役(ヤク)とは
役(ヤク) とは、麻雀において和了(アガリ)するために必要な特定の牌の組み合わせパターンのことです。いくら4面子1雀頭の形が完成していても、最低1つの役がなければ和了することはできません。これが麻雀の基本ルールです。
役には1翻役から役満まで様々な種類があり、難易度に応じて得点(翻数)が設定されています。複数の役を組み合わせることで、より高得点を狙うこともできます。
役の詳細解説
役の基本概念
| 要素 | 説明 |
|---|---|
| 役の必要性 | 和了には最低1つの役が必須 |
| 翻(ハン) | 役の価値を表す単位 |
| 複合 | 複数の役を同時に成立可能 |
| 門前限定 | 鳴いていない時のみ成立する役 |
役の分類
翻数による分類:
- 1翻役:最も基本的な役
- 2翻役:やや条件が厳しい役
- 3翻役:比較的難しい役
- 6翻役:跳満確定の役
- 役満:最高得点の役(13翻相当)
成立条件による分類:
- 門前役:鳴いていない時のみ
- 鳴いてもOKの役:副露可能
- 偶然役:ツモや牌に依存
- 手作り役:狙って作る役
初心者が覚えるべき基本役
| 役名 | 翻数 | 条件 | 鳴き |
|---|---|---|---|
| リーチ | 1翻 | 門前でテンパイ宣言 | × |
| 役牌 | 1翻 | 三元牌or自風牌or場風牌の刻子 | ○ |
| タンヤオ | 1翻 | 2〜8の牌のみ | △ |
| ピンフ | 1翻 | 門前で順子4組+両面待ち | × |
| ツモ | 1翻 | 門前で自摸和了 | × |
使用例
実際の場面での使い方
例1:役の確認
「役はありますか?」
「リーチ・ツモ・ドラ1で3翻です」
「役牌の白だけです」
例2:役なしの場面
「あ、役がない!」
「形はできたけど役なしだ」
「役なしチョンボに注意」
例3:複合役
「リーチ・一発・ツモ・平和・ドラ2」
「タンヤオ・三色・ドラ3で満貫」
「役牌2つでダブ東・ダブ南」
関連用語
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
役なし和了(チョンボ)
- 形ができても役がないと和了不可
- 確認してから和了宣言
- ペナルティあり
-
ドラは役ではない
- ドラだけでは和了できない
- 必ず他の役が必要
- 翻数を増やすだけ
-
門前役の勘違い
- 鳴いたら成立しない役多数
- リーチ、平和、ツモなど
- 事前に確認必要
-
食い下がりの見落とし
- 鳴くと翻数が減る役
- 三色、一通など
- 1翻→0翻にはならない
代表的な役一覧
1翻役
| 役名 | 成立条件 | 出現率 | 鳴き |
|---|---|---|---|
| リーチ | 門前テンパイ宣言 | 高 | × |
| 一発 | リーチ後1巡内和了 | 中 | × |
| ツモ | 門前で自摸和了 | 高 | × |
| 平和 | 順子のみ+両面待ち | 高 | × |
| 役牌 | 字牌の刻子 | 高 | ○ |
| タンヤオ | 中張牌のみ | 高 | △ |
| 海底撈月 | 海底牌で自摸 | 低 | × |
| 河底撈魚 | 河底牌でロン | 低 | ○ |
| 嶺上開花 | 槓後の嶺上牌で和了 | 低 | ○ |
| 槍槓 | 他家の加槓牌でロン | 低 | ○ |
2翻役
代表的な2翻役:
- 三色同順(鳴き1翻)
- 一気通貫(鳴き1翻)
- 混全帯么九(鳴き1翻)
- 七対子
- 対々和
- 三暗刻
- 三色同刻
- 三槓子
- 混老頭
- 小三元
- ダブルリーチ
3翻役以上
| 役名 | 翻数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 混一色 | 3翻(鳴き2翻) | 字牌+1色 |
| 純全帯么九 | 3翻(鳴き2翻) | 端牌を含む |
| 二盃口 | 3翻 | 一盃口×2 |
| 清一色 | 6翻(鳴き5翻) | 1色のみ |
役の覚え方
初心者向け学習順序
第1段階:絶対覚える役
1. リーチ(最も基本)
2. 役牌(作りやすい)
3. タンヤオ(出現率高)
4. ツモ(門前の基本)
第2段階:よく使う役
5. 平和(高頻度)
6. 三色同順(狙いやすい)
7. 一気通貫(分かりやすい)
8. 対々和(シンプル)
第3段階:覚えておきたい役
9. 混一色(高得点)
10. 七対子(特殊形)
役の組み合わせパターン
| 基本役 | 相性の良い役 | 狙い方 |
|---|---|---|
| リーチ | 一発・ツモ・裏ドラ | 門前で進める |
| タンヤオ | 平和・三色・一盃口 | 中張牌中心 |
| 役牌 | 対々和・三暗刻 | 対子を大切に |
| 混一色 | 対々和・役牌 | 字牌を残す |
役満(最高役)
代表的な役満
比較的出やすい役満:
- 国士無双(13種のヤオチュー牌)
- 四暗刻(暗刻4つ)
- 大三元(三元牌3つ)
激レア役満:
- 九蓮宝燈(1112345678999+1)
- 天和(親の配牌アガリ)
- 地和(子の第1ツモ)
役満の価値
| 種類 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| 役満 | 32000点(親48000) | 13翻相当 |
| ダブル役満 | 64000点(親96000) | 26翻相当 |
| 数え役満 | 32000点 | 13翻以上 |
役作りの基本戦略
手牌から役を見つける
配牌時のチェックポイント:
1. 字牌の対子 → 役牌狙い
2. 中張牌多め → タンヤオ狙い
3. 順子が多い → 平和・三色狙い
4. 対子が多い → 七対子・対々和狙い
5. 1色に偏り → 染め手狙い
状況別の役選択
| 状況 | おすすめの役 | 理由 |
|---|---|---|
| 配牌が良い | リーチ・平和 | 高打点狙い |
| 配牌が悪い | 役牌・タンヤオ | 確実性重視 |
| ドラが多い | 早い役 | ドラを活かす |
| 終盤 | 鳴ける役 | スピード重視 |
役に関するルール
複合のルール
-
同時成立
- 条件を満たせば全て計上
- 例:リーチ・ツモ・平和
-
上位役優先
- 対々和と三暗刻は三暗刻
- 三暗刻と四暗刻は四暗刻
-
食い下がり
- 鳴くと翻数減少
- 0翻にはならない
特殊な扱い
ドラの扱い:
- 役ではない
- 他の役と必ず複合
- 何枚でも加算可能
偶然役:
- 狙って作れない
- 一発、海底、嶺上など
- ボーナス的存在
まとめ
役は麻雀で和了するために必須の要素で、最低1つは成立させる必要があります。初心者の方は、まずリーチ、役牌、タンヤオ、ツモ、平和の5つを確実に覚えることから始めましょう。
役を覚えることで、配牌を見た時の方向性が決まり、効率的な手作りができるようになります。慣れてきたら複合役を狙い、より高得点を目指していきましょう。役の知識は麻雀上達の第一歩であり、ゲームをより楽しむための重要な要素です。