テンパイ料（テンパイリョウ）とは
テンパイ料（テンパイリョウ） とは、麻雀で誰もあがらずに流局した際に、テンパイしている人がノーテンの人から受け取る点数のことです。一般的には場3,000点（テンパイ者で分配）というルールが多く、ゲームの最後まで手作りを続けた人への報酬的な意味合いがあります。
流局時に手牌を公開し、テンパイかノーテンかを確認することで、点数の授受が行われます。この仕組みにより、安易なオリ（諦め）を防ぎ、最後まで緊張感のあるゲーム展開を促します。
テンパイ料の詳細解説
基本的な点数授受
場3,000点の場合の計算：
| テンパイ人数 | ノーテン人数 | 授受 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 1人 | 3人 | 各1,000点支払い | テンパイ者+3,000点 |
| 2人 | 2人 | 各1,500点受取 | 各テンパイ者+1,500点 |
| 3人 | 1人 | 各1,000点受取 | ノーテン者-3,000点 |
| 4人 | 0人 | 授受なし | 全員テンパイ |
| 0人 | 4人 | 授受なし | 全員ノーテン |
形式テンパイの条件
テンパイと認められる形：
| 形 | 認定 | 備考 |
|---|---|---|
| 通常のテンパイ | ○ | あと1枚であがり |
| 役なしテンパイ | ○ | 形だけでOK |
| フリテン | ○ | ロンできなくてもOK |
| カラテン | ○ | 待ち牌が0枚でも |
| ノーテンリーチ | × | チョンボ扱い |
使用例
実際の場面での使い方
例1：流局時
「流局、テンパイの人？」
「ノーテン罰符お願いします」例2：手牌公開時
「テンパイです」
「ノーテンでした」例3：駆け引き
「テンパイ料狙いでオリない」
「3,000点のために頑張る」テンパイ料の意義
ゲームバランスへの影響
テンパイ料がある理由：
-
最後まで諦めない
- オリ一辺倒を防ぐ
- 緊張感の維持
-
攻守のバランス
- 守備だけでは損
- 攻撃への動機
-
形勢逆転
- 小さな点数でも重要
- 順位に影響
-
技術の反映
- テンパイ力の差
- 実力が出る
関連用語
- ノーテン罰符（ノーテンバップ）：ノーテン者の支払い
- 流局（リュウキョク）：誰もあがらず終了
- テンパイ：あと1枚であがり
- 形式テンパイ：役なしでもテンパイ
- 聴牌（テンパイ）：待ちの状態
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
手牌を見せない
- 必ず公開が必要
- 申告だけは不可
-
役なしを誤解
- 形だけでOK
- 役は不要
-
カラテンの扱い
- 0枚でもテンパイ
- 形が重要
-
親の連荘
- テンパイなら連荘
- 流局でも継続
戦略的な活用
テンパイ料を意識した打ち方
終盤の判断：
| 状況 | 方針 | 理由 |
|---|---|---|
| 大差でトップ | テンパイ維持 | 失点を防ぐ |
| 僅差の争い | 無理してもテンパイ | 3,000点が大きい |
| ビリ確定 | 高い手狙い | テンパイ料では足りない |
| オーラス | 特に重要 | 順位に直結 |
テンパイ料の駆け引き
心理戦の要素：
-
ブラフ
- テンパイ風に振る舞う
- 相手を惑わす
-
読み合い
- 本当にテンパイか
- オリているか
-
最後の攻防
- ギリギリでテンパイ
- 逆転のチャンス
特殊なケース
親のテンパイ
連荘との関係：
親がテンパイ → 連荘（次も親）
親がノーテン → 親流れ
※ただし：
・テンパイ料は通常通り
・親だから特別扱いなし途中流局との違い
テンパイ料が発生しない流局：
| 種類 | 理由 | テンパイ料 |
|---|---|---|
| 九種九牌 | 特殊流局 | なし |
| 四風連打 | 特殊流局 | なし |
| 四槓散了 | 特殊流局 | なし |
| 三家和 | 特殊流局 | なし |
ローカルルール
テンパイ料の金額差
地域による違い：
| 地域・ルール | 金額 | 特徴 |
|---|---|---|
| 一般的 | 場3,000点 | 最も普及 |
| 一部地域 | 場2,000点 | やや少ない |
| 高レート | 場4,000点 | 影響大 |
| なし | 0点 | 完全先付けなど |
特殊な扱い
バリエーション：
-
オーラス特別
- 金額2倍
- より重要に
-
親の特権
- 親は2倍もらう
- 地域ルール
-
積み棒の扱い
- 含む/含まない
- 要確認
テンパイ料の計算例
実践的な例
ケース1：1人テンパイ
状況：Aさんのみテンパイ、他3人ノーテン
B → A：1,000点
C → A：1,000点
D → A：1,000点
結果：Aさん+3,000点、他-1,000点ケース2：2人テンパイ
状況：A・Bテンパイ、C・Dノーテン
C → A：1,500点
C → B：1,500点
D → A：1,500点
D → B：1,500点
結果：A・B各+1,500点、C・D各-1,500点形式テンパイの判定
テンパイと認められる例
様々な形：
-
通常形
123萬 456筒 789索 東東東 5 待ち：5萬（単騎） -
役なし形
123萬 456筒 678索 45萬 南南 待ち：3萬または6萬（役なし） -
カラテン
123萬 456筒 789索 11索 33 待ち：3萬（4枚とも場に出ている）
テンパイ料の影響
ゲーム展開への効果
プラスの影響：
-
緊張感の持続
- 最後まで勝負
- 諦めない姿勢
-
技術向上
- テンパイ技術
- 手作りの工夫
-
戦略性向上
- 押し引き判断
- 点数意識
問題点と対策
マイナス面：
- 形だけのテンパイ取り
- 本来の麻雀から逸脱
- 対策：適切な金額設定
まとめ
テンパイ料（テンパイリョウ）は、流局時にテンパイしている人がノーテンの人から受け取る点数で、一般的には場3,000点です。役がなくてもフリテンでも、形さえ整っていればテンパイと認められます。初心者の方は、まず「流局時は手牌を公開する」「テンパイなら点数がもらえる」ということを覚え、最後まで諦めずに手作りを続けましょう。テンパイ料は小さな点数ですが、ゲームに緊張感を与え、最後まで楽しめる重要なルールです。