小四喜(ショウスーシー)とは
小四喜(ショウスーシー) とは、麻雀の役満の一つで、4つの風牌(東・南・西・北)のうち3つを刻子、残り1つを雀頭(対子)にする役です。「四喜和(スーシーホー)」の一種で、大四喜の弟分にあたる役満です。
字牌の中でも風牌をほぼ独占する豪快な役で、鳴いても成立するため、積極的にポンして作ることができます。出現率は約0.0105%と役満の中では中程度の難易度です。
小四喜の詳細解説
成立条件
小四喜が成立するには、以下の条件を満たす必要があります:
| 条件 | 詳細 | 備考 |
|---|---|---|
| 風牌3刻子 | 東南西北のうち3つ | ポン可 |
| 風牌1雀頭 | 残り1つを対子に | 必須 |
| 残り1面子 | 何でもOK | 順子でも刻子でも |
小四喜と大四喜の違い
比較表:
| 項目 | 小四喜 | 大四喜 |
|---|---|---|
| 風牌の刻子 | 3つ | 4つ |
| 風牌の雀頭 | 1つ | なし |
| 難易度 | 役満 | 役満(より困難) |
| 出現率 | 約0.0105% | 約0.0016% |
使用例
実際の場面での使い方
例1:手作り時
「東をポン、小四喜狙い」
「風牌3つ鳴いて小四喜確定」
例2:判断時
「大四喜は厳しいから小四喜狙い」
「北を雀頭にして小四喜」
例3:警戒の表現
「風牌2つ鳴いてる、四喜和警戒」
「風牌は絶対切れない」
小四喜の形
基本形
手牌:東東東 南南南 西西西 北北 456筒
完成形:風牌3刻子+風牌1雀頭+1面子
実戦でよくある形
鳴きを含む形:
ポン:東東東(横向き)南南南(横向き)
手牌:西西西 北北 23索
待ち:1索または4索
関連用語
- 大四喜(ダイスーシー):風牌4刻子の役満
- 風牌(カゼハイ):東南西北の総称
- 役満(ヤクマン):最高得点の役
- 字牌(ジハイ):風牌と三元牌の総称
- 混老頭(ホンロウトウ):複合可能な2翻役
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
大四喜との混同
- 小四喜:3刻子+1雀頭
- 大四喜:4刻子
-
雀頭の忘れ
- 風牌の雀頭が必須
- 他の牌では不可
-
守備の甘さ
- 2つ鳴いたら警戒
- 3つ目を阻止
-
残り面子の自由度
- 何でもOK
- 字牌でなくても良い
小四喜を狙う戦術
配牌での判断
小四喜を狙う目安:
| 風牌の状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 対子3つ以上 | 積極的に狙う | 高い可能性 |
| 対子2つ+他種 | 様子見 | 展開次第 |
| バラバラ | 基本的に狙わない | 確率が低い |
大四喜との選択
判断基準:
風牌4種が揃いそう
→ 大四喜を狙う
1種類が足りない/少ない
→ 小四喜に切り替え
実戦での小四喜
小四喜への道筋
典型的な流れ:
配牌:風牌の対子2〜3つ
↓
序盤:1つ目をポン
↓
中盤:2つ目、3つ目もポン
↓
終盤:雀頭の確保と最後の面子
鳴きの戦略
効果的な鳴き方:
-
序盤から積極的に
- 風牌を独占
- 相手にプレッシャー
-
3つ目まで鳴く
- 小四喜確定
- 残りは雀頭のみ
-
順番を考える
- 出やすい風から
- 場風・自風は後回し
風牌の価値
場における風牌
価値の違い:
| 風牌 | 状況 | 価値 |
|---|---|---|
| 場風 | 東場の東など | 役牌・出にくい |
| 自風 | 親の東など | 役牌・出にくい |
| 客風 | 関係ない風 | 出やすい |
小四喜での活用
戦略的思考:
-
客風から鳴く
- 出やすいうちに
- 確実に確保
-
役牌は温存
- 最後まで隠す
- 雀頭候補にも
-
相手の自風
- 特に狙い目
- 切られやすい
小四喜の確率と価値
出現率
統計データ:
- 小四喜:約0.0105%
- 大四喜:約0.0016%
- 約6.5倍の差
他の役満との比較
難易度順位:
- 四暗刻(約0.049%)
- 大三元(約0.033%)
- 国士無双(約0.043%)
- 小四喜(約0.0105%)
小四喜の心理戦
威圧感の活用
風牌を鳴く効果:
-
圧倒的な存在感
- 字牌の並び
- 四喜和の恐怖
-
相手の手を縛る
- 風牌が使えない
- 戦術の制限
-
守備的にさせる
- 早いオリ
- 安全牌探し
小四喜を隠す
門前で狙う場合:
-
最後まで黙る
- 鳴かずに集める
- 突然の宣言
-
他の手に偽装
- 混一色風
- 普通の手作り
-
終盤一気に
- 連続ポン
- 確定させる
複合役の可能性
よくある複合
高得点になる組み合わせ:
| 複合役 | 条件 | 価値 |
|---|---|---|
| 字一色 | 残り面子も字牌 | ダブル役満 |
| 混老頭 | 自動的に複合 | 追加2翻(意味なし) |
| 三暗刻 | 門前で1面子暗刻 | 追加2翻(意味なし) |
最強の形
字一色との複合:
例:東東東 南南南 西西西 北北 白白白
→ 小四喜+字一色(ダブル役満)
ローカルルール
点数の扱い
地域による違い:
- 一般的:シングル役満
- 一部:ダブル役満扱い
- 要事前確認
大四喜との関係
移行ルール:
- 小四喜から大四喜へ
- 雀頭が刻子になる
- 別の役満として扱う
歴史と文化
四喜和の由来
名前の意味:
- 「四喜」:4つの喜び
- 風牌は方位を表す
- 中国の吉祥思想
風水との関係
方位の意味:
| 風牌 | 方位 | 意味 |
|---|---|---|
| 東 | 東方 | 始まり・春 |
| 南 | 南方 | 繁栄・夏 |
| 西 | 西方 | 収穫・秋 |
| 北 | 北方 | 蓄え・冬 |
小四喜の思い出
達成の感動
小四喜の魅力:
-
見た目の迫力
- 風牌の羅列
- 圧巻の並び
-
達成の現実感
- 大四喜より現実的
- でも役満
-
戦略の勝利
- 鳴きの判断
- 読み合いの結果
まとめ
小四喜(ショウスーシー)は、東南西北の風牌で3つの刻子と1つの雀頭を作る役満です。大四喜より作りやすく、鳴いても成立するため、風牌の対子が多い時は積極的に狙える役満です。初心者の方は、まず「風牌3刻子+風牌1雀頭」という基本形を覚え、配牌で風牌の対子が2つ以上あれば狙いを定めてみましょう。相手が風牌を2つ鳴いたら要警戒です。小四喜は字牌の迫力と達成感を味わえる、素晴らしい役満の一つです。