多面待ち(タメンマチ)とは
多面待ち(タメンマチ)とは、麻雀において3種類以上の牌であがれるテンパイ形のことです。「多面張(タメンチャン)」とも呼ばれ、通常の両面待ちや単騎待ちよりも待ち牌が多いため、あがりやすくなる有利な形です。
初心者には見分けが難しいですが、多面待ちを使いこなせるようになると、あがり率が大幅に向上し、麻雀の実力が格段に上がります。
多面待ちの詳細解説
多面待ちの分類
| 種類 | 待ち牌の数 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 両面待ち | 2種類 | 23で1・4待ち | 基本形(多面待ちではない) |
| 3面待ち | 3種類 | 2345で1・4・6待ち | 最も一般的な多面待ち |
| 4面待ち | 4種類 | 23456で1・4・7・8待ち | やや複雑 |
| 5面待ち以上 | 5種類以上 | 特殊な形 | 上級者向け |
基本的な3面待ちのパターン
亜両面(ノベタン):
形:1234
待ち:1・4(両面)+2(単騎)= 3面待ち
中ぶくれ形:
形:2334
待ち:2・5(両面)+3(シャンポン)= 3面待ち
延べ単形:
形:2345
待ち:1・4(両面)+6(カンチャン)= 3面待ち
使用例
実際の場面での使い方
例1:待ちの確認
「これ3面待ちだ」
「多面待ちで待ち牌が多い」
例2:戦術的な判断
「多面待ちだから即リーチ」
「3面待ちなら押していける」
例3:読みの場面
「この捨て牌は多面待ちっぽい」
「単純な待ちじゃなさそう」
代表的な多面待ちパターン
3面待ち
| パターン名 | 形の例 | 待ち牌 | 枚数 |
|---|---|---|---|
| 亜両面 | 2345萬 | 1・4・6萬 | 11枚 |
| 中ぶくれ | 3445筒 | 2・5・6筒 | 11枚 |
| 両シャンポン | 2233索+5索 | 2・3・5索 | 7枚 |
| 変則3面 | 11123萬 | 1・2・3萬 | 9枚 |
4面待ち
| パターン名 | 形の例 | 待ち牌 | 枚数 |
|---|---|---|---|
| 連続形 | 23456萬 | 1・4・7萬+6萬単騎 | 12枚 |
| 複合形 | 3334555筒 | 2・3・4・5筒 | 11枚 |
| 暗刻含み | 111234萬 | 1・2・3・5萬 | 10枚 |
5面待ち以上
| パターン名 | 形の例 | 待ち牌 | 枚数 |
|---|---|---|---|
| 三門形 | 234567萬 | 1・4・7・5・8萬 | 15枚 |
| 複雑形 | 22334455筒 | 2・3・4・5・6筒 | 13枚 |
| 七対子系 | 特殊な七対子形 | 5種類以上 | 可変 |
関連用語
- 両面待ち(リャンメンマチ):2種類の牌で待つ形
- 単騎待ち(タンキマチ):1種類1枚で待つ形
- 良形(リョウケイ):待ちが良い形
- テンパイ:あと1枚であがれる状態
- 高目(タカメ):多面待ちで最も点数が高い待ち
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
待ち牌の見落とし
- すべての待ちを把握できない
- 特に変則的な待ちを見逃す
-
フリテンの見逃し
- 多面待ちの一部がフリテン
- 部分的なフリテンに注意
-
高目・安目の判断ミス
- どの牌が高得点か不明
- 役の確認が不十分
-
牌の残り枚数
- 待ち牌が多くても残り枚数は少ない場合
- 場に見えている牌の確認不足
多面待ちの見分け方
基本的な考え方
多面待ちになりやすい形:
-
連続する数牌が多い
- 2345、3456など
- 順子の組み合わせ
-
対子と順子の複合
- 2233、4455など
- 複数の分け方が可能
-
くっつき形
- 暗刻+連続形
- 変則的な組み合わせ
見分けるコツ
手順:
- まず雀頭を探す
- 残りを面子に分ける
- 複数の分け方を試す
- それぞれの待ちを確認
練習方法:
- 多面待ちクイズを解く
- 実戦で意識的に作る
- プロの牌譜を研究
戦術的なポイント
多面待ちの長所
-
あがりやすい
- 待ち牌が多い
- ツモる確率が高い
-
押し引きに有利
- 強気に押せる
- リーチ判断が楽
-
高打点の可能性
- 高目で高得点
- 一発・裏ドラも期待
多面待ちの短所
-
複雑で間違えやすい
- 待ち牌の見落とし
- フリテンのリスク
-
読まれやすい場合も
- 捨て牌から推測される
- 手出しツモ切りでバレる
-
点数差が大きい
- 高目と安目の差
- 役の有無で大違い
実戦での活用
多面待ちを作るコツ
序盤の意識:
- 連続形を大切にする
- くっつきトイツを残す
- 柔軟性を重視
中盤の選択:
- 多面待ちになる可能性を残す
- 固定しすぎない
- 変化を見据える
終盤の詰め:
- 最大待ちを選ぶ
- フリテンに注意
- 高目を意識
リーチ判断
多面待ちでリーチする場合:
- 3面待ち以上
- 待ち牌が8枚以上
- 高目で満貫以上
リーチを控える場合:
- 部分的にフリテン
- 安目が役なし
- 他家がテンパイ濃厚
守備での読み
相手の多面待ちサイン:
- 手出しが少ない
- 終盤に悩む
- リーチが遅い
対処法:
- 筋を意識しない
- 現物優先
- 完全安全牌を選ぶ
多面待ちの練習問題
初級問題
手牌:2334455萬 + 他の面子
問:何待ち?
答:2・5萬(3面待ち:3萬もシャンポン待ち)
中級問題
手牌:234567筒 + 他の面子
問:何待ち?
答:1・4・7・8筒(4面待ち)
上級問題
手牌:11223344萬 + 他の面子
問:何待ち?(七対子でない場合)
答:1・2・3・4・5萬(5面待ち)
まとめ
多面待ち(タメンマチ)は、3種類以上の牌で待つ有利なテンパイ形です。初心者には難しく感じますが、基本的なパターンを覚えることで徐々に見分けられるようになります。まずは「連続形は多面待ちになりやすい」「対子と順子の複合形に注意」という基本を押さえ、実戦で意識的に多面待ちを作る練習をしましょう。多面待ちを使いこなせるようになると、あがり率が向上し、麻雀がより楽しくなります。