七対子(チートイツ)とは
七対子(チートイツ) は、麻雀の特殊役の一つで、異なる7種類の対子(トイツ)で構成される2翻役です。通常の麻雀は4面子1雀頭の形ですが、七対子は7つの対子という特殊な形であがる役で、「チートイ」「ニコニコ」とも呼ばれます。
独特な手作りが必要で、守備力も高いため、配牌によっては積極的に狙いたい役です。
七対子の詳細解説
七対子の成立条件
| 条件 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 7種類の対子 | 同じ牌2枚×7組 | 11萬22筒33索東東南南白白 |
| すべて異なる種類 | 同じ牌4枚は不可 | 1111萬は2対子にならない |
| 門前のみ | 鳴き不可 | ポン・チーすると成立しない |
七対子の形の例
正しい七対子:
11萬 33萬 55筒 77筒 99索 東東 中中
七対子にならない例:
| パターン | 理由 | 例 |
|---|---|---|
| 同じ牌4枚 | 1種類で2対子は不可 | 1111萬は1対子扱い |
| 6対子+2枚 | 7対子に足りない | 6対子では役なし |
| 暗刻を含む | 3枚では対子にならない | 111萬は対子ではない |
使用例
実際の場面での使い方
例1:配牌での判断
「対子が5つある!チートイ狙いだ」
「トイトイかチートイか迷うな」
例2:手作りの方針
「単独牌を切ってチートイ一直線」
「イーシャンテンだけど、かぶりが怖い」
例3:あがりの喜び
「チートイドラ3で満貫!」
「リーチかけてチートイ一点読みされた」
七対子の作り方
基本戦略
-
配牌で対子が多い時に狙う
- 4対子以上が目安
- 3対子では厳しい
-
単独牌を優先的に切る
- 孤立牌から捨てる
- 塔子も崩すことがある
-
かぶり(4枚目)に注意
- 同じ牌3枚目は要注意
- 4枚目を引くと形が崩れる
七対子の手順
序盤:対子の数を確認
配牌:11萬 33萬 5筒 77筒 9索 東東 南 西西 北 白白 中
→ 5対子あり、チートイ有力
中盤:単独牌を切る
5筒、9索、南、北、中を切る
新たに引いた牌で対子を作る
終盤:待ちの形
6対子+単独牌1枚 = 単騎待ち
例:11萬 33萬 55筒 77筒 99索 東東 西
→ 西待ち
関連用語
- 対子(トイツ):同じ牌2枚
- 対々和(トイトイ):刻子4つの役
- 単騎待ち:1枚だけ待つ形
- 門前(メンゼン):鳴いていない状態
- 二盃口(リャンペーコー):形が似て見える役
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
同じ牌4枚の扱い
- 1111萬は1対子
- 2対子にはカウントしない
-
鳴きは不可
- ポンすると七対子崩れ
- 必ず門前で作る
-
二盃口との混同
- 1122334455667 = 二盃口(七対子ではない)
- 形は似ているが別の役
-
国士無双との選択
- 幺九牌の対子が多い時
- どちらを狙うか判断が必要
七対子の点数計算
特殊な符計算
七対子は必ず25符で計算します:
| 状況 | 符 | 理由 |
|---|---|---|
| 七対子 | 25符固定 | 特殊役の例外 |
| 通常の役 | 30符〜 | 通常の符計算 |
点数早見表
| 翻数 | 親 | 子 |
|---|---|---|
| 2翻(七対子のみ) | 2400点 | 1600点 |
| 3翻(+ドラ1等) | 4800点 | 3200点 |
| 4翻(+ドラ2等) | 9600点 | 6400点 |
| 5翻(満貫) | 12000点 | 8000点 |
七対子の戦術
七対子を狙う状況
-
配牌で対子が多い
- 4対子以上
- 特に5対子は有力
-
守備的に打ちたい時
- 対子は比較的安全
- 終盤まで選択肢が残る
-
変則的な展開
- 通常の手が作りにくい
- ドラ対子がある
七対子の長所・短所
長所:
- 守備力が高い(単独牌を切れる)
- ドラが乗りやすい(14枚中2枚使える)
- 読まれにくい(特殊な形)
- 待ちが単純(単騎待ちのみ)
短所:
- 鳴けない(門前限定)
- かぶりに弱い(4枚目で崩壊)
- 点数が伸びにくい(基本2翻)
- リーチしづらい(単騎待ちは当たりにくい)
複合する役・しない役
複合できる役
複合しない役
- 平和:両面待ちが必要
- タンヤオ:理論上は可能だが…
- 一盃口・二盃口:順子が必要
- 三色・一通:順子が必要
実戦でのコツ
手作りの判断
-
早い段階で方針を決める
- 5〜6巡目までに決断
- 中途半端は避ける
-
かぶりの危険性
- 3枚目を引いたら要注意
- 場に2枚見えたら安心
-
リーチの判断
- 単騎待ちは当たりにくい
- ダマテンも選択肢
対七対子の守備
- 単騎待ちの読み:スジが効かない
- 現物以外は危険:どの牌も当たる可能性
- 対子落としに注意:終盤の対子切りは七対子の可能性
まとめ
七対子は麻雀の特殊役として、通常とは異なる面白さがあります。7つの対子という独特な形は、配牌次第では非常に作りやすく、守備力も高い実戦的な役です。初心者の方は、まず「異なる7種類の対子」「同じ牌4枚は1対子」「門前限定」という3つの基本を覚えましょう。対子が多い配牌を見たら、七対子という選択肢を忘れないことが大切です。