流局(リュウキョク)とは
流局(リュウキョク) とは、麻雀において誰も和了(アガリ)せずに局が終了することを指します。最も一般的なのは山に牌がなくなる「荒牌平局(ファンパイピンキョク)」ですが、特殊な条件で発生する途中流局もあります。
流局は単なる引き分けではなく、テンパイ料のやり取りや親の連荘など、ゲームの流れに大きく影響する重要な要素です。
流局の詳細解説
流局の種類
| 種類 | 条件 | 頻度 |
|---|---|---|
| 荒牌平局 | 王牌14枚を残して山がなくなる | 最も多い |
| 九種九牌 | 配牌時に么九牌9種類以上 | まれ |
| 四風連打 | 1巡目に同じ風牌4枚捨て | 非常にまれ |
| 四槓散了 | 2人以上で合計4つカン | 極めてまれ |
| 四家立直 | 4人全員がリーチ | 超レア |
| 三家和 | 3人同時ロン | ルールによる |
通常の流局(荒牌平局)
荒牌平局の流れ:
1. 王牌14枚を残して山がなくなる
2. 最後の打牌(河底牌)
3. 誰も和了しない
4. テンパイ者の確認
5. 点数のやり取り
6. 親の連荘判定
テンパイ料(ノーテン罰符)
| テンパイ人数 | もらう/払う | 金額 |
|---|---|---|
| 1人 | 3人から1000点ずつ | +3000点 |
| 2人 | 2人から1500点ずつ | +1500点 |
| 3人 | 1人から1000点ずつ | +1000点 |
| 0人/4人 | 変動なし | ±0点 |
使用例
実際の場面での使い方
例1:基本的な使用
「流局になりそう」
「テンパイで流局」
「ノーテンで流局」
例2:戦略的な会話
「流局狙いでベタオリ」
「親の連荘阻止で流局」
「形式テンパイ取る」
例3:特殊流局
「九種九牌で流し」
「四風連打だ!」
「四槓流れになった」
関連用語
- テンパイ:あと1枚で和了の状態
- ノーテン:テンパイしていない状態
- 形式テンパイ:役なしでもテンパイの形
- 王牌(ワンパイ):最後まで使わない14枚
- 海底牌(ハイテイハイ):最後のツモ牌
- 河底牌(ホウテイハイ):最後の捨て牌
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
王牌の扱い
- 14枚は絶対に使わない
- カンしても14枚確保
- 最後の1枚は引けない
-
テンパイの申告
- 手牌を公開する
- 役なしでもテンパイ
- 嘘の申告は反則
-
点数計算
- 供託リーチ棒は次局へ
- テンパイ料は別計算
- 親のテンパイで連荘
-
特殊流局の見落とし
- 九種九牌は選択制
- 四風連打は1巡目のみ
- ルールにより異なる
流局時の手続き
テンパイ確認の流れ
正しい手順:
1. 全員が手牌を伏せる
2. テンパイ宣言
「テンパイ」or「ノーテン」
3. テンパイ者のみ手牌公開
4. 待ち牌の確認
5. 点数の授受
親の連荘条件
| 親の状態 | 結果 | 備考 |
|---|---|---|
| テンパイ | 連荘 | 1本場増加 |
| ノーテン | 親流れ | 次の人へ |
| 全員ノーテン | 連荘 | 地域により異なる |
| 全員テンパイ | 連荘 | 珍しいケース |
流局の戦略
流局を狙う場面
流局狙いが有効な状況:
1. 大差でトップ
- 逃げ切り狙い
- リスク回避
2. 親の連荘阻止
- 南4局の親
- 大物手の気配
3. オーラス微差
- ノーテン罰符で逆転
- 1000点差の攻防
形式テンパイの重要性
| 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 終盤ノーテン | テンパイ取り優先 | 3000点差は大きい |
| 安い手 | 無理せずテンパイ | 1000点より罰符回避 |
| 危険牌多数 | 状況次第 | 振り込みとの天秤 |
特殊流局の詳細
九種九牌(キュウシュキュウハイ)
条件と手続き:
1. 配牌時に么九牌9種類以上
2. 第1ツモ完了前に宣言
3. 鳴きがあれば無効
4. 選択制(続行も可)
5. 親は連荘
四風連打(スーフーレンダ)
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 1巡目 | 最初の巡目のみ |
| 同じ風牌 | 4人が同じ風を捨てる |
| 鳴きなし | 途中で鳴きがあれば無効 |
| 即流局 | 自動的に流局 |
四槓散了(スーカンサンラ)
発生条件:
- 2人以上で合計4回カン
- 5回目のカンは不可
- 即座に流局
- 地域ルールあり
流局時の心理戦
テンパイ宣言の駆け引き
心理的要素:
1. 宣言のタイミング
- 早い=自信あり
- 遅い=迷いあり
2. 声の調子
- 強い=本当にテンパイ
- 弱い=ブラフの可能性
3. 手牌の扱い
- すぐ公開=間違いなし
- 確認=不安あり
流局間際の攻防
| プレイヤータイプ | 行動 | 狙い |
|---|---|---|
| トップ目 | 安全牌のみ | 逃げ切り |
| 2-3位 | バランス型 | 状況次第 |
| ラス目 | 攻撃的 | 一発逆転 |
| 親】 | テンパイ維持 | 連荘狙い |
流局の確率と統計
流局発生率
一般的な流局率:
- 全体:約10-12%
- リーチ者あり:約8%
- 鳴き多数:約15%
- 守備的展開:約20%
テンパイ率
| 巡目 | 平均テンパイ率 |
|---|---|
| 6巡目 | 約15% |
| 12巡目 | 約45% |
| 18巡目 | 約65% |
| 流局時 | 約70% |
地域・ルールによる違い
流局処理の違い
| 項目 | 一般的 | 地域ルール |
|---|---|---|
| 全員ノーテン | 親連荘 | 親流れの場合も |
| 形式テンパイ | 認める | 認めない場合も |
| 途中流局 | 親連荘 | ルールによる |
| 供託 | 次局持越し | 親総取りも |
まとめ
流局は誰も和了せずに局が終わることで、最も多いのは山がなくなる荒牌平局です。テンパイしていれば点数がもらえ、親なら連荘できるため、終盤の形式テンパイ取りは重要な技術です。
初心者の方は、まず「王牌14枚は使わない」「テンパイなら手牌を公開」という基本ルールを覚えましょう。流局間際の駆け引きは麻雀の醍醐味の一つ。安い手でも形式テンパイを取るか、リスクを冒して高い手を狙うか、状況判断が勝負を分けます。