 立直 | 門前でリーチ | 2翻 |
| 平和 | 門前・良形待ち | 2翻 |
| 断么九 | 中張牌のみ | 2翻 |
| 一盃口 | 同じ順子2組 | 2翻 |
| 嶺上開花 | カン後のツモ | 2翻 |
複合例
リーチ・ツモ・タンヤオ・ドラ1:
手牌:234萬 456筒 567索 345索 55筒
リーチ後、5筒をツモ
→ 4翻(3900点 or 7700点)
門前清自摸和の戦略
門前を保つ判断
門前をキープする理由:
-
ツモで1翻追加
- 役がなくても和了れる
- 打点アップ
-
リーチの可能性
- リーチは門前限定
- 裏ドラの期待
-
平和の可能性
- 平和も門前限定
- 2翻になる
鳴くべき状況
門前を諦めて鳴く:
- 高い役が確定する時
- スピード重視の時
- 防御のため和了りたい時
- ドラが多い時
門前清自摸和の価値
1翻の重要性
1翻追加の効果:
役なし → 和了れない
ツモ1翻 → 和了可能
タンヤオ1翻 → 1000点
ツモ+タンヤオ2翻 → 2000点(2倍)
リーチ1翻 → 1000点
リーチ+ツモ2翻 → 2000点(2倍)
出現率
統計データ:
- 門前でのツモ和了:約40%
- ツモ単独での成立:約5%
- リーチツモの複合:約30%
ツモ和了の心理戦
ツモ和了の効果
相手への影響:
-
全員が支払う
- 1人だけでなく全員から
- 点数の分散
-
リーチ後のプレッシャー
- いつツモられるか不安
- 攻撃を抑制
-
連荘の期待
- 親がツモる
- 場が継続
ローカルルール
ツモ損ルール
一部地域:
- 30符1翻のツモは300-500点
- 実質500点の損
- ロンの方が得
ツモ平和
完全先付けルール:
- 平和のみでツモ不可
- ツモで1翻追加が必要
- 地域により異なる
歴史と文化
門前清自摸和の由来
名称の意味:
- 門前清:何も鳴いていない清い状態
- 自摸和:自分でツモって和了
- 中国麻雀からの伝統的な役
重要性
基本役としての価値:
-
救済役
- 役なしでも和了れる
- 初心者の味方
-
バランス調整
- ツモとロンの差
- ゲーム性の向上
まとめ
門前清自摸和(メンゼンツモ)は、鳴かずにツモで和了することで成立する1翻役です。他に役がなくても、門前でツモれば1翻となり和了できます。ツモ和了は全員から点数をもらえるため、ロンより総得点が高くなる利点があります。初心者の方は、まず「鳴かずにツモで和了れば1翻」という基本を覚え、役がない時でも諦めずに門前を保ってツモを狙うことが大切です。リーチや平和との複合も狙いながら、バランスよく門前と鳴きを使い分けましょう。