テンパイ(聴牌)とは
テンパイ(聴牌) とは、麻雀においてあと1枚特定の牌が来ればあがれる状態のことを指します。13枚の手牌のうち、4面子(メンツ)と1雀頭(ジャントウ)がほぼ完成しており、最後の1枚=あがり牌を待っている状態です。
テンパイは漢字で「聴牌」と書き、「牌の音を聴く」という意味があります。あがりまであと一歩という緊張感のある状態を表す言葉です。
麻雀では手牌の進行度合いを**向聴数(シャンテンスウ)**で表します。テンパイは向聴数0、つまり最もあがりに近い状態です。
向聴数と手の進み具合:
3向聴 → あと3枚必要
2向聴 → あと2枚必要
1向聴(イーシャンテン) → あと1枚でテンパイ
0向聴(テンパイ) → あと1枚であがり!
🧮 シャンテン計算機を試す — 手牌を入れるとテンパイ判定+待ち牌も自動表示します。
テンパイの基本形
通常のテンパイは、以下のように4面子1雀頭の完成まで残り1枚の形です。
パターン1:面子が足りない形
3面子+1雀頭が完成し、最後の面子を完成させる牌を待つテンパイです。最も一般的な形で、両面待ち・嵌張待ち・辺張待ちがこれに該当します。
例:両面待ちテンパイ









→
か
が来れば完成(

または 

の順子)
パターン2:雀頭が足りない形
4面子が完成し、雀頭となる牌を待つテンパイです。これが単騎待ちに該当します。
例:単騎待ちテンパイ









→
がもう1枚来れば雀頭完成
特殊なテンパイ形
- 七対子(チートイツ):6つの対子が完成し、最後の1枚を待つ
- 国士無双:13種の么九牌のうち12種が揃い、最後の1種を待つ
待ちの5種類
テンパイの形は、どんな形であがり牌を待つかによって5種類に分類されます。待ちの種類によって、あがれる確率や受け入れ枚数が大きく変わります。
1. 両面待ち(リャンメンマチ)
順子になる手前の連続する2枚の牌で、両端の牌を待つ形です。待ち牌が2種類あるため、最も有利な待ちです。

→
待ち(最大8枚)









→
か
が来れば順子完成(受け入れ最大8枚)
ポイント:両面待ちは受け入れ枚数が最も多く、麻雀で最も基本的かつ有利な待ちです。テンパイの形を選べるなら、両面待ちを目指しましょう。
2. 嵌張待ち(カンチャンマチ)
連続する3枚のうち真ん中の牌が抜けた形で、間の1枚を待つ形です。

→
待ち(最大4枚)









→
が来れば順子完成(受け入れ最大4枚)
ポイント:受け入れは4枚と少ないですが、相手から読まれにくいメリットもあります。
3. 辺張待ち(ペンチャンマチ)
端の2枚(12または89) で、端の1枚を待つ形です。

→
待ち(最大4枚)

→
待ち(最大4枚)









→
が来れば順子完成(受け入れ最大4枚)
ポイント:受け入れが4枚と狭い上、将来の手変わりもないため最も不利な待ちです。早めに解消して両面に変えたいところです。
4. 双碰待ち(シャンポンマチ)
2つの対子(同じ牌2枚ずつ) のどちらか一方が刻子になるのを待つ形です。


→
待ち(最大4枚)









→
か
が来ればどちらかが刻子に(受け入れ最大4枚)
ポイント:2種類の牌を待てますが、各2枚ずつなので合計受け入れは最大4枚です。ロンの場合、あがった牌が刻子になり、もう一方が雀頭になります。
5. 単騎待ち(タンキマチ)
4面子が完成し、雀頭の相方1枚を待つ形です。
→
待ち(最大3枚)









→
がもう1枚来れば雀頭完成(受け入れ最大3枚)
ポイント:手牌に1枚使っているため、最大でも残り3枚しかありません。ただし字牌の単騎は読まれにくく、意外と和了しやすいこともあります。
待ちの比較表
| 待ちの種類 | 待ち牌の種類 | 最大受け入れ | 有利度 | 別名 |
|---|---|---|---|---|
| 両面待ち | 2種類 | 8枚 | ★★★★★ | 良形 |
| 嵌張待ち | 1種類 | 4枚 | ★★★☆☆ | 愚形 |
| 辺張待ち | 1種類 | 4枚 | ★★☆☆☆ | 愚形 |
| 双碰待ち | 2種類 | 4枚 | ★★★☆☆ | - |
| 単騎待ち | 1種類 | 3枚 | ★★☆☆☆ | 愚形 |
両面待ち以外の待ちは一般的に**愚形(グケイ)**と呼ばれ、あがりにくい待ちとされます。
多面待ち
待ち牌が3種類以上ある形を**多面待ち(タメンマチ)**と呼びます。手牌の組み合わせによっては、非常に多くの待ちが生まれることがあります。
代表的な多面待ち
3面待ち(サンメンマチ)




→
待ち
連続する5枚の数牌は3面待ちになります。受け入れ最大12枚の強力な待ちです。
ノベタン(延べ単騎)



→
待ち(単騎待ちの変形)
連続する4枚の数牌は、両端が単騎待ちになります。例えば
が来れば
が雀頭・

が順子、
が来れば 

が順子・
が雀頭になります。
その他の多面待ち
2223456 → 1・4・7・8待ち(4面待ち)
1112345 → 2・3・5・6待ち(4面待ち)
テンパイしたらどうする? ― リーチ・ダマテン・ヤミテン
テンパイしたあと、リーチをかけるか、黙ってテンパイを維持するかは麻雀の重要な判断ポイントです。
リーチ(立直)
テンパイを宣言して1,000点の供託を出す行為です。リーチそのものが1翻の役になり、一発や裏ドラのチャンスも加わるため打点が大きく上がります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| リーチだけで1翻の役確定 | 1,000点の供託が必要 |
| 一発・裏ドラで打点UP | 手牌を変えられない |
| 相手にプレッシャーを与える | 降りることができない |
リーチした方がいい場面:
- 門前(メンゼン)で両面待ちテンパイ
- ドラがあり、打点を上げたい
- 序盤〜中盤でまだ巡目に余裕がある
- 他に役がない場合(リーチで役を確定させる)
ダマテン(黙聴)/ ヤミテン
リーチをかけずにテンパイを維持する打ち方です。「ダマテン」と「ヤミテン」はほぼ同じ意味で使われます。
ダマテンにした方がいい場面:
- すでに役があり、あがれば十分な打点がある
- 待ちが悪く(愚形)、あがれるか不安
- 終盤で振り込みたくない(降りに転じる余地を残す)
- 手変わりで待ちが良くなりそう
- 他家のリーチに対して安全に立ち回りたい
リーチ判断のまとめ
| 判断基準 | リーチ向き | ダマテン向き |
|---|---|---|
| 待ちの形 | 両面(良形) | 愚形(カンチャン・ペンチャン等) |
| 打点 | 低い(リーチで補う) | すでに高い |
| 巡目 | 序盤〜中盤 | 終盤 |
| 役の有無 | 役なし(リーチで役確定) | 役あり |
| 場の状況 | 安全 | 他家がテンパイ気配 |
イーシャンテンからテンパイへ
テンパイの一歩手前が**イーシャンテン(一向聴)**です。イーシャンテンの段階で「どの牌を切ればテンパイしやすいか」を考えることが大切です。
イーシャンテンからの変化例
例1:受け入れの広いイーシャンテン








→
のいずれかでテンパイ(4種16枚受け)
が来れば 
が順子に、
が来れば 
が順子になります。
例2:愚形のイーシャンテン








→
のいずれかでテンパイ(2種8枚受け)
嵌張(
)と辺張(
)を抱えているため、受け入れが狭いです。
ポイント:両面ターツ(
や 
など)を多く持つほどテンパイしやすくなります。イーシャンテンの段階で孤立牌や愚形ターツを切り、両面ターツを残すのが効率的です。
形式テンパイ
形式テンパイ(ケイシキテンパイ) とは、形の上ではテンパイしているが、実際にはあがれない状態のことです。
形式テンパイになるケース
| ケース | 説明 | あがれるか |
|---|---|---|
| 待ち牌の枯れ | 待ち牌が全て場に出ている | あがれない |
| フリテン | 自分の河に待ち牌がある | ツモのみ可能 |
| 役なしテンパイ | 形は整っているが成立する役がない | あがれない |
形式テンパイの重要性
形式テンパイでもテンパイ扱いになるため、流局時にノーテン罰符を受けずに済みます。特に終盤では、あがれなくても形式テンパイを維持することが点数を守る上で重要になります。
ノーテン罰符
流局(誰もあがれずに局が終わること)したとき、テンパイしていないプレイヤーは**ノーテン罰符(ノーテンバップ)**を支払います。
ノーテン罰符の金額
| テンパイ人数 | テンパイ者の受け取り | ノーテン者の支払い |
|---|---|---|
| 1人テンパイ | 3,000点 | 1,000点ずつ |
| 2人テンパイ | 1,500点ずつ | 1,500点ずつ |
| 3人テンパイ | 1,000点ずつ | 3,000点 |
| 全員テンパイ | なし | なし |
| 全員ノーテン | なし | なし |
合計すると常に3,000点がテンパイ者に移動します。テンパイしているかどうかだけで点数が動くため、終盤ではあがれなくてもテンパイを目指す(テンパイ取り)ことが重要です。
ノーテン罰符で注意すること
- テンパイ宣言は任意です(テンパイでもノーテンと宣言してもよい)
- 嘘のテンパイ宣言はチョンボになります(手牌を見せて確認する場合がある)
- 親がテンパイなら連荘(レンチャン)、ノーテンなら親流れになるルールが一般的です
テンパイの確認方法
初心者向けチェックポイント
テンパイかどうかを自分で判断するための手順です。
- 完成した面子を数える:順子(シュンツ)・刻子(コーツ)が合計いくつあるか確認
- 雀頭を確認:対子(同じ牌2枚)が1つあるか確認
- 残りの形を見る:ターツ(塔子)や対子の形がどれか確認
- 待ち牌を特定:何が来れば4面子1雀頭が完成するか確認
確認の例:
手牌 → 123萬 456筒 789索 東東 45索
面子:123萬 456筒 789索 → 3つ完成
雀頭:東東 → あり
残り:45索 → 両面ターツ
待ち牌:3索か6索 → 両面待ちテンパイ!
よくあるテンパイの形








→
待ち(両面)








→
待ち(シャンポン)








→
待ち(カンチャン)
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
テンパイ=あがれるとは限らない
- 役がない状態でもテンパイ自体は成立します
- ただし、役がなければあがることはできません(リーチをかけて役を作るか、手を変えましょう)
-
フリテンを見落とす
- 自分の捨て牌に待ち牌があるとフリテンです
- フリテンでもテンパイですが、ロンあがりができません(ツモのみ可能)
-
待ちの見落とし
- 複雑な形では待ち牌を数え間違えることがあります
- 特に多面待ちは注意が必要です
- 慣れないうちは1枚ずつ抜いて確認してみましょう
-
チョンボに注意
- テンパイしていないのにリーチをかけるとチョンボ(反則)になります
- ノーテンなのにテンパイと宣言するのもチョンボです
テンパイを早くする技術
効率的な手作りの基本
- 両面ターツを大切に:

、
、
のような形は良形テンパイに直結します - 孤立牌から切る:
、
、字牌など関連する牌が少ないものから優先的に切りましょう - 5ブロック理論:手牌を4面子+1雀頭の5ブロックで考え、6ブロック以上あれば弱い部分を切り落とします
- 安全度も考慮:いくら早いテンパイでも、振り込んでしまっては元も子もありません
まとめ
テンパイは麻雀の勝負どころであり、ゲームが最も盛り上がる瞬間です。まずは**5種類の待ち(両面・嵌張・辺張・シャンポン・単騎)**を覚え、自分の手牌がテンパイかどうかを正確に判断できるようになりましょう。
テンパイしたあとは、リーチするかダマテンにするかの判断も重要です。場の状況や待ちの形、打点を総合的に考えて最適な選択をしましょう。テンパイの形を理解すれば、効率的な手作りができるようになり、麻雀がさらに楽しくなるでしょう。