平和(ピンフ)とは
平和(ピンフ) は、麻雀の基本役の一つで、符がつかない形で作る1翻役です。「平らな和了」という意味で、最も基本的でシンプルな形でありながら、初心者には少し理解が難しい役でもあります。
門前(鳴かない)で、すべての面子が順子、両面待ち、役のない雀頭という条件を満たすと成立します。出現頻度が高く、他の役と複合しやすいため、麻雀の基本となる重要な役です。
平和の詳細解説
平和の成立条件
平和が成立するには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります:
| 条件 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 門前(メンゼン) | 鳴いていない状態 | ポン・チー・カンをしない |
| 4面子すべて順子 | 刻子や槓子がない | 123萬、456筒、789索など |
| 両面待ち | 両側から待つ形 | 23で14待ち、78で69待ち |
| 役なし雀頭 | 役にならない対子 | 数牌、客風牌(オタ風)など |
平和の例
平和が成立する形:
手牌:123萬 456筒 789索 23索 55筒
待ち:14索(両面待ち)
平和が成立しない例:
| パターン | 理由 | 例 |
|---|---|---|
| 刻子がある | 条件2違反 | 111萬がある |
| 辺張・嵌張待ち | 条件3違反 | 12で3待ち、24で3待ち |
| 役牌の雀頭 | 条件4違反 | 白白、場風牌、自風牌 |
| 鳴いている | 条件1違反 | チーやポンをした |
使用例
実際の場面での使い方
例1:手作りの方針
「順子が多いから平和を狙おう」
「この配牌なら平和・タンヤオの両天秤だな」
例2:待ちの選択
「平和にするために両面待ちを選ぼう」
「カンチャン待ちだと平和にならないから打ち替えよう」
例3:鳴きの判断
「平和が崩れるから鳴かない方がいい」
「平和は諦めて、鳴いて早あがりを目指そう」
平和の覚え方
初心者向けの覚え方
「ピンフは全部スムーズ」と覚える:
- 順子:スムーズに並んだ形(123、456など)
- 両面待ち:スムーズに待てる形(両側から)
- 役なし雀頭:スムーズな対子(特別でない)
- 門前:スムーズに自力で作る
平和のチェックリスト
- ✓ 鳴いていない(門前)
- ✓ 4つの面子がすべて順子
- ✓ 両面待ちである
- ✓ 雀頭が役牌でない
この4つすべてに✓がつけば平和成立!
関連用語
- 門前(メンゼン):鳴かない状態
- 順子(シュンツ):連続する3枚
- 両面待ち(リャンメン):両側から待つ形
- タンヤオ:平和と相性の良い役
- リーチ:平和と複合しやすい役
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
待ちの形を見落とす
- カンチャン待ちやペンチャン待ちは平和にならない
- シャンポン待ちも平和にならない
-
雀頭の制限を忘れる
- 自風牌(東家なら東)は平和にならない
- 場風牌(東場なら東)は平和にならない
- 三元牌(白・發・中)は平和にならない
-
ツモとロンの違い
- ツモの場合:平和・ツモで2翻
- ロンの場合:平和のみで1翻
-
点数計算の特殊性
- 平和は必ず30符になる(ツモの場合は20符)
- 符計算を覚える必要がない
平和と複合する役
よく複合する役
平和の最強形
リーチ・平和・タンヤオ・ツモ(通称:メンタンピンツモ)
- 合計4翻で、出現頻度が高い
- 初心者が目指すべき基本形
戦術的なポイント
平和を狙う場面
-
配牌で順子系が多い時
- 塔子(ターツ)が多い
- 対子が少ない
-
早あがりを目指す時
- 作りやすい基本形
- 他の役との複合も期待できる
-
打点は低くても確実性重視
- 1翻でも確実にあがりたい
- リーチとの複合で打点アップ
平和の注意点
- 必ず門前でなければならない
- 符が低いので、翻数を稼ぐ必要がある
- 待ちが限定されるので読まれやすい
点数計算
平和の点数早見表
| あがり方 | 親 | 子 |
|---|---|---|
| 平和のみロン | 1500点 | 1000点 |
| 平和のみツモ | 700オール | 400-700 |
| 平和タンヤオロン | 3900点 | 2600点 |
| メンタンピンツモ | 2600オール | 1300-2600 |
符計算の特例
平和は特殊で:
- ロンの場合:必ず30符
- ツモの場合:必ず20符
- 他の符は一切つかない
まとめ
平和は「最もシンプルで美しい形」の役です。初心者には4つの条件を覚えるのが大変ですが、一度理解すれば作りやすく、他の役との複合も狙いやすい基本役です。特に「メンタンピン」は麻雀の基本形として、ぜひマスターしたい組み合わせです。平和を理解することは、効率的な手作りの第一歩となるでしょう。