混老頭(ホンロウトウ)とは
混老頭(ホンロウトウ) とは、麻雀の役の一つで、么九牌(ヤオチューハイ:1・9・字牌)のみで手牌を揃えることで成立する2翻役です。「ホンロー」とも呼ばれ、断么九(タンヤオ)の対極に位置する珍しい役です。
順子が作れないため、必ず4つの刻子(または槓子)と1つの雀頭という形になり、対々和(トイトイ)と必ず複合します。鳴いても翻数が下がらない役ですが、非常に作りにくい上級者向けの役です。
混老頭の詳細解説
成立条件
混老頭が成立するには、以下の条件を満たす必要があります:
| 条件 | 詳細 | 例 |
|---|---|---|
| 么九牌のみ | 1・9・字牌 | 1萬・9萬・東・南・白など |
| 2〜8は不可 | 中張牌は使えない | 2〜8が1枚でもあると不成立 |
| 必ず対々和 | 順子が作れない | 4刻子+1雀頭 |
使用できる牌
么九牌13種類:
数牌:1萬・9萬・1筒・9筒・1索・9索(6種類)
字牌:東・南・西・北・白・發・中(7種類)
合計13種類(各4枚ずつ、計52枚)
使用例
実際の場面での使い方
例1:役の確認
「ホンロウトウ確定」
「么九牌だけで混老頭」
例2:手作り時
「混老頭狙いで中張牌を切る」
「対々和+混老頭で4翻」
例3:鳴きの判断
「混老頭は鳴いても2翻」
「役牌ポンして混老頭進める」
混老頭の形
基本形
手牌:111萬 999筒 東東東 白白白 北北
完成形:么九牌のみ、必ず対々和と複合
実戦でよくある形
鳴きを含む形:
ポン:東東東(横向き)白白白(横向き)
手牌:111萬 999索 北北
→ 混老頭2翻+対々和2翻 = 4翻(満貫)
役牌複合:
手牌:111萬 999萬 東東東 白白白 發發
→ 混老頭2翻+対々和2翻+役牌2翻 = 6翻(跳満)
関連用語
- 清老頭(チンロウトウ):1・9のみの役満
- 対々和(トイトイ):必ず複合する役
- 么九牌(ヤオチューハイ):1・9・字牌の総称
- 断么九(タンヤオ):対極の役
- 混全帯么九(チャンタ):類似の役
よくある間違い・注意点
初心者が間違えやすいポイント
-
清老頭との混同
- 混老頭:1・9・字牌OK(2翻)
- 清老頭:1・9のみ(役満)
-
中張牌の混入
- 2〜8が1枚でも不可
- 么九牌のみ
-
対々和との関係
- 必ず複合する
- 合計4翻になる
-
七対子との違い
- 七対子は4面子1雀頭ではない
- 混老頭は七対子と複合しない
混老頭を狙う戦術
配牌での判断
混老頭を狙う目安:
| 配牌の状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 么九牌が9枚以上 | 検討可能 | 可能性がある |
| 么九牌の対子3つ以上 | 積極的に狙う | 非常に有力 |
| 役牌の対子複数 | 優先して狙う | 高得点期待 |
| 中張牌が少ない | 狙いやすい | 処理が楽 |
鳴きの判断
鳴くタイミング:
-
序盤での鳴き
- 役牌は積極的にポン
- 方向性を固める
-
中盤での鳴き
- 么九牌が出たら即ポン
- スピード重視
-
終盤での鳴き
- 4翻確定の価値
- 確実に和了る
実戦での混老頭
混老頭への道筋
典型的な流れ:
配牌:么九牌が9枚
↓
序盤:中張牌を全て切る
↓
中盤:么九牌の刻子を作る
↓
終盤:混老頭完成、テンパイ
中張牌の処理
手順:
-
早めに切る
- 序盤に全て処理
- 危険度を考慮
-
ドラの判断
- 中張牌のドラも切る
- 么九牌のドラは死守
-
柔軟な対応
- 無理なら諦める
- 通常の対々和へ
複合しやすい役
必ず複合する役
| 役名 | 理由 | 合計翻数 |
|---|---|---|
| 対々和 | 順子が作れない | 4翻 |
よく複合する役
| 役名 | 条件 | 合計翻数 |
|---|---|---|
| 役牌 | 字牌の刻子 | 5翻〜 |
| 三暗刻 | 3つの暗刻 | 6翻 |
| 小三元 | 三元牌2刻子+1対子 | 8翻(倍満) |
| 三槓子 | 3つの槓 | 6翻 |
複合例
混老頭+対々和+役牌2つ+ドラ1:
手牌:111萬 999筒 東東東 白白白 發發發
→ 7翻(倍満 or 三倍満)
混老頭の確率と価値
出現率
統計データ:
- 成立率:約0.06%
- 非常に稀な役
- 対々和の中でも特殊
他の2翻役との比較
作りにくさ:
- 七対子(約3%)
- 三色同順(約2%)
- 一気通貫(約2%)
- 対々和(約1.5%)
- 混全帯么九(約1%)
- 混老頭(約0.06%)← 圧倒的に難しい
混老頭の戦略ポイント
序盤の判断
狙うべき配牌:
- 么九牌が9枚以上
- 対子が3つ以上
- 役牌の対子が複数
- 中張牌が少ない
諦めるべき配牌:
- 么九牌が7枚以下
- 対子が1つ以下
- 中張牌が多い
- 他の役が有力
中盤の手作り
効率的な進め方:
-
徹底的に么九牌のみ
- 中張牌は全て切る
- 迷わず切る
-
鳴きの活用
- 積極的にポン
- スピード重視
-
柔軟な対応
- 無理なら通常の対々和
- 諦めも重要
混老頭と清老頭の違い
混老頭(2翻役)
特徴:
- 1・9・字牌OK
- 比較的作りやすい
- 対々和と複合で4翻
清老頭(役満)
特徴:
- 1・9のみ(字牌NG)
- 極めて困難
- 役満(48000点)
使い分け:
- 字牌が多い → 混老頭
- 字牌がない → 清老頭狙い
混老頭の心理戦
相手への影響
混老頭の圧力:
-
捨て牌で分かる
- 中張牌を切り続ける
- すぐにバレる
-
防御を強いる
- 么九牌を出せない
- 手が制限される
-
高得点の威嚇
- 対々和複合で4翻以上
- 攻撃を抑制
混老頭への対応
相手の混老頭サイン:
- 序盤から中張牌を切る
- 么九牌を鳴く
- 対々和の気配
対処法:
- 么九牌を抱える
- ベタオリ検討
- 先制攻撃
ローカルルール
翻数の扱い
地域による違い:
- 一般的:2翻
- 一部地域:3翻(稀)
- 競技麻雀:必ず2翻
特殊な扱い
バリエーション:
- 役満扱い(極一部)
- 対々和との複合を別計算
- 清老頭への格上げルール
歴史と文化
混老頭の由来
名称の意味:
- 混:字牌が混ざる
- 老頭:1・9(老頭牌)
- 「ホンロー」は略称
希少性の価値
麻雀文化での位置づけ:
-
記憶に残る
- 滅多に見られない
- 特殊な形
-
達成感
- 完成時の満足感
- 上級者の証
まとめ
混老頭(ホンロウトウ)は、么九牌(1・9・字牌)のみで手牌を揃える2翻役です。順子が作れないため必ず対々和と複合し、合計4翻となります。出現率は約0.06%と非常に低く、上級者でも滅多に作れない珍しい役ですが、成立すれば満貫以上が期待できます。初心者の方は、まず「么九牌のみ、中張牌NG」という基本を覚え、配牌で么九牌の対子が3つ以上あれば挑戦してみましょう。対々和との複合を活かした高得点を狙える魅力的な役です。