山(ヤマ)とは
山(ヤマ) とは、麻雀においてプレイヤーがツモる(引く)牌が積まれている場所のことです。正式には「牌山(ハイヤマ)」とも呼ばれ、配牌後の残り70枚の牌が2段に積まれています。
山は各プレイヤーの前に17枚ずつ(2段×17列=34枚)配置され、そのうち各7枚(計14枚)は王牌として最後まで使用されません。ゲームは山の牌を順番にツモることで進行します。
山の詳細解説
山の構成
山の全体構成(136枚):
配牌:13枚×4人=52枚
親の第1ツモ:1枚
王牌:14枚
ツモ山:70枚
─────────────
合計:136枚
各プレイヤーの前:
上段17枚+下段17枚=34枚
山の配置と王牌
| 位置 | 枚数 | 用途 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ツモ山 | 70枚 | 通常のツモ | 順番に引く |
| 王牌 | 14枚 | 特殊用途 | ドラ表示・嶺上牌 |
| 配牌済み | 52枚 | 各自の手牌 | ゲーム開始時 |
王牌の内訳
王牌14枚の構成:
┌─嶺上牌(4枚)─┐┌─ドラ表示牌(5枚)─┐┌─裏(5枚)─┐
│カン用の補充牌│ │ドラを示す牌 │ │裏ドラ用 │
└───────┘└─────────┘└─────┘
※必ず14枚確保(海底牌が変わる)
使用例
実際の場面での使い方
例1:基本的な使用
「山から1枚ツモる」
「山が少なくなってきた」
「山に残ってるはず」
例2:戦略的な会話
「山読みで当てる」
「山越しで待つ」
「山に2枚ある」
例3:状況説明
「山が詰まってる」
「いい山だった」
「山が偏ってる」
関連用語
- ツモ:山から牌を引くこと
- 王牌(ワンパイ):最後まで使わない14枚
- 配牌(ハイパイ):最初に配られる牌
- 海底牌(ハイテイハイ):最後にツモれる牌
- 嶺上牌(リンシャンハイ):カン後に引く牌
- 洗牌(シーパイ):牌を混ぜること
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
王牌の扱い
- 14枚は使えない
- カンしても14枚確保
- 海底が変わる
-
ツモる位置
- 上段から取る
- 右から左へ
- 2枚単位が基本
-
山の積み方
- 各自17幢(トン)
- 2段積み
- きちんと揃える
-
山読みの誤解
- 完全にランダム
- 予測は確率論
- 超能力ではない
山の作り方
自動卓と手積み
| 方式 | 特徴 | 時間 |
|---|---|---|
| 自動卓 | 機械が自動で積む | 数秒 |
| 手積み | 手動で積む | 1-2分 |
手積みの手順
手積みの流れ:
1. 洗牌(牌を混ぜる)
2. 各自34枚を取る
3. 17幢に積む(2段)
4. 前に並べる
5. サイコロで開門位置決定
山とゲーム進行
ツモ順と山の減り方
1巡目:4枚減る(各1枚)
5巡目:20枚減る
10巡目:40枚減る
15巡目:60枚減る
17巡目:68枚減る(通常)
18巡目:70枚(海底)
※鳴きがあると変動
山の残り枚数と戦略
| 残り巡目 | 山の枚数 | 戦略 |
|---|---|---|
| 10巡以上 | 40枚以上 | 通常進行 |
| 5-9巡 | 20-36枚 | 押し引き判断 |
| 1-4巡 | 4-16枚 | 現物重視 |
| 海底付近 | 0-3枚 | 流局意識 |
山読みの基礎
山読みとは
山読みの考え方:
1. 確率的推測
- 見えた牌から推測
- 残り枚数を計算
2. 経験則
- 配牌の偏り
- ツモの流れ
3. 心理的要素
- 相手の反応
- 場の雰囲気
基本的な山読み
| 状況 | 推測 | 確率 |
|---|---|---|
| 3枚見えた | 山に1枚 | 100% |
| 2枚見えた | 山に最大2枚 | 不明 |
| 1枚も見えない | 山に最大4枚 | 不明 |
山に関する確率
特定牌をツモる確率
山70枚から特定牌をツモる確率:
1枚の場合:1/70 ≈ 1.4%
2枚の場合:2/70 ≈ 2.9%
3枚の場合:3/70 ≈ 4.3%
4枚の場合:4/70 ≈ 5.7%
※巡目が進むと確率上昇
有効牌の考え方
| 待ち形 | 最大枚数 | 山にある期待値 |
|---|---|---|
| 単騎待ち | 3枚 | 約1.5枚 |
| カンチャン | 4枚 | 約2枚 |
| 両面待ち | 8枚 | 約4枚 |
| 3面待ち | 11枚 | 約5.5枚 |
山と心理戦
ツモ運の演出
心理的テクニック:
1. 強いツモの演出
- 自信を持って引く
- 良い牌を装う
2. 悪いツモの演出
- がっかりした素振り
- でも実は良い牌
3. 無表情
- 何も読ませない
- プロの基本
山への願掛け
| 行動 | 心理 | 効果 |
|---|---|---|
| 牌を撫でる | 願掛け | 精神的安定 |
| 深呼吸 | 集中 | 冷静さ維持 |
| 無心でツモ | 自然体 | 力まない |
山の偏りと対策
偏りの種類
よくある偏り:
1. 同じ牌の固まり
- 4枚が近くに
- 対子・刻子できやすい
2. 色の偏り
- 特定色が多い
- 染め手有利
3. 字牌の偏り
- 序盤に出る
- または終盤に固まる
偏りへの対応
| 偏りの兆候 | 推測 | 対策 |
|---|---|---|
| 同色ばかり | 染め手注意 | 該当色を絞る |
| 字牌多い | 役牌・国士 | 字牌を警戒 |
| 中張牌多い | タンヤオ系 | 安全度重視 |
特殊な山の状況
カンによる影響
カンが山に与える影響:
1. ツモ順のズレ
- 嶺上牌を使用
- 1枚ずつズレる
2. 海底の変化
- 王牌は14枚固定
- 海底牌が手前に
3. 山の枚数
- 実質的に減る
- 早く終わる
四開槓(スーカイカン)
| 状況 | 結果 | 備考 |
|---|---|---|
| 2人以上で4回カン | 流局 | 四槓散了 |
| 海底牌の移動 | 4枚手前 | 王牌確保のため |
山の戦略的活用
終盤の山
残り山での考え方:
1. 10枚以下
- アガリ優先
- 安い手でもOK
2. 5枚以下
- 現物中心
- 流局狙い
3. 海底付近
- 特殊役狙い
- または完全守備
ツモ番の活用
| 状況 | 戦略 | 理由 |
|---|---|---|
| 山が多い | 高得点狙い | 時間的余裕 |
| 山が少ない | 速度重視 | 時間がない |
| ラスツモ | 海底狙い | 特殊役 |
山にまつわる格言
麻雀格言
有名な格言:
「山を見るな、河を見ろ」
→見えない山より見える情報
「ツモは実力、山は運」
→コントロール不可
「良い山、悪い山」
→運の表現
まとめ
山は麻雀でツモる牌が積まれた場所で、各プレイヤーの前に34枚ずつ配置されます。そのうち14枚は王牌として最後まで使用されず、実際にツモできるのは70枚です。
初心者の方は、まず「山=ツモる場所」「王牌14枚は使えない」という基本を覚えましょう。山読みは上級技術ですが、見えている牌から残り枚数を把握することは重要です。山の残り枚数を意識しながら、押し引きの判断ができるようになることが上達への第一歩です。