小三元(ショウサンゲン)とは
小三元(ショウサンゲン) とは、麻雀において三元牌(白・發・中)のうち2種類を刻子、1種類を雀頭にする役です。大三元の下位役にあたり、比較的作りやすい高得点役として人気があります。
門前でも鳴いても2翻の役で、必ず役牌(白・發・中の刻子で各1翻)と複合するため、実質的に4翻以上が確定します。三元牌を集める楽しさと、確実な高得点が魅力の役です。
小三元の詳細解説
成立条件
小三元が成立するには、以下の条件を満たす必要があります:
| 条件 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 三元牌2刻子 | 白・發・中から2種類の刻子 | 白白白、發發發 |
| 三元牌1雀頭 | 残り1種類を雀頭にする | 中中 |
| 残り2面子は自由 | 順子でも刻子でもOK | 123萬、456筒など |
構成パターン
小三元の3パターン:
| パターン | 刻子 | 雀頭 | 役牌翻数 | 合計翻数 |
|---|---|---|---|---|
| A型 | 白白白・發發發 | 中中 | 2翻 | 4翻 |
| B型 | 白白白・中中中 | 發發 | 2翻 | 4翻 |
| C型 | 發發發・中中中 | 白白 | 2翻 | 4翻 |
門前と鳴きの違い
| 状態 | 小三元の翻数 | 役牌の翻数 | 合計翻数 | 点数例(子) |
|---|---|---|---|---|
| 門前 | 2翻 | 2翻 | 4翻〜 | 満貫8,000点〜 |
| 鳴き | 2翻 | 2翻 | 4翻〜 | 満貫8,000点〜 |
※食い下がりなし
使用例
実際の場面での使い方
例1:役の確認
「白と發ポンして小三元確定」
「中が雀頭で小三元4翻」
例2:大三元との選択
「中が1枚だから小三元狙い」
「中もポンできれば大三元」
例3:戦術的な判断
「小三元でも満貫確定」
「役牌2つで守備も固い」
大三元との違い
比較表
| 項目 | 小三元 | 大三元 |
|---|---|---|
| 三元牌の使い方 | 2刻子+1雀頭 | 3刻子 |
| 翻数 | 2翻(実質4翻〜) | 役満 |
| 難易度 | 中程度 | 非常に高い |
| 出現率 | 約0.2% | 約0.05% |
| 鳴きの影響 | 影響なし | 影響なし |
小三元の特徴
-
確実な高得点
- 最低4翻確定
- 満貫が基本
-
作りやすさ
- 大三元より現実的
- 三元牌2種類でOK
-
鳴いても強い
- 食い下がりなし
- 積極的に鳴ける
関連用語
- 大三元(ダイサンゲン):三元牌3刻子の役満
- 役牌(ヤクハイ):必ず複合する役
- 三元牌(サンゲンパイ):白・發・中
- 対々和(トイトイ):よく複合する役
- 混老頭(ホンロウトウ):複合可能な役
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
翻数の計算
- 小三元2翻+役牌2翻
- 最低4翻になる
-
雀頭の忘れ
- 三元牌の雀頭が必須
- 他の牌では成立しない
-
大三元との混同
- 3刻子は大三元(役満)
- 2刻子+1雀頭が小三元
-
役牌の重複
- 白1翻+發1翻は別計算
- 合計で2翻の役牌
複合する役・しない役
必ず複合する役
| 役名 | 複合条件 | 追加翻数 |
|---|---|---|
| 役牌(ヤクハイ) | 三元牌の刻子2つ | +2翻 |
よく複合する役
| 役名 | 複合条件 | 合計翻数 |
|---|---|---|
| 対々和(トイトイ) | すべて刻子 | 6翻 |
| 混老頭(ホンロウトウ) | 幺九牌のみ | 6翻 |
| 混一色(ホンイツ) | 1色+字牌 | 6翻(鳴き5翻) |
| 三暗刻(サンアンコー) | 暗刻3つ | 6翻 |
複合しない役
- 平和(ピンフ):刻子があるため
- 断幺九(タンヤオ):字牌を使うため
- 純全帯么九(ジュンチャン):字牌を使うため
戦術的なポイント
小三元を狙う場面
-
配牌で三元牌が多い
- 三元牌が5枚以上
- 対子が2つ以上
-
序盤で三元牌が重なる
- 早めに方針決定
- 積極的に鳴く
-
高打点が必要
- 満貫確定は大きい
- 逆転のチャンス
鳴きの判断
積極的に鳴く理由:
- 食い下がりがない
- 役牌で打点確保
- 相手への圧力
鳴くタイミング:
- 1つ目の三元牌 → 即ポン
- 2つ目の三元牌 → 即ポン
- 残りの形を整える
守備面での強み
小三元の守備力:
-
三元牌を抑える
- 相手の役牌を防ぐ
- 大三元を阻止
-
早いあがり
- 鳴いて加速
- 相手の手を止める
-
圧力をかける
- 高打点の威圧感
- 相手の手が縮む
実戦でのコツ
序盤の判断
小三元に向かう目安:
- 三元牌が4枚以上
- 三元牌の対子あり
- 他の役が見えない
大三元との見極め:
- 3種類とも対子 → 大三元狙い
- 1種類が1枚 → 小三元確定
- 状況次第で切り替え
残りの面子
おすすめの構成:
- 順子で受けを広く
- 断幺九系の面子
- ドラを含む面子
避けたい構成:
- 端に寄った面子
- 守備の弱い形
- ドラの対子落とし
点数計算の意識
基本の計算:
- 小三元2翻+役牌2翻=4翻
- ドラやツモで跳満も
- 他役との複合で倍満も
まとめ
小三元は、三元牌を2刻子+1雀頭で使う、実戦的な2翻役です。必ず役牌と複合して4翻以上になるため、満貫が確定する強力な役となります。大三元(役満)よりも作りやすく、鳴いても食い下がりがないのが大きな魅力です。初心者の方は、まず「三元牌2つポン+1つ雀頭」という基本を覚え、配牌で三元牌が多い時は積極的に狙いましょう。守備面でも三元牌を押さえることで相手の手を制限でき、攻守に優れた役といえます。