七対子(チートイツ)とは
七対子(チートイツ) は、麻雀の特殊役の一つで、異なる7種類の対子(トイツ=同じ牌2枚の組)を集めて完成させる2翻役です。通常の麻雀は「4面子1雀頭」の形であがりますが、七対子は7つの対子という独自の形であがる唯一の例外的な役です。「チートイ」「ニコニコ」とも呼ばれます。
七対子は門前(メンゼン)限定で鳴くことができず、あがり方は必ず単騎待ちになります。配牌で対子が多いときに狙える実戦的な役で、守備力の高さも魅力です。
七対子の成立条件
七対子が成立するには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
| 条件 | 説明 | 補足 |
|---|---|---|
| 7種類の対子 | 同じ牌2枚の組を7つ作る | 合計14枚すべてが対子 |
| すべて異なる種類 | 同じ牌4枚を2対子にできない | ![]() ![]() ![]() は1対子として扱う |
| 門前のみ | ポン・チー・明カンは不可 | 1つでも鳴くと成立しない |
七対子の手牌の例
成立する七対子の例:














7種類の牌がそれぞれ2枚ずつ。萬子・筒子・索子・字牌のどれでも構いません。
七対子にならない例:
| パターン | 手牌の例 | 理由 |
|---|---|---|
| 同じ牌4枚 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | 4枚は2対子にカウントできない(6対子扱い) |
| 暗刻を含む | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | が3枚で対子ではない |
| 鳴いている | ポンした後に6対子 | 門前でないため不成立 |
七対子の点数計算【25符固定】
七対子の点数計算は通常の麻雀とは異なり、常に25符で固定されるという特殊なルールがあります。
なぜ25符固定なのか
通常の和了は「副底20符 + 面子の符 + 待ちの符 + ツモ/ロンの符」を合計して10符単位に切り上げますが、七対子はそもそも面子が存在しないため、通常の符計算ルールが適用できません。そこで特例として25符が割り当てられています。
この25符は切り上げしないのがポイントです(通常は30符に切り上げるが、七対子は25符のまま計算)。
七対子の点数早見表
| 翻数 | 条件の例 | 親(ロン) | 親(ツモ) | 子(ロン) | 子(ツモ) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2翻(七対子のみ) | 七対子 | 2,400 | 各800 | 1,600 | 400/800 |
| 3翻(+リーチ等) | 七対子+リーチ | 4,800 | 各1,600 | 3,200 | 800/1,600 |
| 4翻(+ドラ2等) | 七対子+ドラ2 | 9,600 | 各3,200 | 6,400 | 1,600/3,200 |
| 5翻〜(満貫) | 七対子+ドラ3 | 12,000 | 各4,000 | 8,000 | 2,000/4,000 |
| 6翻(跳満) | 七対子+混一色 | 18,000 | 各6,000 | 12,000 | 3,000/6,000 |
七対子はドラが乗りやすいのが特徴です。14枚中7種類の牌を2枚ずつ使うため、ドラ表示牌の隣の牌を対子で持っていれば一気にドラ2になります。
二盃口(リャンペーコー)との関係
七対子と二盃口は見た目が同じになる場合があるため、混同しやすいポイントです。
判別方法
二盃口 は「同じ順子2組 × 2セット」で成立する3翻役です。
| 手牌 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | 二盃口(3翻) | 123萬×2 + 567筒×2 の4面子+雀頭と解釈できる |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | 七対子(2翻) | 順子の組み合わせがなく、対子7組のみ |
ルール: 二盃口と七対子の両方に解釈できる場合、点数が高くなる方(=二盃口3翻)を採用します。七対子と二盃口は複合しません。
七対子の効率的な作り方
狙う目安:配牌の対子数
| 配牌の対子数 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 5対子以上 | 積極的に狙う | イーシャンテン以内、高確率で完成 |
| 4対子 | 狙う価値あり | 通常手と比較して有利な方を選ぶ |
| 3対子 | 基本的に狙わない | 完成までの距離が遠い |
手順の具体例
配牌(対子5組の例):














対子が5組(



)あるのでチートイツが有力です。
序盤:孤立牌を切る



の孤立牌を順に切っていきます。字牌は他家に鳴かれにくいよう序盤に処理。
中盤:新たな対子を引く
を引いて 
の対子が完成 → 6対子に。
テンパイ:単騎待ち













の単騎待ちでテンパイ。
かぶり(4枚目)への対処
七対子の最大の敵はかぶり(既に対子になっている牌の3枚目・4枚目を引くこと)です。
- 3枚目を引いた場合 → 1枚切って対子を維持するか、暗刻として持ちトイトイに切り替えるか判断
- 場に2枚見えている牌 → 対子にならないので早めに処理
七対子と相性の良い役
七対子は門前限定の対子手であるため、複合できる役は限られますが、相性の良い組み合わせがあります。
複合する主な役
| 役名 | 条件 | 翻数合計 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| リーチ | テンパイ時にリーチ宣言 | 3翻〜 | 低い |
| ツモ | 自力でツモ和了 | 3翻 | 普通 |
| タンヤオ | 2〜8の数牌のみで対子7組 | 3翻 | やや難 |
| 混一色(ホンイツ) | 1種類の数牌+字牌のみ | 5翻 | 難しい |
| 混老頭(ホンロウトウ) | 1・9・字牌のみで対子7組 | 4翻 | 難しい |
| 字一色(ツーイーソー) | 字牌のみで対子7組 | 役満 | 極めて稀 |
タンヤオ七対子の例














すべて2〜8の中張牌で構成 → タンヤオ+七対子で3翻。ドラが絡めば満貫も見えます。
混一色七対子の例














萬子+字牌のみ → 混一色+七対子で5翻(満貫)。高打点が狙える組み合わせです。
複合しない役
| 役名 | 理由 |
|---|---|
| 平和(ピンフ) | 順子+両面待ちが必要 |
| 一盃口・二盃口 | 順子が必要(二盃口は上位互換) |
| 三色同順・一気通貫 | 順子が必要 |
| 対々和(トイトイ) | 刻子4つ+雀頭の形であり、対子手ではない |
七対子のメリット・デメリット
メリット
- 守備力が高い — 対子手は孤立牌を切るため、安全牌を手元に残しやすい
- ドラが乗りやすい — 対子で持つとドラが一気に2枚。ドラ対子で打点が跳ねる
- 読まれにくい — 捨て牌が通常手と変わらず、他家に七対子と悟られにくい
- リーチとの相性が良い — 門前限定のため、常にリーチの選択肢がある
- 配牌で方針が決まる — 対子の数で早い段階から判断できる
デメリット
- 鳴けない — 門前限定のためスピードで劣る
- かぶりに弱い — 3枚目・4枚目を引くと形が崩れる
- 待ちが単騎のみ — 和了牌は最大3枚(場に1枚見えていれば2枚)で、当たりにくい
- 基本点数が低い — 2翻25符は子ロンで1,600点と安い
- テンパイ即リーチか悩む — 単騎待ちのため、待ち牌変更(ダマテン)も有力
実戦での七対子の狙い方・コツ
いつ七対子を狙うか
- 配牌で対子4〜5組 — 最も自然な七対子の入り口
- ドラの対子がある — 七対子ドラ2で一気に満貫級
- 通常手が作りにくい配牌 — 面子手に向かない(バラバラ手)ときの保険
- 守備を重視したい展開 — 他家のリーチに対して、対子落としで安全に進行できる
リーチかダマテンかの判断
| 状況 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 良い待ち(生牌・字牌単騎) | リーチ | 一発・裏ドラで打点上昇 |
| 場に2枚切れの待ち | ダマテン | 残り1枚、リーチの価値が低い |
| ドラ対子あり(既に高打点) | ダマテン | 十分な打点がありリスクを避ける |
| 巡目が深い(残り少ない) | ダマテン | ツモれる可能性が低い |
| 他家がリーチ中 | 状況次第 | 追っかけリーチか降りるか |
七対子を読まれないために
- 序盤に字牌を先切り — 字牌を溜め込むと七対子を疑われる
- 対子落とし(同じ牌2枚切り)は目立つ — 終盤の対子落としは七対子テンパイの可能性大
対・七対子の守備
他家が七対子をテンパイしている場合の注意点です。
- スジ読みが効かない — 七対子の待ちは単騎待ちなので、スジ(1-4-7等)で安全牌を推測できない
- 現物以外は危険 — どの牌でも当たり牌になりうる
- 対子落としが見えたら警戒 — 終盤に同じ牌を2枚連続で切る打ち手は、七対子テンパイの可能性がある
よくある質問(FAQ)
Q. 同じ牌4枚で2対子にカウントできますか?
A. できません。 例えば
を4枚持っていても、七対子では1対子としか扱えません。これは七対子の「異なる7種類」というルールによるものです。そのため 


を含む手は6対子扱いとなり、七対子は成立しません。
Q. 七対子とトイトイ(対々和)は同時に成立しますか?
A. しません。 対々和は「刻子(3枚)× 4組 + 雀頭」の形が必要です。七対子は「対子(2枚)× 7組」なので、手牌の構成が根本的に異なります。
Q. 七対子の待ちは何枚残っていますか?
A. 最大3枚です。 七対子は必ず単騎待ちになり、手牌に1枚持っているため、残りは山と他家の手の中に最大3枚。場に見えている枚数によってはさらに減ります。
Q. 七対子でフリテンになることはありますか?
A. はい、なります。 待ち牌を過去に捨てていればフリテンです。七対子は待ち変更が容易(別の対子を崩して単独牌を変える)なので、フリテンに気づいたら待ちを変えることも検討しましょう。
Q. 七対子はオンライン麻雀でも採用されていますか?
A. はい。 雀魂(じゃんたま)、天鳳、MJなどの主要なオンライン麻雀ではすべて七対子が採用されています。25符計算も自動で行われます。
関連用語
- 対子(トイツ) — 同じ牌2枚の組
- 対々和(トイトイ) — 刻子4つの役
- 単騎待ち — 1枚だけ待つ形
- 門前(メンゼン) — 鳴いていない状態
- 二盃口(リャンペーコー) — 同じ順子2組が2セットの3翻役
- タンヤオ — 中張牌のみの1翻役、七対子と複合可能
- 混一色(ホンイツ) — 1種の数牌+字牌で構成する役
まとめ
七対子(チートイツ)は、異なる7種類の対子を集めて完成させる2翻の特殊役です。通常の「4面子1雀頭」とは異なる唯一の手牌構成であり、点数計算も25符固定という特殊ルールが適用されます。
七対子を狙う際のポイントをまとめると:
- 配牌で対子が4〜5組あるときに狙うのが基本
- ドラ対子がある場合は特に有力(ドラ2で一気に高打点)
- かぶり(3枚目・4枚目)に注意し、場合によってはトイトイに方針転換
- タンヤオ・混一色との複合で打点アップを意識する
- 二盃口と同じ形になる場合は二盃口が優先される
- リーチかダマテンかは待ち牌の残り枚数と打点で判断する
初心者の方は、まず「異なる7種類の対子」「同じ牌4枚は1対子」「門前限定」という3つの基本条件を覚えましょう。対子が多い配牌を見たら、七対子という選択肢を思い出すことが大切です。