四暗刻(スーアンコー)とは
四暗刻(スーアンコー) とは、麻雀の役満の一つで、4つの面子すべてを暗刻(自力で作った刻子)で構成する役です。「四暗刻子(スーアンコーツ)」とも呼ばれ、最も出現頻度の高い役満として知られています。
門前で自力ですべての刻子を作る必要があるため、運と実力の両方が要求される役満です。単騎待ちの四暗刻はダブル役満として扱われることもあります。
四暗刻の詳細解説
成立条件
四暗刻が成立するには、以下の条件をすべて満たす必要があります:
| 条件 | 詳細 | 備考 |
|---|---|---|
| 4つの暗刻 | すべての面子が暗刻 | ポンした刻子は不可 |
| 門前限定 | 鳴き不可 | 暗槓は可能 |
| ロンの制限 | シャンポン待ちは不可 | 単騎待ちならロン可 |
待ちの形による違い
四暗刻の2つの形:
| 待ち方 | ツモ | ロン | 役満扱い |
|---|---|---|---|
| シャンポン待ち | 四暗刻成立 | 三暗刻どまり | シングル役満 |
| 単騎待ち | 四暗刻成立 | 四暗刻成立 | ダブル役満(一部) |
使用例
実際の場面での使い方
例1:テンパイ時
「四暗刻テンパイ!」
「単騎の四暗刻狙い」
例2:あがり時
「四暗刻ツモ!」
「単騎待ちの四暗刻だ!」
例3:手作りの表現
「対子が多いから四暗刻狙える」
「トイトイか四暗刻か悩む」
四暗刻の形
シャンポン待ち(通常形)
手牌:111萬 333筒 555索 777索 99萬
待ち:9萬(シャンポン待ち)
注意:ロンでは三暗刻になる
単騎待ち(特殊形)
手牌:111萬 333筒 555索 777索 東東東 南
待ち:南(単騎待ち)
特徴:ロンでも四暗刻成立
関連用語
- 暗刻(アンコー):自力で作った刻子
- 三暗刻(サンアンコー):暗刻3つの2翻役
- 対々和(トイトイ):すべて刻子の2翻役
- 役満(ヤクマン):最高得点の役
- ダブル役満:2倍の役満
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
ポンとの混同
- ポンした刻子は暗刻でない
- 1つでもポンしたら不可
-
ロンあがりの制限
- シャンポン待ちでロンは三暗刻
- 単騎待ちのみロン可
-
暗槓の扱い
- 暗槓は暗刻扱い
- 暗槓しても成立
-
待ちの見極め
- シャンポンか単騎か
- 形によって価値が違う
四暗刻を狙う戦術
配牌での判断
四暗刻を狙う目安:
| 対子の数 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 5対子以上 | 積極的に狙う | 十分な可能性 |
| 4対子 | 状況次第 | 序盤の引き次第 |
| 3対子以下 | 基本的に狙わない | 確率が低い |
手作りの方針
基本戦略:
-
対子を大切に
- すべて残す
- 3枚目を待つ
-
孤立牌から切る
- 対子にならない牌
- 順子系を捨てる
-
ポンの誘惑に負けない
- 門前を維持
- 我慢が重要
実戦での四暗刻
四暗刻への道筋
発展パターン:
配牌:対子5つ
↓
序盤:対子を維持、孤立牌切り
↓
中盤:暗刻が増える
↓
終盤:四暗刻テンパイ
トイトイとの選択
判断基準:
| 状況 | 選択 | 理由 |
|---|---|---|
| 序盤で3暗刻 | 四暗刻狙い | 可能性十分 |
| 終盤で2暗刻 | トイトイに転換 | 時間がない |
| 他家が早い | 状況次第 | スピード重視 |
単騎待ちへの移行
単騎にする利点:
-
ロンあがり可能
- どの牌でもOK
- チャンスが増える
-
ダブル役満
- 一部ルールで採用
- 価値が2倍
-
読まれにくい
- 単騎は予想外
- 油断を誘う
四暗刻の確率と価値
出現率
統計データ:
- 通常の四暗刻:約0.049%
- 単騎待ち:約0.0016%
- 役満中で最多
他の役満との比較
出現率ランキング:
- 四暗刻(約0.049%)
- 大三元(約0.039%)
- 国士無双(約0.037%)
- 小四喜(約0.0105%)
四暗刻の心理戦
相手への圧力
四暗刻の脅威:
-
読めない
- 捨て牌で判断不可
- 対子場の警戒
-
防げない
- ツモられたら終わり
- 守備不能
-
プレッシャー
- 対子の多い配牌
- 警戒心を誘う
四暗刻を隠す
バレないコツ:
-
自然な捨て牌
- 普通の手に見せる
- 対子場を隠す
-
表情管理
- 冷静を装う
- 興奮を抑える
-
テンポ維持
- いつも通りに
- 特別感を出さない
ローカルルール
単騎待ちの扱い
地域による違い:
| ルール | 単騎待ち | 通常 |
|---|---|---|
| 一般的 | ダブル役満 | シングル役満 |
| 一部地域 | 同じ扱い | シングル役満 |
| 競技麻雀 | 大会による | シングル役満 |
暗槓の扱い
統一見解:
- 暗槓は暗刻として認める
- 4暗槓でも四暗刻成立
- 制限なし
四暗刻の思い出
達成の喜び
四暗刻の価値:
-
最も身近な役満
- 出現率が高い
- 初役満になりやすい
-
実力の証明
- 我慢と判断力
- 門前の維持
-
一生の記憶
- 初めての感動
- 仲間との話題
まとめ
四暗刻(スーアンコー)は、4つの暗刻で構成される、最も出現頻度の高い役満です。門前で自力ですべての刻子を作る必要があり、対子の多い配牌から狙うのが基本です。初心者の方は、まず「ポンせずに4つの刻子を作る」という基本を理解し、5対子以上の配牌なら積極的に狙ってみましょう。シャンポン待ちでのロンは三暗刻になることに注意が必要ですが、単騎待ちならロンでも四暗刻が成立します。最も身近な役満として、多くの雀士の目標となっています。